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第1531話 その頃のアリス達。(テイラーの店でのほほん。)

アリスとエリカ、カサンドラはテイラーの魔法具商店に遊びに来ていた。


「やっぱり、常時ケアを発動させるのを任意で入り切り出来る機能付き指輪にしてください。」

「はい、畏まりました。」

エリカが昨日の魔法の練習で何か悟ったのか今日は違う指輪を所望していた。

「エリカさん・・・昨日のお湯の発動が失敗したからといって早々に替える必要はないのではないですか?」

アリスが苦笑しながら言う。

「良いんです・・・同時発動は諦めます。

 あれは必要になったら・・・ええ!必要になって、気が向いた時に!してみますから!

 今は日常生活で何が必要かの確認ですよ・・・」

エリカはアリスの方を向かないでワナワナさせながら言う。

「・・・微かに温かいお湯か沸騰しているお湯しか出せなかったですものね。」

カサンドラが少し呆れながら言ってくる。

「・・・ファイア×1とアクア×1でちょっと温かくなった水、なら今度はとファイア×2とアクア×1で沸騰したお湯、ファイアもアクアも回数を変えて実施してもどれも似たり寄ったり・・・なんでタケオさんみたいなちょうど良い温度(飲みたい温度)にならないのかなぁ・・・」

エリカがため息交じりに呟く。

「ん~・・・ファイアとアクアの数を同じにしたら少し温かいお湯になりましたし、ファイアを1つでも多くしたら沸騰しましたし・・・何が問題なんですかね?」

アリスが首を傾げながら言う。

「魔法は感覚が全てですから・・・同じ工程をしても同じ結果にならない事もあるでしょう。

 それに兵士達は同時発動をするくらいなら単独魔法に魔力を振った方が威力が出ますから、基本、訓練では回数でなく加える魔力量の加減を練習していきます。

 回数を合わせるキタミザト様のやり方の方が異端なんですよ。

 出来なくてもしかたありません。」

テイラーがエリカを慰める。

「そうですかぁ・・・タケオさんは最小の魔力量でやっているんですよね?

 ファイアだったら魔力量7くらいで。」

エリカがテイラーに聞く。

「ん~・・・まぁ言っても良いでしょうかね。

 実の所、発動の最小魔力量というのは、この教本というか基準を作った際の皆の経験則を聞き取った平均値だったりします。」

「「??」」

アリスとエリカが首を傾げる。

「いつだれがと言うのは面倒なので割愛しますが、大昔の魔法師は皆が皆バラバラに魔法を使っていました。

 ある時、とある組織で基準を設けようという話になった際に『いくつが発動に必要な魔力量か』という議論になり、ベテランから若手まで魔力量を計測しながら各魔法の数値を集めて行ったらしいのです。」

「「へぇ~。」」

アリスとエリカがテイラーの説明に頷く。

「今回は回数を指定するというのが合わなかったからなのかもしれません。

 ならファイアとアクアを回数ではなく魔力量で調節してみる方が合っているのかもしれませんが、どちらにしても同時魔法は兵士達がほとんどしませんから未発達の領分ですね。」

「んん~・・・それとなく今後も練習します。

 と、指輪選びはどうしようかな・・・同時魔法は日常では必要なくなったから無詠唱とケアとシールドと・・・」

エリカが思考し始めるのだった。


------------------------

その時のテイラーの店のカウンターでは、コノハ、ニオ、ペイトー、スーがのほほんとチビサイズでお茶をしていた。

「ほぉ、カリテス達は芸術を育てたいのか。」

「はい、ニオ、芸術性がこの世界は低いのです。

 やっていても絵画ぐらいで音楽や物にはあまり興味が引かれていないようです。

 芸術は確かになくても生きてはいけるのですが、心の豊かさを育む一端ではあります。

 何とかして人々を導けないかと思っているはずです。」

「まぁ確かに芸術的な物は少ないか。」

「そうね。

 食器なんかは芸術が一番入りやすいんだろうけど・・・些か生活に寄り添っているわね。

 まだ天才的な芸術家が出てこないのが原因かな?」

ペイトーの言葉にニオとコノハが頷く。

「チュン?」

「スー助が出てくる頃はスー助自体が芸術の対象だしね。

 スー助も源流は自然神でしょ?噴火や森林火災の具現化とも取れるはずだから雄々しく描かれていることがほとんどだったはずね。」

「チュン!」

「自然神だと・・・火、海、山かな?

 芸術というのにはまだまだ時間がかかりそうね。

 あ、テトちゃんの契約者のスズネはヴァイオリンをするわよ。」

「え!?あるのですか!?」

「うん、前に演奏していた。

 確か・・・鈴音の持っているのはこっちに来る時に持ってきたと言っていたわよね。」

「ああ、それにタケオもウィリプ連合国から数個持ち帰って各王家に配っているはずだ。

 エリカが勤めている第3皇子一家にも渡してあると思うぞ。」

「第3皇子一家・・・パイディアーが居る一家でしたか?」

「そうそう、スズネは元々学校の部活でしていたみたいでね。

 それなりに弾けるわよ。

 前にゴドウィン伯爵の妻でアリスの姉ジェシーと契約したパンニューキスが1日みっちり教えていたわ。」

「ほぉ、なら私もした方が良いでしょうね。」

「でも、スズネは研究所の研究員よ。

 日中は研究所だし、戻ってくる頃にはペイトーはエリカと一緒にエルヴィス伯爵邸にいるから接点がないわ。

 今回は短期間の練習は出来ないと思うわ。」

「日中は研究所ですか・・・そうですか。」

ペイトーが頷くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 細かいことだけど、 >スズネは元々吹奏楽部に居たみたいでね 吹奏楽ってヴァイオリンをあまり使わないのでは? 管弦楽とか弦楽なら分かるのですけどね。
[一言] ・・・そうですか 意味深w
[一言] エリカちゃんとカサンドラちゃんも早くタケオ嫁枠として来てね。 精霊達のお茶会が毎日できるっと。
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