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第1595話 試験小隊の特別訓練。4(特別枠。)

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

「「・・・」」

オールストンがぐったりしながら休憩所の前で寝ている。

ケイとパメラも空を見上げて大の字に寝ている。

「ベイノンさん、スープ入りましたよ。」

「スズネ殿、ありがとうございます。

 その辺に置いておいてください。」

ベイノンが弱々しく言う。

「まぁ・・・辛いのはわかりますけど。

 ん?何やら皆が一緒に小道の入り口の方に行きますね。

 ちょっと聞いてきますね。」

「はぁい。」

「「・・・」」

鈴音がベイノンとケイ、パメラを残して武雄達の方に向かうのだった。

・・

「ビエラ、クゥ、本当にするのですか?」

「はい!」

「きゅ!」

武雄の問いかけにビエラとクゥが両手を上げて返事をする。

「まぁ・・・直接当たりはしませんけど。」

「走る相手に合わせてか・・・」

「あのぉー・・・終わりじゃないのですか?」

「実は・・・僕達も結構疲れているです・・・ポーションも残りありませんし・・・」

アーキンとブルックは考えながら、アニータとミルコはお疲れのようだ。

「ほふく前進訓練ではなく疑似戦場を走りぬく訓練ですか。」

「まぁ確かに必要な事の1つではありますけど。」

マイヤーとアンダーセンは子供2人の愚痴を聞きながらも有効性を考えながら言う。

「なら・・・アニータとミルコはケードとコーエンと一緒に休憩に入って、私らがしますか?」

「まぁ体感した感じ、初級魔法の重ねのような物だったな。

 難しくはないか。」

「となると、ちょっと練習すれば及第点ぐらいの威力は出せますね。」

ブレアとベイノン、アーリスも出来るような事を言う。

「トレーシーもこっちだからな。

 開始の所に居たんだから疲れてないだろう。」

アンダーセンが言ってくる。

「いやいや、これでも結構疲れているんだよ?」

ちなみにほふく前進訓練の開始地点にはトレーシーが、終了地点には鈴音が待機し、隊員の誘導をしていた。

「所長、何とかなりそうですね。」

マイヤーが言ってくる。

「良いでしょう。

 ビエラ、クゥ、危ないと私が思ったら即中止にしますからね。

 それと無理はしない、これは絶対ですよ。」

「はい!」

「きゅ!」

ビエラとクゥが元気に返事をするのだった。

・・

「よーい・・・スタート!」

ポンッ!

武雄がファイアを打ち上げ、10mくらいの空中で爆裂させる。

「あ~♪」

「きゅ~♪」

ビエラとクゥが窪みを走っていく。

「速っ!」

「「ストーン!」」

「エクッ・・・くっ!もう通り過ぎている!

 この速度は速すぎでしょう・・・」

「呆れるな!ビエラ殿前方10m足元!ファイア!放て!」

アンダーセンが小隊員に指示を出す。

「「ファイア!」」

アンダーセン達も並走しながら魔法を発動しているが初っ端から混乱するのだった。

・・

「あ~♪」

「きゅ~♪」

「はい、ゴールでーす。」

鈴音の前をビエラとクゥが走り過ぎていく。

「・・・約1分と少しですか・・・速くない?」

鈴音が懐中時計を見ながら言う。

「到着っと。

 鈴音、タイムは?」

武雄達が鈴音の下にやってくる。

「1分ちょっとです。」

「・・・この小道が約500m、窪みだけでも最低470mはあるんですけどね・・・

 女子400m走の世界大会レベルだと確か50秒を切る程度だったと思いますが。」

「世界記録ペースを・・・この窪みで?」

「魔法がある世界って怖いですね。」

「ですね。」

武雄と鈴音が頷くのだった。

「タケオ!タケオ!」

走り終わったビエラが武雄に近寄りドヤ顔をしてくる。

「途中からストーンとエクスがなかったですけど・・・楽しかったですか?」

「はい!」

ビエラが満面の笑みを武雄に向ける。

「まぁこっちから見ていても爆発が全部背中側というのはわかりましたけど。

 タケオさん、あれで良いんですか?」

「良いも悪いもこの訓練はほふく前進をする為の訓練でビエラがしたのは銃弾が飛び交う戦場を駆け抜ける訓練。

 想定が違い過ぎて魔法を放つ方のアンダーセンさん達が対応出来ないのは致し方ないでしょうね。

 ね、アンダーセンさん。」

「ええ、速すぎます。

 狙いをどこにして良いかわからないくらいです。」

「騎馬を狙ってはありますけど、あれは50mとか距離もありますから・・・・」

「こんな近くでした事ありませんよ。」

「近いから逆に難しいですね。

 これも面白い訓練ですね。

 やりたいと思いませんが。」

皆が素直に負けを認めている。

「近場で魔法を発動させないのですね?」

「ええ、魔法は250m~50mまでの攻撃方法ですからね。

 近くになれば剣で対応するのが一般的です。

 なので・・・この距離では距離感が違いすぎで困りますね。」

アンダーセンがやれやれと手を挙げる。

「タケオ様、終わったのですか?」

アリス達が武雄の下にやってくる。

「ええ、訓練終了です。

 マイヤーさん、アンダーセンさん、トレーシーさん、ほふく前進訓練終了です。」

「「「はっ!」」」

「各位で評価と感想を。

 それと試験小隊の方は次回実施についての問題点の確認をしてください。」

「じ・・・次回ですか?」

アンダーセンが「定期開催ですか?」という顔をさせて聞いてくる。

「来年も10名採用と思っていますからね。

 新しく来た人達にも味あわせてあげたいでしょう?」

「ええ、わかりました。

 しっかりとした訓練手順を作成します。」

アンダーセンが悪い顔をさせて返事をする。

「お願いします。

 では、自由解散です。

 マイヤーさん、任せます。」

「はっ!アンダーセンは試験小隊をまとめろ。

 一応、今回使用した窪みや訓練場の確認を行え。

 トレーシーは私とスズネ殿と一緒に研究所に戻ろう。」

「「はっ!」」

マイヤーの指示にアンダーセンとトレーシーが返事をして各々が行動に移るのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 鈴音がベイノンとケイ、パメラを残して武雄達の方に向かうのだった。 その後の会話でベイノンが普通に混ざっているのですが、元王都守備隊なので、直ぐに状況を把握して起き上がって合流したので…
[良い点] 悪い顔してる大人しかいないじゃないですかーヤダーw
[一言] フォレストガンプ一期一会を思い出した私は悪くないと思います 本作で走ったのは剣呑極まりない究極生物ですけども
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