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第1627話 アリス達の射撃訓練。(何だろう、これは才能なのだろうか。)

「パン」

「パン」

「パン」

射撃場に小銃の発射音がこだましていた。

2的用にちょっと傾斜を付けた土壁を用意していたのだが、的をキツキツに配置して3枚並べられていた。


「・・・ん~・・・当てすぎですね。」

武雄が伏せ撃ちをしている3人の横で同じように伏せた状態で小銃改1のスコープで的を見ている。

「タケオ様、誰が一番ですか?」

アリスが聞いてくる。

「パナですね。

 綺麗に真ん中に集まっています。」

「に・・・二番は?」

「差がないですね。

 どちらも真ん中からちょっとズレてまとまっていますし・・・どちらも優秀だと思いますが?」

「むぅ・・・」

アリスは納得出来ないようだ。

「アリスもなかなかやるわね。」

コノハが堂々と言い放つが心の中では「危なかったぁ」と思っていた。

「まぁ50mは当てて当たり前ですからね。」

パナがそんな事を言う。

「次は100m勝負です!

 タケオ様、後何発ありますか?」

「一人10発はありますよ。」

「よし!コノハ!パナ!的を移動させましょう!」

「「負けず嫌いだなぁ。」」

「的を取ったら土壁を補修しときますかね。」

4人が通路を通って的に向かうのだった。

・・

今度は100m用の的の正面に3人が陣取る。

「よし!今度こそ!」

「結構遠いですね。」

「今度こそアリスに大差をつけないとね。」

「はいはい、頑張って~。」

気合を入れている3人の横で武雄がスコープを覗きながら言うのだった。

・・

12時過ぎたくらいの訓練場。

「ん~・・・あまり良い結果じゃなかったですね。」

「いや、アリス、真ん中に当たるよりもこのぐらいにまとまる方が有益よ。

 パナちゃんがおかしいの。

 ど真ん中ばかりだし。」

「普通に考えながら撃ったんですけどね。」

3人が自分の使った的を見ながら昼食を取っている。

今日はサンドイッチを持ってきており、武雄がお茶を淹れて雑談しながら食べている。

「100mでこの精度って恐ろしいですね。」

武雄がタマゴサンド片手に呆れている。

「タケオ様はしなくて良いのですか?」

「私は試験小隊の方々を見てから練習しますよ。

 でもここまでの精度とはいかないでしょうけど。」

武雄が「6割程度が集まれば良い方だろうな」と思っている。

「あれ?タケオ様も城門前で撃った時は結構当たっていましたよね。」

アリスが聞いてくる。

「私は練習不足ですよ。

 小銃改を使っていますからね。

 スコープなしでは当てられる自信はありませんよ。

 むしろ前に数回しただけで今回こんなに当てる方が脅威です。」

「想像して過ごしていましたしね。」

「イメージトレーニングね。

 アリス、それ重要よ。」

アリスとコノハが言ってくる。

「いやいや、イメージトレーニングで銃が上手くなるなら誰でもしますよ。

 素質があったのかなぁ?」

「え?タケオ様、私は素質があったのですか?」

アリスが嬉しそうな顔をさせる。

「少ない回数でここまで上手いとなるとね。

 まぁさらに上手くなるには訓練が必要でしょうけど。

 たまにしてこの精度なら上々でしょう。

 屋敷で何かあった際は01式小銃を使って迎撃しても良いでしょうね。」

「アリスなら小銃より剣の方が速い気がしますが。」

武雄とパナがアリスを評している。

「屋敷内ならそうですよね。

 まぁ小銃は趣味程度でやっていきますかね。」

アリスも否定はしない。


「あれ?所長?アリス殿?」

「お疲れ様です。」

ブルックとアーキンがやってくる。

「はい、お疲れ様。

 皆さんは?」

「13時30分にこっちで集合以外は皆自由なので私達は早めに出ました。

 所長は・・・整備ですか。」

アーキンが武雄が作った射撃場の通路を見ながら言う。

「通路・・・幅が広いですね。

 飛び越えられなさそう。」

ブルックが言ってくる。

「基本的には射撃中は的までは通路を通って行きますからね。

 安全の為ですよ。

 あ・・・旗用意しなきゃ・・・

 アーキンさん、ブルックさん私はちょっと買い物に行ってきます。

 自分の的をつくっておいてください。」

「「的?」」

「自分の的は自分で作りましょう。

 毛布はあるのでナイフか何かで切って丸を書いておいてください。

 見本品はアリス達が持っていますので。」

「はぁ・・・わかりました。」

武雄の言葉にブルックが生返事をする。

「では、私は雑貨屋に行ってきます。

 パナ、行きますよ。」

「はい。」

パナが小さくなって武雄の肩に乗る。

「「いってらっしゃーい。」」

アリスとコノハが見送るのだった。

・・

雑貨屋にて。

「あれ?所長?」

「お疲れ様です。」

武雄達が入るとベイノンとオールストンが買い物をしていた。

「はい、お疲れ様。

 私も買い物ですよ。

 赤い布と青い布を20cm角で6枚ずつ、30cmくらいの木の棒を6個とはさみとノコギリください。」

武雄が自分で選ぶよりも店員を捕まえて欲しい物を伝える。

「わかりました。

 カウンターで少々お待ちください。」

店員が武雄の要望を叶える為に店内を回り始める。

「よろしくお願いします。

 で、何を買っているのですか?」

武雄がカウンターに肘をついて体重をかけて2人に聞く。

「いえ、特には面白そうな物がないかと。」

「俺は夕食後の本ですね。

 王都守備隊に居た時に比べて時間も余っているので面白そうな本があったら買おうかと。」

「余暇の過ごし方は人それぞれですから楽しんでいるのなら良い趣味でしょう。

 それに雑貨屋巡りというのも楽しい物ですからね。」

「所長は何を?」

「訓練で使う小物ですよ。

 買ったら射撃場に戻って作業です。」

「なら我々も同行いたします。」

「目的地は一緒ですし。」

3人は武雄の買う物が揃うのを待つのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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