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第1580話 なーんか問題ごと。4(時雨は自由で良いね。)

スミスの部屋。

「・・・」

スミスは真面目に宿題を熟している。

「・・・」

マリは窓から外に体を向け瞑想をしている。

「?」

マリがクローゼットを見るとスライムが入り込んできていた。

「珍しい。

 ここはジーナの部屋ではない、隣の部屋がお主たちの主の部屋だ。

 さ、行きなさい。」

マリがスライムを持って屋根裏に戻そうと天井の板を開けると。

「マリ、久しぶりっスね!」

屋根裏に時雨(見知った知人)が居た。

「・・・天井裏から挨拶とはまた奇怪な事をして。

 主、シグレが来ていますよ。」

「え!?時雨が?

 入っておいでよ。」

スミスがクローゼットに顔を向ける。

「失礼するっス。

 シウンも居るっスよ。」

全裸の時雨が屋根裏から降りてくる。

「紫雲も来たんですか。

 タケオ様から?」

「ジーナに現状報告しに来たっス。

 ジーナにはさっき会ったっスがすぐに出かけたっス。

 大人しく待っていろと言われたっスけど、スミスの事も気になったので覗きに来たっスよ。」

「それはご苦労様。

 服は・・・どうしたの?」

スミスは「あ、なるほど、ここまで堂々とされると恥ずかしいとか言えないね」と武雄が言っていた事がわかるのだった。

ついでに言えば姉達がいるので幼少期から一緒に湯浴みもしている経験上、女性の裸を見せられた程度では動揺は抑えられる程度に達観していた。

「ジーナのを借りたっスがスミスの部屋に来るのに天井裏に上がる為に一旦スライムになったから着ていないっスよ。

 ジーナが戻るまでに部屋に戻ってまた着るっス。」

「そうですか・・・

 では、この部屋では僕のコートでも羽織っていてください。」

スミスが席を立ち時雨にトレンチコートを渡す。

「了解っス。

 スミス、王立学院はどうっスか?」

時雨がトレンチコートを羽織りながら聞いてくる。

「特に何もなく穏便ですよ。」

「友達出来たっスか?」

「・・・出来た・・・と思います。」

スミスが顔を逸らせながら言う。

「??」

時雨が首を傾げている。

「はぁ・・・主、あれは表面上の付き合いと申しますか。

 同級生という立場での雑談と申しますか。

 あれを友達付き合いと申されるのは流石に難しいかと。」

マリがため息交じりに呟く。

「んんっ!マリ、静かにね。

 時雨、僕は元気に王立学院に通っていますよ。」

「スミスは独りぼっちなんっスね。

 大丈夫っスか?」

「ぐふっ・・・」

「はぁ・・・」

スミスが大ダメージを負い、マリがため息をつく。

「???

 スミスは引きこもりっスもんね。

 他人とこみゅにけーしょんが出来なくてもしょうがないっス。」

「時雨、それ誰から聞きましたか?」

「アリスっス。

 『剣の練習ぐらいでしか家から出ていかない引きこもりのスミス』って事あるごとにボヤいているっスよ。

 タケオの前では言わないようにしているっぽいっスけど、この間はエリカと話をしていたっスよ。」

時雨が言ってくる。

「アリスお姉様・・・なに言ってるの?・・・」

スミスが頭を抱えて落ち込む。

「シグレ、他にスミスの事をどう思っているか聞いているか?」

「・・・特にないっスよ。

 伯爵もアリスが言った横から『いきなり親しくなるなんて無理なんだから徐々にすれば良い』と言っているし、タケオも『学び舎では皆初対面なのですから、適切なコミュニケーションを取りながらも級友と打ち解けるまで時間がかかるものでしょう』と言っていたっス。」

「お爺さま!タケオ様!」

スミスが2人に感謝をする。

「ん?シグレ、アルとパラスが戻って来たようだぞ。」

「じゃ、ジーナの部屋に戻るっスかね。

 よし!今度はこの状態で戻ってみるっス!」

「コートは脱いでいってね。」

「了解っス!」

時雨が立ち上がりながら言うのだった。


------------------------

エイミーを先頭にジーナとドネリーが部屋に向かっていた。

「結局はタケオさん頼みね。」

「そうですね。

 上手く諭していただければ良いのですが・・・それにしても王立学院では変な行事があるのですね。」

「そこは私も初めて知ったわ。

 まぁその手の経験をさせるのも必要な事なんだろうけどね。」

「女子にはないのですか?」

「ないわ。

 なんだかんだと言って女子の方がその手の情報が早い・・・ん?」

エイミーがスミスの部屋の扉前で止まる。

「「???」」

ジーナとドネリーも止まる。

「・・・いつもは静かなスミスの部屋から女性の声がする。」

エイミーが眉間に皺を寄せながら扉を見ている。

「!・・・エルヴィス様!失礼します!」

ドネリーがササっとエイミーの前に体を入れて扉をノックし開ける。

「あ!こらっ!勝手に開けない!」

エイミーが慌てる。

がドネリーが颯爽と部屋に入っていく。


------------------------

少し前のスミスの部屋のクローゼットの天井部。

「んんー!!人間の大きさだと天井に登るの大変っスね!」

時雨が体は入れたは良いが腕の力がいまいちなのかお尻から下を天井に入れられないでいた。

「あーもー!時雨、何しているの?

 ほら!下から押してあげるから!」

スミスが足を下から押してあげる。

「スミス、ありがとうっス!

 おいしょっと!じゃスミスまたっス。

 次は友達紹介して欲しいっスよ。」

「はいはい、皆によろしくね。」

「はいっス。」

時雨が天井の板を元に戻すのだった。


------------------------

荒くノックされ扉が開けられ、ドネリーとエイミーが入ってくる。

「エルヴィス様!失礼します!」

「あ!こらっ!勝手に開けない!」

「??

 ドネリー殿?エイミー殿下?どうされましたか?」

スミスとマリがクローゼットの前から普通に声をかける。

「「・・・」」

エイミーとドネリーがスミスの室内を目線で異常がないか確認するのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ほのぼのですねぇ。
[一言] ここがあの女のハウスね
[一言] おっと修羅場は今度かな。 ドネリーちゃんに期待っと。
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