第1579話 なーんか問題ごと。3(二学院の特別授業。)
第3皇子一家の執務室。
「男の子の性教育は流石にわからないわね。」
エイミーとジーナの説明を聞いたレイラが首を傾げながら答えていた。
「そうね・・・うちも兄だったから気が付いたら知っていた感じだったし。」
アルマもわからないという顔をさせている。
ウィリアムは窓の外を見ながら我関せずとお茶を飲んでいる。
パットは街中の散策で丁度居なかった。
「・・・エイミー殿下、当てが外れました。
まさかレイラ殿下でもわからない事が存在するとは・・・スミス様の姉君方は突飛した異才集団と思っていたのですが。」
ジーナがエイミーをちらりと見ながら言う。
「んんー、ジーナちゃんのその言い方は私の姉としてのプライドが傷つくわね。」
レイラが笑いながら言う。
「それは失礼しました。
でも・・・誰もわからないというと・・・手がありません。」
「うん、私とアルマお姉様はわからないわ。
で?ウィリアム、どうするの?」
「僕に振らないでくれるかな?
一生懸命存在感を消しているんだけど。」
「ウィリアムは誰に教わったの?」
ウィリアムの抗議を無視してアルマが聞いてくる。
「教わる・・・はぁ・・・言いたくありません。」
「「???」」
ウィリアムの言葉にアルマとレイラが首を傾げる。
珍しくウィリアムが拒絶しているのだ。
2人とも不思議がる。
「あの・・・ウィリアム殿下、それほど男性の性教育というのは難しいのでしょうか。
やはりご主人様に頼らなければいけないのでしょうか・・・」
ジーナが気落ちさせながら言う。
「あああ!違うんだよ、ジーナ!
これはあまり異性には言いたくないような事でね。
ジーナの質問に対応しないわけじゃないからね?」
ウィリアムがジーナが「ウィリアムはジーナに対し拒絶した」と捉えられたと思い少し慌てる。
「・・・王家では何をしでかしたの?」
アルマが訝しがりながら聞いてくる。
「別にしでかしてないよ。
あまり・・・異性には外聞もよろしくないからね。
言わない、これは全王立学院の男子の名誉の為に言えない。
まぁジーナ、多分王立学院では2年生の終わり辺りで本格的な性教育がされるはずだよ。
それまで待った方が良いと思うよ。」
「それだとスミス様がご主人様に聞く方が先になるかと。」
「今させる訳にもいかないし・・・手はないかな?」
ウィリアムが冷や汗を流しながら言う。
「はぁ・・・タケオさんに任せるしかないかもね。
ウィリアムは私信でタケオさんにスミスの事と王立学院での男子の性教育の教育方法を教えておかないとダメね。
タケオさん、この国の教育には疎いだろうし。」
「ふぅ・・・そうだね。
タケオさんには僕から手紙を送っておくよ。
こっちに来た時にスミスに話をして貰った方が良いだろうね。
僕もスミスからすれば姉の旦那という立場だけど、ちょっと立ち位置が違うからね。」
「そうですか。
ご主人様に頼らざるを得ませんか・・・・」
ジーナが少し落ち込む。
「こればっかりはジーナちゃんでもどうしようもないわよ。
下手に説明すればジーナちゃんが実地する羽目になるし。
そんなことを私達はさせる気はないし、したらスミスを殴りつけてあげるからね!」
「ありがとうございます、レイラ殿下・・・で、王立学院での性教育は何をなさるのかウィリアム殿下は知っておいでなのですか?」
ジーナが聞いてくる。
「卒業生は皆知っているし、2年生修了時にされるからね。
現役の3年生の男子も知っているよ。
何をしたのか、何を教わったのかも言えない、言わない。」
ウィリアムが断言する。
「・・・そういえば男子達が3年になった時に雰囲気が変わったような気もしますね。」
エイミーが考えながら言う。
「・・・あ~・・・そういう事ですか。」
ドネリーが頷く。
「「!?」」
エイミーとジーナがドネリーを見る。
「ドネリー、わかったの?」
「あ・・・いえ、何でもございません。
そうですか、わかりました。
殿下が言い辛いのもわかりました。」
「ドネリーはわかるんだね?」
ウィリアムが聞き返す。
「はい、私は魔法師専門学院出身でして、在学中に同窓達が似たような事をしておりましたので・・・多分これであろうと思われます。
ちなみに私達の代は女子学生達が後を追って確認しております。」
「なんてことをしちゃったのかな・・・男子達可哀想に・・・」
ウィリアムが顔を伏せる。
「今となっては大したことではないという認識だったので忘れておりました。」
「ドネリー様、それはどういった事なのですか?」
ジーナが困り顔から解決策が目の前にあるような少し希望がかった顔をドネリーに向ける。
「ん~・・・ジーナ様にそんな顔をされると話したくなりますが・・・」
ドネリーがウィリアムを見るとウィリアムが顔を伏せながら手を振っている。
「殿下、それはどちらの意図なのでしょうか・・・話しますよ。」
「はぁ・・・僕が話すよりかは良いでしょう。
ドネリー、魔法師専門学院では何をしたのかな?」
「魔法師専門学院では3学年の男子は全員娼館に行き経験をします。」
「「しょうかん?」」
「「!!」」
エイミーとジーナは字が出てこない、対してアルマとレイラはすぐに眉間に皺を寄せる。
「王立学院でもそうだね。
手ほどきを受けるんだよ、プロが相手だ、必要な事は全部教わる。
そこで目覚めて入れ込んでしまう子も居る訳だが・・・それは個人の問題か。」
「はい、左様で。
なのでエイミー殿下、スミス様もいずれは経験されます。
安心してください、その程度では閨で上手くはなりませんから!」
「しょうかん・・・ってそっちか・・・
なるほどね、確かに経験としては大事かもね。
そうか、プロの女性を相手に教えて貰うか。」
「あ!あ~・・・そういう事ですか。
これは今のスミス様には出来ませんね。
ご主人様に任せっきりは心苦しくもありますが、諭される事を期待するしかないようです。」
ジーナが頷くのだった。
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