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第1571話 演習中。4(忍耐力強化中。)

「せぃっ!」

「「「うわぁぁぁぁ!!!」」」

「あー!!」

「ぐふっ!」

アリスとビエラは順調に(?)兵士を薙ぎ払っている。

「・・・アリス!次は正面!」

「はい!・・・・おりゃぁ!!!」

「「「うわぁぁぁぁ!!!」」」

「あー!!」

「かはぁっ!」

「次は左!」


武雄はアリス達を右に左に動かして前列の兵士達を後方に送り出している。

武雄は当初の予定通り、シールドを使って三方の内アリス達が攻撃していない二方面の足止めをしてしている。

たまにガトリングを放ちシールドの向こう側の兵士達に威嚇したりもしている。

兵士達はもう3回は飛ばされており、無暗な抵抗はせず、アリスが来るのを待ち構えているような状態だった。


「・・・そろそろかな?

 ミア?」

「はい、主。

 これといって先ほどと変わりませんよ。

 アリス様とビエラが右に左に順々に薙ぎ払っているので満遍なく兵士達が後ろで回復しています。」

「パナ。」

「はい、タケオ、こっちは問題なく3人の回復は小まめにしています。

 ビエラが少し運動量が落ちたように感じますが、これは場に慣れてきたという所でしょうか。

 無駄な動きをせずに倒していると評価して良いかと。」

「うむ・・・アリスはいつも通りと。

 あと何回しますかね。」

「主、兵士達も単調になってきています。」

「これ以上やっても意味がないですかね。

 アリス!次は正面です!その次は右に!」

「はい!せいやっ!!!うりゃぁ!!」

「あー!!はい!」

アリスとビエラが武雄の指示で動き武雄はミア達と話し合いながら兵士達にシールドで邪魔をしている。

「ふむ・・・まだ兵士達に余力があるならもう少し続きそうですかね。

 気を緩めることなく最後まであの2人を動かし続けましょうか。」

「「はい。」」

ミアとパナが返事をするのだった。


------------------------

城門の上の端では。

「「「・・・」」」

新兵達が顔色を悪くさせながら眼下の状況を見ている。

諸先輩方が易々となぎ倒されている現状で尚且つもう3、4回も飛ばされているのだ・・・

心底この演習に参加しなくて良かったと思うが、次実施されたらあの中に自分達が居なくてはならないと思うと絶望しかなかった。

「あ、また飛んだ。

 ・・・ここまでやられると心が折れそうだね。」

「・・・こうやって兵士達は強くなるんだよ・・・」

パメラとケイは哀れみの目を兵士達に向けている。

「ケイもパメラも他人事ね。

 試験小隊だから?」

ジーニーが2人の言葉に呆れながら聞いてくる。

「ジーニーちゃん・・・私達はあの方の配下だよ?

 この演習が熟せるのが最低限の水準だと思われている可能性すらあるんだよ?」

パメラが引きつった笑みをジーニーに向ける。

「私達は王立研究所職員そしてキタミザト様の直轄部隊・・・周りは元王都守備隊・・・基準がこの程度なわけない・・・私達何されるのか・・・」

ケイも死んだような目をさせてジーニーを見る。

「あ・・・そっちも大変そうなのね・・・」

ジーニーが一転して2人に哀れみの目を向ける。

「・・・エルヴィス家への出向・・・簡単に熟せるぐらいにならないといけないね。」

「そうね。

 日にちはないだろうけど出来る限りの体力強化していこうね。」

パメラとケイがお互いに健闘を誓うのだった。


「ん~・・・流石、エルヴィス家の兵士。

 根性が違いますね。」

「絶望的な戦いを経験するとこうも強靭な精神力が付くのか。」

「この演習を乗り切れるんだから王都の軍務局や人事局が挙って騎士団に入れる訳だね。」

「この経験が対魔物戦闘でのあの戦果だからな。

 いやはや演習も実戦形式の方が身に付くとは言われているが、最前線の兵士はこうも違うんだな。」

試験小隊の面々はエルヴィス家の兵士達を讃えていた。

「そうだよね。

 この規模の大演習なんて滅多に見れないよね。」

トレーシーも他の面々の言葉に頷く。

「トレーシー、お前反省が足らないな。

 所長になんていう魔法を使うんだ、一歩間違えば大怪我だぞ?」

「いや・・・威力は最小限にしたし、驚かせなきゃいけなかったし・・・

 ほら、魔法師達があれだけばら撒いていたから同じ威力なら問題ないと思って!」

トレーシーは城門の上に着いた瞬間、アンダーセンにひっ捕らえられ正座させられて説教を受けていた。

「同じ威力・・・な訳ないだろうが!

 1小隊が繰り出す魔法を1人で実施する魔法だぞ!

 力加減もそんなに出来ない、どちらかといえばどれだけかけられるかを磨く魔法なんだぞ!

 今回は所長の防御が国内最強だから難なく終わっているが普通なら一個人に使うなんてもっての外の魔法だ!

 あとで所長にも説教して貰うからな!」

「だって、要請されたからぁ。」

「驚かせと言われたのはわかった、だが選択がおかしい!

 もっと安全な魔法があっただろうが!」

「ない!」

「ないわけない!ウォール系もあっただろうが!」

「あれは足止めの魔法だよ?

 その場で耐えていた所長達には意味がないよ。

 ならもっとその場に釘付けにする魔法をしようするしかないじゃん。」

「『ないじゃん』じゃない!

 なら他の魔法師達のようにファイアとかを威力を抑えて連射して済ます方法もあった。」

「ん~・・・連射かぁ、あんまり得意じゃないなぁ。

 あれ上手く出来るの王都守備隊ぐらいじゃないの?」

「なんで王家専属魔法師部隊が出来ないんだよ。」

「出来ない訳じゃないよ。

 不得手なの、まぁでも皆の度肝を抜いたんだから結果問題ないでしょう?」

「・・・所長が来るまで正座していろ。

 その際に罰則を裁可して貰う。」

「うへぇ・・・」

トレーシーの正座はまだまだ続くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] テンション上がってるタケオなら全力も受けてみたいって言いそう
[一言] トレーシの罰則はなしで。
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