第1622話 モニカ達との話し合い。1(増収増益中。)
研究所の3階 所長室。
「キタミザト様、研究室の仕切板の施工は問題なく終わりました。」
モニカがソファに座り目の前の武雄に報告している。
「はい、ご苦労様です。
机とかの搬入はいつに?」
「明日を予定しています。
物も4人分と大きい机と椅子6脚、本棚等ですので・・・作業に問題はありません。」
「問題ないなら良いです。
研究室はこれからですからね。
どうなるかわかりませんが、やっていくしかないです。」
「入用な物があれば言ってください。
出来る限り用意いたします。」
モニカが頭を下げて言う。
「特に今はありませんが・・・職員達から注文があるなら対応してください。」
「はい、わかりました。
で・・・キタミザト様、知っていればで良いのですが、王都の人事局から鉛筆の注文が来たのですけど。」
「・・・人事局?・・・王家にしか渡していないはず・・・」
「黒板とチョークもあるので注文が来てくれるのは全然構わないのですけども。
ちょっと量が・・・鉛筆は300セットの6000本、消しゴム50セットの250個。
第1皇子一家、第2皇子一家の両家からの注文を合わせた個数なんです。
赤鉛筆も含まれるので両家とはまた違った感じではありますが、ほぼ同規模なんです。」
「多いですね。
ジーナが王立学院ですね、あそこは人事局の管轄です。
ですが、ジーナなら直接かキタミザト家に言えば良いので違いますね。
となると・・・あ~エイミー殿下なら鉛筆も使ってくれているでしょうか。
エイミー殿下なら第2皇子一家経由・・・は遠いか、エイミー殿下が欲しいと思ってついでに王立学院に入れるんじゃないですか?
在籍生徒が100名前後ですからね。
予備も含めて買っておきたいのでしょう。
一括で納入ですか?」
「いえ、月毎の分割で良いと、それに輸送方法は専売局のが来た時の復路便で構わないと言われてまして、毎月を要望するが毎月便がなければある時で良いと・・・自由です。」
「まぁ専売局は実入りの良い品を扱っているし、塩や紙もあるからほぼ毎月来ているのは確かでしょう。
・・・エルヴィス家の総監部か経済局が受け持っているでしょうから確認してください。」
「はい、わかりました。
で、相談というか知見と言うかですね・・・今後の見通しはどうなると思いますか?
家具等は領内なので多少のズレはあっても仕入れに影響がないようにしているのですが、最近の玩具と文具が引っ切りなしで・・・どのくらい見繕うかと・・・」
モニカが疲れた顔をさせる。
「・・・大変?」
「ええ、とっても。
いや、正直言うとここまでとは思っていませんでした。
玩具も王家に渡したというので王家関連で終わるかと思っていたら。」
「いたら?」
「王都の知らない雑貨店からの依頼が入りまして。
あ!正確には王都と取引しているこの街の雑貨店からの依頼が入ってきまして、そっちも結構な量なのです。」
「街に出したか・・・であるなら玩具は今の量が1、2年続きそうではありますよね。
まぁまだこの街では出回っていませんけどね。」
「楽しんでいるのはキタミザト様や伯爵様だけですし、あ、でもエルヴィス家の軍務局から将棋10個程きましたよ。
この街でも売れるのでしょうか?」
「積極的な販売を仕掛けてはいませんからね・・・
その街の雑貨屋さん王都に送る用以外で買いましたか?」
「そこまでは私達は・・・まぁ商売人として見ると王都で流行っている物を店先には出さないという選択肢は無いのではないでしょうか?」
「でしょうね。
この街の住民がどう考えるかでしょうか。
リバーシの方が売れ行きは良さそうですけども。」
「将棋の方が多いですよ。」
「え?そうなのですか?
手ごろ感ではリバーシの方が良さそうなのに。」
「じっくりやる将棋の方が今は出荷量が少し多いですね。
王都での販売がどうなるかで今後は変わるかもしれませんが。」
「職人にも限りはあるからなぁ・・・一気に需要が高まるのは避けたいですけど。」
「本当に。
でもこれだけ仕事があるというのは職人達も大変そうですけど、やる気になってくれています。
品質は確実に向上していますよ。」
「そうですか。
でも手抜き仕事はしてはいけません。
ですが、今でこそこんな状態なのです。
手抜きはしなくても効率は良くさせないといつか仕事が熟せなくなるでしょう。
対策は考えていますか?」
「それキャロルさんに言われました。」
「飲みながらですか?」
「飲みの席ではないんです。
この間、キャロルさんとローチさん等々・・・皆が仕切板の製造を見に来たんですよ。」
「え?それは私も行きたかった。」
「やめてください。
で、その際キャロルさんと工程の話をしていて効率化出来る所の話合いもしたんです。」
「ふむ・・・一番は湯煎する所でしょうけど、やり方ありましたか?」
「ええ、キャロルさんもそこに人が付きっきりというのが嫌みたいで・・・何かやり方があるのではないかとキャロルさんがその場で何やら装置を考えていました。
まぁ向こうは黒スライムらしいですね。
なので火を直接加えられるから楽そうですけど・・・キャロルさんの方の装置が出来て可動出来たらその装置を改良してうち向けの装置を何か作ろうって話になっています。」
「それは楽しみですね。」
「キャロルさんがこっち側に居てくれるのは助かります。
何か装置を考えてくれるので。」
「まぁ今度聞きに行ってみましょうかね。
モニカさんの所にも行きたいです。」
「うちはダメですよ。
皆忙しいので落ち着くまでは無理です。
キャロルさんの所に行ってください。」
モニカが難題を他人に放り投げるのだった。
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