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第1624話 1日の終わりは1。(研修中の子達は。)

城門前の演習場。

兵士達が整列して点呼を行っている。

「よし!全員問題ないな。

 本日の訓練終了!」

「「「ありがとうございました!」」」

「解散!」

兵士長が皆の前から去っていく。

「第16小隊!集合!」

小隊長の言葉に第16小隊員が集まる。

「ケード!コーエン!アニータ!ミルコ!

 今日から2か月やれるな!」

「「「「はい!よろしくお願いします!」」」」

「おし、良い返事だ!

 皆もこの4人は遅れての参加だが、何があっても小隊内で助け合え!

 あ~・・・それと一応言っておくが、第二研究所所属だからといって陰湿な事はするなよ。

 4人とも・・・いや全員に言っておく、そんなくだらない事をする奴がいたら即座に報告して来い。

 もうここにいる人間は子供ではない。

 そんなくだらない事をするぐらいなら自身の能力を磨き、エルヴィス家に忠誠を尽くせ。」

「「「「はい!」」」」

「第16小隊はこのあと兵舎に戻り次第、湯浴みと全小隊の夕食の用意だ!

 4人への補助忘れるな!

 時間がない要領良く熟せ!」

「「「「はい!」」」」

「全員4列!整頓!

 行進用意!足踏み始め!」

「「「1、1、1、2・・・1、1、1、2・・・」」」

小隊員の皆がすぐに4人毎に列になり、足踏みを始める。

「全体~・・・進め!」

号令の下、行進しながら兵舎に帰るのだった。

・・

第16小隊兵舎前。

湯浴みも食事も終わり、今は自由時間になっていた。

ケイ達4人はというと。

「「「「・・・」」」」

アーリスが提唱した省力訓練を実施中。

これは4人共試験小隊からの日課として出された内容だった。

ただし15分のみ。

短時間でも毎日させるのが今回の課題のようだ。


「はい、15分。」

ジーニーがケイの懐中時計を見ながら伝える。

「「「「ん~・・・」」」」

4名が自身の距離を見て悩んでいる。

「それが試験小隊の方々からの課題?

 変なの。」

ジーニーが言ってくる。

「まぁ試験小隊内での教育内容の精査中のやつだから・・・ん~・・・もう少し行けると思ったんだけど。」

ケイがジーニーに言いながらも首を傾げている。

「やっぱり日中訓練しているから精度がいまいちなんですかね?」

「疲れていてもいつもの距離は出さないと怒られるのでは?」

「怒られはしないけど・・・戻ってからの訓練が怖いですね。

 ・・・何されるんだろう。

 あ、今日の記録取らないと。」

パメラ、アニータ、ミルコも首を傾げてから自分で今日の距離を記録している。

「まぁ初日だからしょうがないんじゃない?

 とりあえず、今日はあとはゆっくりして明日に備えなよ。

 明日は朝から走るんだから。」

「朝食前に?」

「うん、毎日10㎞が朝の訓練だし、終わったら朝食。

 その後は剣技をやって、講義も受けるわよ。

 昼食後は全体の行進訓練をして後は日別で何か。

 これの繰り返しだからね。」

「魔法は?」

「今の所、基本自由ね。

 規制と言えば剣技の際は使用不可ね。

 あとはまぁ体力向上が目的でもあるから本当に辛い時と寝る前にケアくらいかな。

 他の隊員達と同じ条件で素の能力勝負よ。

 意外と大変なんだわ。」

ジーニーがやれやれとする。

「魔法がないから?」

「それはあるけど・・・

 魔法師専門学院は主に魔法を教えられていたけど、素の状態での能力向上もされていたのが如実にわかってしまうわ。

 はっきり言うとね。

 地元で今年入って来た人達と差が私達にはあるわ。

 もちろん4年間の学院生活の賜物だけど。

 剣技でも走り込みでも魔法師専門学院卒業生がトップを独占するわよ。

 これがやっかみになるんだけど・・・残念な事に4歳も年上だからね。

 上手く嫌味に対応して欲しいのよ。

 出来る限り私が付くけど、居ない時なら我慢してくれるとありがたいかな。

 愚痴は私が後でいくらでも聞いてあげるわ。」

「「ふ~ん。」」

ケイとパメラが返事をする。

実はこの2人が試験小隊で素の状態で最下位争いをしているので魔法師専門学院卒業生が凄いというのがいまいちわかっていない。

「お姉ちゃん、僕達は?」

「私達はそれ以前の問題ね。

 キタミザト様から言われている通り人間種からすれば異種族だからね。

 まぁある程度許容するように言われているでしょう?」

「そうだね。

 酷い時は相談すれば良いんだよね?」

ミルコとアニータが話している。

「あ~・・・貴女達もよろしく。

 相談は私が受け付けるわ。

 多分大丈夫だとは思うんだけど・・・なんでも相談して。」

ジーニーが言ってくる。

心の中で「アニータとミルコに何かあれば小隊長達でなく兵士長と騎士団長が奔走する事になるのは誰もが知る事だからね、それにアリス様の逆鱗に触れる度胸がある者が居ると思えないけど」と思っている。

「さ、とりあえず部屋に戻りましょう。

 そうそう今日は新人歓迎という事で細やかながら第16小隊で歓迎会をするわよ。

 多分、もう少しで準備が出来ると思うんだけどね。」

「「「「おおおお。」」」」

4人が驚く。 

「ま、キタミザト様の所に比べれば質素よ。」

ジーニーが先頭で兵舎に入っていくのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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