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第1603話 さて久しぶりに料理だ。(まずは説明。)

エルヴィス伯爵邸の玄関。

「ただいま戻りました。」

武雄達が玄関に入ってくる。

「「「キタミザト様、おかえりなさいませ。」」」

今日はメイド3人がお出迎えだ。

「はい、ただいま戻りました。

 アリスから連絡は行っていますか?」

「はい、厨房、メイド等屋敷内の準備は完了しております。

 ヒルダお嬢様、ようこそおいでくださいました。」

「お・・・お邪魔します・・・」

ヒルダは緊張しながら挨拶をする。

「タケオー!遅ーい!」

チビコノハが客間の方から飛んできて武雄に抗議してくる。

「仕事だったんですよ。

 コノハ、準備は?」

「もうスイーツ担当に2回ほど説明して段取りまでしたわよ。

 と、この子がヒルダね。」

「は・・・初めまして!ヒルダ・グレンヴィルです!

 今日はよろしくお願いします!」

「ええ、よろしく。

 料理長の娘と聞いたから・・・奥さんの遺伝子が勝ったわね!」

「なーに言ってるんですか。

 ちなみに奥様も元々ここの料理人らしいですよ。」

「ほぉ、その情報は聞いてなかったわ。

 まぁ父親が居るけど気にせず作りましょう。

 タケオ、着替えるの?」

「作ってる時に色々と飛びそうなんでね。

 着替えてきます。

 ヴィクター、アスセナさんはメイド長に挨拶を。その後は段取りを確認してください。」

「「はい。」」

「ヒルダは一旦、客間に居て貰って・・・客間は誰か居ますか?」

「アリス様、エリカ様方がお待ちです。

 伯爵様は執務室にて夕霧様に監・・・と一緒に執務をしております。」

「うん、ならお邪魔はしてはいけないでしょうからね。

 ヒルダはアリス達に挨拶してきてください。

 私も着替えたらすぐに向かいます。

 初雪も客間でのんびりしていなさい。」

「はい!」

「はい。」

「キタミザト様、今日のお召し物はすぐに洗濯しますのですぐに出してください。

 私めが寝室前におりますのでお渡しください。

 あと食事会用に制服の替えのズボンは用意しております。

 かけておきましたので確認をお願いします。」

「ありがとうございます。

 では、よろしくお願いします。」

「「「はい。」」」

メイド達が返事をしそれぞれを目的地に先導するのだった。

・・

エルヴィス家の厨房。

「皆さん、ただいま。」

武雄がそう言って入ると。

「「「キタミザト様、おかえりなさいませ。」」」

と、その場にいた執事、メイド、料理人全員が起立して挨拶をする。

「うわぁ・・・相変わらず凄い。」

ヒルダは、その光景に圧倒される。

「おうタケオ、すまんな、ヒルダの我が儘に付き合って貰って。」

料理長が苦笑しながら武雄の下にやってくる。

「いえいえ、元々私もいつか作ろうと思っていた物でもありますし。

 今回もヒルダに先を越されました。」

武雄が笑って答えている。

「タケオ、ありがとう。

 それとコノハ殿から言われた食材は用意できている。

 窯の方も準備を始めている。

 まぁ今日の食事会の為のピザを焼く気になっているんだがな。」

「確かにピザはこういった時に便利でしょうね。」

「焼いた物をすぐに持っていけるし、残り具合を見て次の分を焼き始められるしな。

 と、それはこっちの話だな。

 コノハ殿から事前に工程は教えて貰っている。

 これだ。」

料理長がレシピを武雄に渡す。

「ふむ・・・あ~なるほど。

 ヒルダの失敗の原因がわかりますね。」

「だな。

 これは俺も予想していなかった。」

「え?もうわかったんですか?」

ヒルダが武雄の手元を覗く。

「ん~・・・バター?・・・バターってなんですか?」

「まぁ個人ではまだまだ入手困難でしたか。」

「そうだなぁ、うちでも高くて買わないんだわ。」

「バターってなんですか?」

ヒルダが聞いてくる。

「取れたての牛乳から出来る固形の物の一種で塩を少し入れて固形化させるんですよ。」

「料理人達は知っているが高価でな・・・

 普段の料理にもあまり使っていないんだ。」

「へぇ~。」

ヒルダが知らない食材を知り目が煌めく。

「まぁ今回は使いますが。」

「今ではエルヴィス家も毎日購入しているぐらいだからな。

 これから需要が増々増えるだろうな。

 牧場の素案が出来たらしいぞ。」

「楽しみですね。

 と、ヒルダの回答ですね。

 コノハ、陣頭指揮をお願いします。」

「はいは~い。

 ではこれからアップルパイを作っていきましょう。

 ちなみに武雄が言っていたジャムのみというのは今回は置いておいて、基本となるリンゴジャムとリンゴの細切れを使うわ。

 こっちの方が食べた時にリンゴの食感もあってリンゴを堪能出来るからね。

 ヒルダ、それで良い?」

「はい!構いません。」

「よし!じゃあまずはパイ生地ね。

 これはビスケットやパンとの違いはバターの量とイーストを使わないという所にあるの。」

「イースト・・・膨らませないという事なんですね。」

「ヒルダ、頭良いわね。

 その通りよ、でもバターを入れる為、実際は焼いた際に少し膨れるのよ。

 ほんのちょっとだけどね。

 それがサクサク感に繋がるという事ね。」

「なるほど・・・バターを入れると少し膨らむ・・・面白い。」

「そうね。

 じゃあ、やってみましょう。

 スイーツ担当!」

「はい!こちらに!

 小麦粉の方は時間短縮の為、ダマを取った状態にしています。

 ヒルダさん、まずは良くふるいにかけてダマを潰してください。」

「はい!」

「今回は2人分を作るとしているから、小麦粉を250g、バターを140g、塩は小さじ1杯を使うわ。

 ヒルダ、これを混ぜましょう。」

「粉にバターを?・・・ダマになりそうですが。」

「ふふ、その通り、まずは意図的にダマを作っていく感覚なのよ。

 ヒルダ、手を洗って実践してみましょう。

 な~に、そこまで難しくはないわ。」

「はい!わかりました。」

ヒルダと武雄が手洗いを始めるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 量ってあるならほぼ失敗はないね
[一言] チビコノハがマジです。 さすが食いしん坊です。 シュークリームも作るはず。 食べたあと無言でエリカとカサンドラがヒルダを両脇から確保して逃がさない姿が目に浮かぶ。 ヒルダちゃんがますます活躍…
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