第1535話 試験小隊からと所長からの依頼。3(休日には賛成の様子です。)
研究所の1階 試験小隊詰め所。
「なんでそんな話になったのですか?」
ブルックがアンダーセン達に聞く。
「なんでかなぁ・・・」
「気が付いたら・・・」
「私達普通に話をしていたはずなんだけど・・・」
3人が考え込む。
「アーリス殿の省力訓練を導入しているのでそのついでに訓練内容の見直しは良いのですけど・・・
時間が少ないのかぁ・・・
あ、定休日という定期的な休みには賛成です。」
「基礎訓練、小銃の訓練、武具の検証、戦術の考察、所長のお供、戦争時の先行偵察。
やる事が多岐に渡りますね。
基礎訓練の所が一番短く出来そうですが。
あ、私も定休日に賛成。」
「ん~・・・新人達とベテラン組は別々で行動するべきじゃないか?
俺も休日賛成。」
「元々班としても分けているから内容を変えた方が良いのかもしれないな。
新人達は基礎訓練と省力訓練を中心に、我らは省力訓練と小銃訓練を中心にして行き、慣れた頃に新人にも小銃をさせてみるというのが理想かもしれない。
休みがわかっていると色々出来そうだな。」
「昼前が体力系、昼後が検証や考察にしますか。
偵察訓練は今はまだしない方が良いですよね?
1日ぼーっとしているのも贅沢ですよね。」
「偵察については最初は座学だけしておこう。
エルヴィス家とゴドウィン家の関周辺の地図を見ながらどういった偵察を実施するかの検討は必要だろう。
昔やっていた趣味を復活させるか?」
「それに武具の検証方法の素案も第1弾として所長に上げないといけないよな。
アンダーセンが前に所長に聞いたんだったか?
お前ら休日に夢を膨らませ過ぎだ。」
「ええ、再考するように言われましたね。
感覚だけでなく何かしらの数値も出さないと王都で発表しても認められないだろうと。
皆さん、休日賛成はわかったのでその話は後ほどしてください。
今は仕事内容の話です。」
アンダーセンが注意する。
「ん~・・・どちらにしてもそれ後日に皆で会議だな。
今日の明日では無理だろう。」
「2、3日じっくりと考えないといけないな。」
「「そうですね。」」
皆が頷く。
「当面、3か月程度の訓練表を作るか。
ベテランと新人に分かれて考えてアンダーセンとマイヤー殿に提出して詰めていった方が良いだろうな。」
「はい。
じゃあ、とりあえず1日の流れをベテランと新人で考えてみるか。」
「「はーい。」」
皆がさっさと移動をし始める。
「あ、ケード、もう今日は上がって良いわよ。」
ブルックがケイに言う。
「え?よろしいのですか?」
「うん、あとはこっちで決めておくわ。
今日ぐらいは家族と話をしてきなさい。
ん~・・・コーエンも行ってくる?」
「私もですか?」
パメラが驚く。
「うん、まぁケードが良ければだけど、嫌なら先に部屋に帰って寝ていても良いわよ。」
「んん~・・・ケイちゃん・・・」
パメラが困ったようにケイを見る。
「実家来る?何もないけど。」
「良いの?ブルックさん、行ってきます。」
「はいはい、気を付けてね。
コーエン、礼儀として茶菓子の1つも持っていきなさいよ。
研究所の職員なのだからある程度の礼節はしておかないといけないわ。
まぁケードの親御さんなら娘の同僚という事で甘くはしてくれるかもしれないけど、第一印象は大事よ。
わかった?」
「はい!食べたい茶菓子を購入して渡します。」
「まぁ・・・そうなんだけどね。
2人とも初日ご苦労様。」
「「お先失礼します。」」
ケイとパメラが席を立つ。
「お疲れ~。」
「気を付けてな~。」
ベテラン達も見送るのだった。
研究所の玄関を出たケイとパメラは。
「良し!皆に良い報告をする為にもお菓子をしっかり買わなくちゃね。」
「そこまで気合い入れなくても・・・普通の母親だよ?」
「ブルックさんが言っていた『第一印象は大事』は本当だよね。
頑張んなきゃ。」
「頑張るような問題かな・・・」
2人して表通りを目指すのだった。
再び試験小隊詰め所。
「・・・行ったわね。」
「ブルックさん、アーキンさん、訓練内容どうするのですか?」
アニータが聞いてくる。
「ふむ・・・朝の行進は中止だな・・・5㎞程度の走り込みに替えるか・・・出来れば10㎞と言いたいが最初から無理はさせられないし、それに魔法も含めた基礎訓練に偵察訓練、武具の検証ぐらいしか新人だと出来ないだろうな。」
「そうね。
ベテラン組は基礎訓練と偵察訓練は早く切り上げて小銃訓練実施、武具の検証を合同で行って、戦術考察かな。
どちらにしても私とアーキンはキツイわね。」
「そうだな、この子達の面倒を見ながら小銃訓練には参加だろうしな。
この子達の派遣期間を2週間と言わずに1か月程度にして貰おうか。
その間に所長にお願いして徹底的に小銃の撃ち方を教わった方が良い。」
「それも良いかも・・・
ちょっとベテラン組に聞いてくるわ。」
ブルックが席を立つ。
「・・・ミルコ。」
「うん、お姉ちゃん・・・朝一で走るんだって・・・」
「夜・・・しっかり寝ようね。」
「うん。」
ミルコとアニータは「しっかり休まなきゃ」と思うのだった。
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