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第1562話 王城でまったり。3(ジーナ達の思惑と宿舎に鉛筆が来た。)

王城内を横切り寄宿舎への道すがら。

「あ~・・・ちょっと長居しちゃったかな?」

「ついつい話し込んでしまいましたね、エイミー殿下。」

「そうね。

 でもパットが戻って来ていたらもっとかかったかもしれないわ。

 そういう意味では良い時間に終わったわね。」

「パット殿下の視察上手く行ったのでしょうか?」

「どうだろう?

 まぁ何とかするんじゃないの?

 スミスは視察に行かないの?」

「僕ですか?・・・」

スミスが一瞬少し後ろを歩いているジーナを見るとジーナは「気の利いた事を言え」ぐらいのちょっとキツ目の目線を返してくる。

「僕はエイミー殿下と街中でスイーツを食べに行っていますから個人的には行かなくて問題ないですよ。」

「そう。

 次はどこの店に行こうかしらね?」

「スイーツでも良いですが、パンやちょっとした食べ物でも良いかもしれません。

 第1皇子一家からウスターソースがそろそろ入荷されるのではないですか?」

「ふむ・・・まだ王城内だけのソースだと思っていたけど、試験的にどこかに卸してそうよね。」

「はい、どんな料理を作り出すのか楽しみですね。」

「そうね、あのソースは可能性が高いわよね。

 まぁ調べてみるけど、わかるまではスイーツね。

 実はスミス達があの店を見つけたのは料理人達に聞いたと言っていたからね、私も聞いて他の候補は絞ってあるのよ。」

「はい、それは楽しみですね。

 何処へでも同行いたします。」

「よろしくね。

 そっかぁ・・・ウスターソースかぁ・・・これも調査対象ね。」

「調査、エイミー殿下なんの調査をしているんですか?」

「おっと、そうだった。

 これはスミスの育成計画だったわね。」

「そこは気にされなくても良いのですけど・・・」

スミスとエイミーは話をしている。


「ジーナ様。」

「はい、ドネリー様、如何されましたか?」

「上手く行きますでしょうか?」

「あ~・・・ん~・・・もう少し強引な方がスミス様はわかるかと。」

「了解しました、計画を修正させましょう。

 それとこちらが例の物です。」

ドネリーが鞄からノートを取り出し、ジーナに渡す。

「あ、私の方もこちらがスミス様の日中の行動記録です。

 ご活用願います。」

「はい、確かに。

 ふふふ、これでエイミー殿下にエルヴィス様を手籠めにして貰いましょう。」

「・・・普通逆ですよね・・・女性の扱いに慣れたスミス様は正直想像出来ませんが。」

「多少強引が良いのでしょう?

 それにエイミー殿下は王家秘蔵の『保健』なる冊子を熟読されております。

 私も少し内容は見させて頂きましたが、凄まじかったです。」

「確か保健って・・・すみません、それご主人様経由の本です。」

ジーナが申し訳なさそうに言う。

「なるほど、あの知識はキタミザト子爵様でしたか。」

「エルヴィス家、ゴドウィン家、王家での閲覧が可能との話でしたが。」

「おっと、私が見てしまったのはご内密に。」

「いえ、保健の内容はご主人様もアリス様も特段秘密にしようとは思っていません。

 王都側がそうした処置をしているだけになりますので、私からは何もないです。

 ドネリー様がエイミー殿下と見られたのなら問題ないのではないでしょうか。」

「ほっ、お咎めはなしですか。」

「むしろそれでお咎めがあったら私のご主人様が擁護すると思うのですけど。」

「そうなのですか?」

「『そんな知識の為にお咎めなんてあるわけない』とか言いそうです。」

「あれほどの内容を秘匿にしないとは・・・流石は次期伯爵様ですね。」

「伯爵?」

「ええ、伯爵にいつするか議論になっているそうですよ?」

「男爵になって数日で子爵・・・数か月で伯爵ですか?」

「あくまで『らしい』です。

 噂なのでいろいろと脚色はされているとは思いますがそういった話もされていると聞き及んでおります。」

「ご主人様にはまだ報告出来ませんね。」

「そうですね。

 ま、私達の目下の課題は目の前のお二方なんですけどね。」

「そうですね。」

ジーナ達は寄宿舎へのんびりと歩いていくのだった。


------------------------

宿舎の一室にて。

「これが鉛筆・・・へぇ~・・・キティ先輩、これ売り出すのですよね?」

ターラが鉛筆を持ち上げて凝視しながら同室に居るキティに言ってくる。

「そうね。

 エイミー殿下が『要望があれば寄宿舎の分と一緒に注文するから』と言っていらっしゃったわ。

 モーリス君、どう?」

「なるほど・・・説明書に書かれているように書いた文字がこの消しゴムで消せます。

 これは凄い発明ですね。」

キティの問いかけにモーリスが紙に書いては消し、書いては消しをしながら答える。

「うん、これは私も驚いたわ。

 もっと紙が黒くなると思ったのだけど、結構、綺麗に消せるわね。」

「はい、これが販売されたとの事で・・・皆に周知させるのですか?」

「ん~・・・寄宿舎と違ってこっちは人数が居るからなぁ・・・

 希望者のみで行こうかな・・・どうやって希望者募ろうか?」

「毎月張り紙をして欲しい人は記入させましょう。

 数人が使いだせば皆が興味を示すかもしれません。

 貼り出してから注文するまでは・・・2週間くらいで良いのではないでしょうか。」

「納期もあるだろうから、手元に来るまで時間がかかるかもしれませんね。

 ですが、とりあえずその張り紙案でして行きましょう。

 文言は任せて良い?」

キティとモーリスが話を進めている。

「はい、すぐに掲示しましょう。

 ターラ、紙を用意してくれ。」

「はーい、張り紙の下に購入したい人と個数を書く場所も必要ですね。

 掲示場所は正面であれば皆が見ますよね。」

「そう、なら、お願いしますね。」

宿舎でも鉛筆がお披露目されるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] えぇ~~~いっ、二人ともルートニーコンビの爪の垢でも飲めと・・・・・ ・・・・・あっちはあっちでのほほんと『遊んでる』ようにしか見えないケドナー
[一言]  スミス、エイミー疲れしないかな。 癒やしを求めてあざとい人にフルフラット・・・。
[一言] いまだにスライム消しゴムは絵を描く用の微妙に消えにくい消しゴムのイメージがあったけど結構消えるのね
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