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第1560話 王城でまったり。1(湯浴み後の雑談。)

王城内の湯浴み場の脱衣場。

湯浴みを終えたジーナとエイミーが着替えをしていた。

「ジーナ、少し大きくなった?」

「いえ・・・以前のままですが、エイミー殿下は如何ですか?」

「努力はしています。

 どうしよう・・・もう成長期終わる気がする・・・」

エイミーは自分が話を振っておきながら自滅している。

「ん~・・・エイミー殿下は無駄な肉がないですよね。」

「食事には気を付けているからね。

 タケオさんが来るとちょっと・・・本当にちょっとだけ微増するわね。」

「・・・ちょっとだけ微増・・・不思議な言葉です。

 ちなみに私はご主人様と居ると大幅増です。」

「え!?ジーナ大幅増なの?」

「王都に来てから痩せました。

 ご主人様と一緒だとなんだかんだと食べ物をくれるので・・・ご主人様のお菓子美味しいんですよね。」

「気持ちはわかるわ。

 王城内の食事も美味しくなって、食べ過ぎちゃう気がするのよ。

 ここ最近は寄宿舎で普通の食事をするように心掛けているわ。」

「美味しくて太らない物はないですかね?」

「そうね・・・

 ないんじゃないかな?美味しい物は太ってしまうのが世の常よ。」

「ご主人様の料理をお腹いっぱい食べて太らない方法はないのですか・・・」

「ジーナの葛藤が物凄くわかるけど・・・諦めなさい。

 たとえ太らない食材があったとしてもタケオさんなら太る料理を作りかねないわ。」

「・・・食べた分だけ運動します。」

「そうね、それしかないわね。

 さ、着替えは終わった?」

「はい、エイミー殿下。

 先に入ったスミス様は第3皇子一家の所でしたか。」

「そう言っていたわね。

 ドネリーは所用で総監局に行っているし、私達が第3皇子一家の所に行くのは知っているから問題ないでしょう。

 ジーナ、行きますよ。」

「はい、わかりました。

 忘れ物はないですね。」

ジーナが忘れ物がないか確認してエイミーと湯浴み場を後にするのだった。


------------------------

総監局の受付にて。

「では、こちらがニール殿下宛の書類、こちらが総監局長宛の書類ですね。

 承りました。」

受付の文官が書類を捌いている。

「はい、送付をよろしくお願いします。」

ドネリーが礼をする。

「はい、今月も報告ご苦労様です。」

「失礼いたします。」

ドネリーが総監局を出て行く。

「・・・代り映えしない報告書にはしてないつもりですけど、エイミー殿下の行動報告は気が進みませんね。

 王家のお付きには報告の仕事もあるとは聞かされていますけど、こんな仕事は嫌な物ですね。」

ドネリーが呟きながら廊下を歩くいていくと同じ年代のメイドとすれ違う。

「・・・あれはグレース殿下のお付きのバウアー様?

 グレース殿下の報告でしょうか・・・まだ初回には早い気がしますが・・・

 ・・・バウアー様は確か第2騎士団所属の方のご息女でしたか・・・ふむ、先達として内容を確認させて貰いましょうかね。

 エイミー殿下をお迎えに行くのは少し遅れますが、ちょっと野暮用です。」

ドネリーは第八兵舎に向かうのだった。

・・

第八兵舎の受付にて。

「失礼します。」

「ドネリー殿、お疲れ様です。

 今日は見学だけと伺っていましたが?」

「はい、私の訓練は後日で結構です。

 第一情報分隊の副官はいらっしゃいますか?」

「えーっと・・・先ほどの訓練の際に王城周辺の警備をしていましたが・・・

 今は詰め所に居る予定になっています。」

受付の隊員がリストを見ながら言う。

「わかりました。

 向かいます。」

「はい。」

ドネリーが受付を済ませ兵舎内を進んでいくのだった。


------------------------

第3皇子一家の執務室。

「へぇ~、パットが街内視察ですか。」

エイミーが少し呆れながら言ってくる。

「うん、やっとね。

 第1騎士団を護衛に付けて見廻りに行ったわよ。」

「実際はお嫁さん候補を探しに行かせたんだけどね。」

レイラとアルマが苦笑しながら言う。

「まぁパットは16ですし、許嫁が居てもおかしくないですから。

 ・・・何で居ないんですか?

 パットは次期王の息子ですから結構な量の申し込みがあっても良いはずなんですけど。」

エイミーが聞く。

「王都に居なかったので第1皇子一家の考えがわからないのが1つ、王都の動向を見ているのが1つ。」

ウィリアムが言ってくる。

「・・・どちらも牽制しあって日延べになっていると?」

「僕はそう思うよ?

 まぁ他に考えられるとしたら将来の王妃だからね・・・他の貴族達からどう思われるかとか実績を示してからとかいろいろ考えているんじゃないかな?」

「将来の王妃の資質・・・そんな物あるのでしょうか?」

エイミーが首を傾げる。

「そこはわからないね。

 あるかもしれないし、ないかもしれない。

 だけど、少なくともクリフ兄上の妻のローナ義姉さんとセリーナ義姉さんは王妃の貫録はあると思うよ。

 クリフ兄上が次期王位の継承を言い渡されたから皆が『次期王妃』という認識で見るようになったからとも言えるかもね。」

「要は『この人が次期王妃だ』と皆が見ているから王妃の貫録があるという事ですか?」

スミスが言ってくる。

「そうなるね。

 僕が言うのもなんだけど肩書があると人物がそれなりに見えるらしいよ?

 君だってそうだよ、次期当主君?」

「僕もそう見られているという事なんですね。」

「「そうね。」」

レイラとアルマも頷くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] この作品の、必要以上には『肩書き』に囚われない作風に、本当に心が救われてます。 いつもありがとうございます。 [一言] 『肩書き』で『フィクション』が作られ、 『フィクション』に『現実』が…
[一言] 豆腐があるんだから、精進料理。 物足りないかも知れないが、美味しいよ。
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