第1528話 研究所開所日。5(幹部打ち合わせ。)
研究所の3階 所長室。
武雄、マイヤー、アンダーセン、トレーシーが所長室のソファで座りながら話をしている。
ヴィクターも武雄達の横に立って話をしている。
「というわけでラルフさんの所で渡しそびれた制服の襟に付ける襟章がこちらになります。
これです。」
武雄が自身の襟元を指さす。
「はい・・・えーっと・・・説明書を見ながらですが・・・・
スズネ殿とアニータ、ミルコは所長と同じ右襟に研究所の襟章、左襟にキタミザト家の襟章ですから2つを配布。
他の面々は右襟に研究所の襟章のみ、ヴィクター殿やアスセナ殿、子供達は左襟にキタミザト家の襟章ですね。」
「はい、当分はこれで行きます。
作業服用の襟章はしばらく待ってください。
ちょっとこの襟章が目立つのでデザインを考えます。」
「これで目立つですか。」
「緑に対して目立ちます。
なのでもっと地味に作りますからね。」
「「お好きにどうぞ。」」
武雄が楽しそうに言うのをアンダーセンとトレーシーが呆れながら返事をする。
「あと、勤務時間は私とマイヤーさん、研究室が庁舎と同様に9~18時勤務、試験小隊は8~18時勤務、ヴィクター達は8時半~18時半勤務とします。
試験小隊は朝練の為、ヴィクター達は朝研究所の全部屋を開錠、施錠する為です。
9~18時勤務の方の休憩は昼の休憩は45分と適度に5分休憩を3回程度、8~18時勤務の方の休憩は朝練の後に1時間、昼は45分、他に適度に5分休憩を3回程度とします。
8時半~18時半勤務勤務の方の休憩は、午前と午後にそれぞれ45分、他に適度に30分休憩とします。
厳密には計りませんのであとは適度にお願いします。
また、この勤務時間は基本研究所のみでの適用です。
野外訓練時、移動時、演習時、戦争時には適用されません。
よろしいですか?」
「「「はい。」」」
3人が返事をする。
「あとは・・・鍵についてはここに居る人達とキタミザト家の総務部・・・ヴィクターの席の近くと予備としてエルヴィス家とエルヴィス家の総監部には全部屋の鍵を渡します。
それ以外の各員は玄関と各々の作業する部屋までの鍵のみです。
ヴィクター、問題ないですか?」
「はい、後ほど全員分の鍵を所属長にまとめてお渡しします。」
ヴィクターが答え、マイヤー達も頷く。
「あと初雪に頼んで研究所内は昼夜問わずスライム達が常駐します。
何かあってもスライム達の協力で追跡しますから慌てずに対処してください。」
「「「はい。」」」
「あとは・・・研究所の大まかなやる事の確認ですね。
研究室は盾の研究と輸送船の駆動部の開発、スライムの体液研究。
試験小隊は既存の武具の評価と戦術と検討、戦争時は先行偵察部隊です。」
「「はい。」」
トレーシーとアンダーセンが頷く。
「さて・・・ここに王都への招集予定の伺いが来ました。
5月半ばの予定との事で招集可否の連絡をする事になっています。
まぁ私は可で返答する気ですけどね。
今回の招集は王都守備隊、王家専属魔法師部隊、王立第一研究所、王立第二研究所合同会議です。
これは陛下直轄組織が一堂に会し、今後の話をする・・・らしいです。
たぶん今後の話もするでしょうが、今回は前に貰った研究所設立要件の中に研究所にて開発するリストを事前に王都守備隊等に提出する事という内容があるので盾に関しての口頭質疑が来ると思っています。
トレーシーさん、前にも言いましたが、盾の研究工程としては1年以内に試作をして、2年以内に市販出来るだけの性能を確定させる。
3年以降に市販が出来るようにする事を念頭に置いてください。
王都にはこの通りに説明してきます。
最初の試作の所は私や鈴音と話し合いながら仕様を決めていきましょう。」
「はい。」
トレーシーが頷く。
「研究室はとりえず区分けの確定をさせてください。
会議室を使用してでも試験小隊詰め所でも構いません。
その後、机や簡易間仕切壁を設置する工事を始めますので決まったら私やヴィクターと話し合いです。」
「はい。」
「わかりました。」
トレーシーとヴィクターが頷く。
「試験小隊の方は基本任せます。
毎日の訓練も必要でしょうからね。
訓練と試験、戦術会議の時間割は皆で決めてください。
あと・・・正式装備に小銃がありますので慣熟訓練を組み込んでください。」
「用意は出来ているのですか?」
「とりあえず10名分の小銃と弾丸2000個が用意できています。
月産2000発なので・・・1人当たり月200個ですか・・・まぁ毎日小銃訓練はしないでしょうから予定に組み込んでください。
あと小銃の訓練は危険を伴います。
厳格な規則を作った上で実施しますし、最初の数回は私も立ち会います。
予定が出来たら教えてください。
事前に小銃の座学もしたいので予定を組んでください。」
「はい、畏まりました。」
アンダーセンが頷く。
「こちらからは以上です。
何かありますか?」
「所長、研究室の内装の工事を実施している間はトレーシー研究室長は試験小隊にスズネ殿は所長と私との打ち合わせという事でよろしいのですね?」
「ええ、前に話した通りで結構です。
研究室が出来たら研究員達は研究を始めますので悔いが無いようにしていきましょう。」
「「はい。」」
「・・・はぃ・・・」
約1名以外が頷くのだった。
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