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第1541話 ステノ技研。(新人発見。)

ステノ技研の入り口。

「こんばんは~。」

「はーい、あれ?キタミザト様?

 いらっしゃいませ。」

サリタが出迎える。

「初日なので少し飲みまして、部下を送ってきました。」

「あれ?スズネ?早くない?」

「あはは、今日はお早い帰宅です。」

鈴音が苦笑しながらただいまの挨拶をする。

「それにしても珍しい組み合わせですね。」

サリタがアニータとミルコを見ながら言う。

「上司2名はデート中ですよ。」

「あ~、良いなぁ。

 あ、お茶飲んでいきますか?」

「いえいえ、鈴音を送って来ただけなのでもうお暇しますよ。

 ちなみにテイラーさんはどうしていますか?」

「テイラーさんもいつもの酒場ではないですか?」

「え?居なかったですよ?」

サリタの言葉に鈴音が返答する。

「あれ?ローさんやラルフさんと飲むと言って出掛けたのでいつもの酒場だと思ったんだけど・・・

 今日は違う店なのかな?」

「ん~・・・どうなんでしょうかね。」

サリタと鈴音が考える。

「まぁ良いです。

 研究所が今日からですから近々研究所に小銃10丁と弾丸が今月分2000発を納入するようにと伝えておいてください。」

「はい!爺ちゃん達に伝えてテイラーさんに持って行って貰います。」

「研究所の3階の階段の前に居るヴィクターかアスセナさんに言えば伝票処理してくれると思います。」

「はい、わかりました。」

サリタが頷く。

「あと、鈴音。鈴音にはマイヤーさんや試験小隊の面々に小銃の講義をして貰いますから準備しなさい。」

「あ~・・・わかりました。

 親方達に教える要点を聞いておきます。

 分解清掃は教えるのですか?

 一応簡単に分解出来るようには出来ているんですけど。」

「・・・私していないんですけど?」

鈴音の言葉に武雄が「え?」という顔をして答える。

「あ~・・・武雄さんのは平気です。

 定期的にテイラーさんにメンテナンスに出してくれればこっちで分解清掃する気ですよ。

 親方達も一緒になって見ているので問題ないです。」

「はぁ・・・各小銃改シリーズは練習をしていきますから1か月毎のメンテで十分ですかね。

 なら定期的に出します。」

「毎月使っても使わなくても持って来てください。」

「・・・もう1組作りますかね。」

「工房としてはありがたい限りです。

 サリタさん。」

「うん、わかった、爺ちゃん達にも伝えてもう1組作るね。

 キタミザト様、そんなに時間はかからないと思いますが、出来たら連絡します。」

サリタが言ってくる。

「連絡は鈴音経由で良いですよ。」

「はい、畏まりました。

 あ、そうだ、スコープですがいつまでの納期ですか?」

「えーっと・・・試験小隊の面々用でしたか?」

「はい。

 一応組み立て一歩前状態で止まっているのですが。」

「とりあえず10個・・・もっと必要かなぁ・・・

 今すぐは使いませんから最大15個程度を目安に作ってください。」

「15個ですか。」

「ええ、もしかしたらエルヴィス家の方からも買うかもしれません。」

「なら15個を・・・来月半ばくらいの納期で作っておきます。」

「お願いします。

 はぁ・・・こんな感じですかね。

 サリタさん、他に何かあるなら鈴音に伝言を残してください。」

「わかりました。」

「じゃ・・・鈴音、明日は遅刻しないようにね。」

「はーい。」

「では、皆さんによろしくお伝えください。

 失礼しました。」

「「失礼しました。」」

武雄とアニータ、ミルコがステノ技研を出て行く。

「・・・鈴音、飲みに行くの?」

「いや、今日は寝るよ。

 お茶飲もうかな?」

「なら着替えてきなよ。」

「はーい。」

鈴音は部屋に戻るのだった。

・・

寮までの帰り道。

「ん?ケードさんとコーエンさんだ。」

ミルコが2人の姿を見つけて武雄に言ってくる。

「あ~・・・本当だ。

 そう言えば飲み会に居ませんでしたね。」

「ケードさんの実家に挨拶に行っていたんですよ。」

アニータが武雄に言ってくる。

「なるほどね。

 ブルックさん達が?」

「はい。

 お泊りはダメだけど、正式に所属したんだから挨拶して来いって言って。」

「ふーん。」

「ケードさん!コーエンさん!」

ミルコが呼ぶと2人も気が付き武雄達の所にやってくる。

「所長!お疲れ様です。」

「所長!こんばんは!」

2人が挙手の敬礼をする。

「はい、こんばんは。

 2人が居なかったですが初日なので軽く飲んでたんですよ。

 今は私が2人を寮に送る最中です。」

「そうでしたか。

 あの・・・ちなみにアーキン殿とブルック殿は?」

パメラが聞いてくる。

「デートに行かせましたよ。

 たまには2人きりで楽しませないと来た意味がないでしょう?」

「所長・・・よろしいのですか?」

ケイが聞いてくる。

「仕事に支障がないならね。

 私が見ていて支障があるようなら注意はしますけど。

 あの2人は元王都守備隊の情報分隊ですよ?

 仕事との区別はしっかりとするでしょう。」

「まぁ・・・そうですね。」

「ちなみにケードさんもコーエンさんも恋愛は自由ですからね。

 私の研究所では恋愛を禁止にはしていません。

 仕事に支障がないようにしなさい。」

「私達新人なんですけど・・・」

パメラが恐る恐る聞いてくる。

「ん?だから?

 まぁ一般の兵士達がどうなっているのかは知りませんけど。

 仕事は仕事、個人の時間は個人の時間。

 どちらも楽しみなさいという事です。

 当分は仕事一辺倒ですかね?

 やる事いっぱいな様子ですし。」

「はい、当分は仕事を熟すだけで精一杯かと。」

ケードが言ってくる。

「・・・うん、それも良い。

 自分自身が納得出来るように過ごしなさい。」

「「はい。」」

ケードとパメラが返事をする。

「所長、私達は?」

アニータが聞いてくる。

「当初の通り、軍務につきながら人間社会を学びなさい。

 アニータもミルコも仕事をしながら余った時間はやりたい事をしなさい。

 本を読むのも良い、体を動かすのも良い。

 料理だって良いし、ミアの部下の狼や鷲と遊んでも良い。

 ベルテさん達の所に行って農業を経験するのも良い。

 法律に触れるような事や不道徳な事をするのはダメですが、それ以外なら好きにしなさい。」

「「はーい。」」

アニータとミルコが頷く。

「いろいろ経験しなさい。

 せっかくこの街に居て私の部下なんですから、ありとあらゆる経験が出来ますよ。

 と・・・寮を目指していきますか。

 アニータ、こっち?」

「はい、所長、こっちです。」

「寮には初めていきますね。」

「あ、なら大家さんに挨拶しますか?」

「この時間でお邪魔でないですかね?」

「大丈夫ですよ。」

武雄達はのんびりと寮を目指すのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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