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第1548話 冒険者組合での打ち合わせ。(どこまで言うのか。)

武雄はハロルドと兵士長と打ち合わせをし、今はヴィクターと街中に来ていた。


「明日ですか。」

ヴィクターが武雄に聞いてくる。

「ええ。」

「エルヴィス家には報告には?」

「軍務局から総監部とフレデリックさんに報告が行くでしょうから今頃知っているでしょう。

 この件では不要です。」

「畏まりました。」

「ヴィクターも初めてですかね?」

「リザードドラゴンの時に1度。

 200名弱との戦闘は初めて拝見します。」

「そうですか。

 ベルテ一家も誘って皆で城門上から見学をしていなさい。

 エルヴィスさん達も来るでしょうからちょっとしたお茶会ですかね。」

「畏まりました。」

「さて・・・着きましたか。」

武雄が建物に入っていくのだった。

・・

「キタミザト様、いらっしゃいませ。」

冒険者組合の組合員の女性が近寄って聞いてくる。

「すみませんが、オークを買い取っていただきたいのです。

 それと伯爵家、子爵家からの依頼があります。」

「オークの肉の買取承りました。

 当事務所の所長に予定を確認いたしますので査定の受付をしながら少々お待ちください。」

「わかりました。

 ちなみに少し多めになるのですが?」

「でしたら、解体場に直接お持ちください。

 その場で出していただければ確認と査定を実施いたします。」

「わかりました。」

武雄が頷く。

「なら・・・この者に案内させます。」

女性が手招きをして他の女性を呼び寄せる。

「はい。」

「キタミザト様を解体場へご案内をそして査定を実施しなさい。」

「はい、キタミザト様、先導いたします。」

他の組合員の女性に解体場に案内されるのだった。

・・

武雄は応接室に通され冒険者組合の事務所長と話をしていた。

ミア軍団の事を話しているのだが。

「キタミザト様のお考えはわかりました。

 この要請も伯爵様とキタミザト様のご依頼とあればエルヴィス領管轄の我々だけでなく周辺の貴族領にある冒険者組合にも通達はいたしましょう。

 ですが・・・」

事務所長が言葉を切る。

「・・・本当に可能なのでしょうか。」

事務所長が真面目な顔つきで聞いてくる。

「可能です。

 ・・・私も伯爵も可能だと判断したから依頼をしているのです。

 それにこれは前回のオーガとゴブリンの襲撃において早期発見が出来なかった事への対処です。」

「前もしっかりと対処されていましたが?」

事務所長が武雄に問うが、武雄は表情を変えずに首を傾げる。

「・・・事務所長殿・・・冒険者組合はアズパール王国だけでなく、カトランダ帝国、ウィリプ連合国、魔王国にも事務所を設けているはずです。

 貴方方は我々よりも情報があるはずです。」

武雄が首を傾げるのを止め、伏せ目にしながら淡々と話す。

「・・・キタミザト様、なにが言いたいのですか?」

「知っての通り、魔王国の国王交代が控えています。」

「!・・・良くその情報を得られておりますね。」

事務所長の目つきがキツクなる。

「その為の伯爵家、その為の子爵家ですよ・・・我々も独自の情報網はあります。」

武雄が目線のみ事務所長に向ける。

「御見それしました。

 また政変については確定次第、伯爵および王都にはご連絡は入れる予定でありました。」

事務所長が頭を下げる。

「今の魔王陛下は過去の戦争を見た感じではアズパール王国との戦線はあまり本気を出さないようですね。

 ですが、これからは変わるかもしれない。

 最悪の想定をした場合、我らは魔王国に対応する為、関に出ずっぱりになります。

 その際にこの街に残るのは前々回の面子です・・・前回の規模を抑えられると本気で考えているのですか?」

「・・・」

事務所長が難しい顔をさせる。

「私と伯爵が話し合った結果、早期発見、早期警戒、早期集結・・・この対応が出来るのかなのだと結論付けました。

 前回、前々回は半日程度の猶予しかありませんでした。

 これが兆候段階からわかれば最低1日半は時間があったでしょう。

 ミアの部下である狼と鷲を使って早期発見したとして、屋敷に連絡が来るのに鐘1つ、関に連絡をするのに鐘2つ、そこから対応戦力を転進させたとして、1日あれば戻ってこれます。

 これは今から構築しなければ間に合いません、慢心すれば明日は廃墟ですよ?

 違いますか?」

「・・・ふぅ・・・確かに・・・その通りです。

 ご説明を頂いた各町を結んだ線の内側での鷲と狼の討伐の不可と当該地域内での鷲と狼の事件について伯爵家と子爵家への報告と対処要請ですね。」

「はい、鷲と狼の事件については誰が報告したかの詳細な聞き取りをお願いします。

 鷲と狼の事件を捏造したとしても我々の調査網は完璧です。

 虚偽の報告は見抜きますからね?」

「完璧なのですか?」

「ええ、完璧ですよ。

 だから提案が出来て伯爵を説得できたんですからね。

 ・・・どうやるかは秘密ですけど。

 まぁ虚偽の報告を上げてみれば良いのでは?

 その報告だけでも我々を騙す事への詐欺行為、地域の治安維持の妨害、地域住民と警備魔物との不仲を狙った扇動と武力蜂起の兆候・・・私からすれば重犯罪ですけどね。

 その際は前に説明されたのですが、冒険者組合として死た・・・犯罪者の個人情報の開示はしてくれるのですよね?」

「・・・それは犯罪を犯したと立証頂けたらご協力いたします。」

事務所長が冷や汗を流しながら答えるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 作者さんは、希にびっくりさせる言葉のチョイスをしてくるなぁ 政変って突破って的な政権の移動を指す言葉であってクーデターとか下克上の時に使うのであって 「・・・キタミザト様、なにが言いたい…
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