第1520話 契約者達と精霊達。1(現状確認。)
試験小隊とステノ技研が帰ってから。
武雄とアリス、エリカとヴィクター、アスセナとベルテ一家、鈴音とテイラー、ニルデとジルダはお茶をしながらのほほんとしている。
もちろんビエラ達チビッ子もお茶を楽しんでいた。
「煎餅なんて久しぶり!こんな味だったっけ?」
「へぇ~・・・」
鈴音が満面の笑みでテイラーは物珍しそうに食べている。
「米でこのような菓子が・・・」
「パリパリしていますね。」
「お茶に合いますね。」
ベルテ一家が煎餅を吟味しながら食べている。
「あ~♪」
「きゅ♪」
約2名ものほほんと煎餅を堪能している。
「そうだ、エンマさん、フローラさん、アスセナさんから聞きましたか?」
武雄がエンマに聞く。
「?・・・あ!喫茶店の給仕係の話ですか?」
「エンマ、どうする?」
フローラが聞いてくる。
「んん~・・・週に1、2回で良くて1日銅貨80枚は魅力的だよね。」
「朝7時から16時までだから夜のお酒がないとお客さんからの絡みもなくて安心そうだよね。」
2人して悩んでいる。
「ボーナお母さんはどうしますか?」
「え?私も参加して良いのですか?
既婚者ですが?」
ボーナが驚きながら言う。
「エルヴィス家の料理長の奥様とお子様、昔エルヴィス家で働いていた料理人やメイドだったご婦人方が参加します。
既婚者の方が多いみたいですよ。
なのでボーナお母さんでも参加は出来ますし、主婦仲間が出来ますよ。」
「あ、それは良いですね。」
ボーナが乗り気になる。
「キタミザト様ー!私達は?」
「私もお小遣い欲しいです!」
ジルダとニルデが武雄に聞いている。
「ん~・・・ボーナお母さんどうですか?」
「そうですねぇ・・・簡単な計算と読み書きがまだですので・・・ちょっと難しいかと。」
ボーナがにこやかに言ってくる。
「2人はまずはお勉強が必要ですね。
追々その辺は考えていきましょう。」
「「はーい。」」
ニルデとジルダがちょっと不貞腐れる。
「あと、ビエラ。」
「はい!?」
いきなり武雄に呼ばれてのほほんと煎餅を貪っていたビエラが姿勢を正す。
「ついでです。
ビエラは文字と言葉を覚える為にニルデとジルダと勉強してきなさい。
エルヴィス家では夕霧や初雪の語学勉強に子供達の教育も協力をして貰っています。
これ以上は人員をお借り出来ません。
それにビエラはそもそも人語を習いに来たのでしょう?そろそろ勉強を始めましょう。」
「・・・はい・・・」
ビエラが小さく頷く。
「ならタケオ様もしましょう。
簡単な文は書けるようにしなくてはいけません。」
アリスが言ってくる。
「・・・火を付けたら飛び火しました・・・
ニルデやジルダ、子供達に勉強は大事と言っていますからね。
私も頑張らないといけないのかなぁ?」
武雄が腕を組んで悩む。
「タケオさん、簡単な文字は書けないとダメですよ。
いくらアリス殿や執事が居るとはいっても限度があります。」
「うんうん、そうですよね、エリカさん。」
エリカとアリスは武雄に文字を覚えさせたいようだ。
「はぁ・・・やるしかないかぁ・・・」
「武雄さん!私にも出来たんです!大丈夫です!」
鈴音が励ましてくる。
「・・・年齢差が重く圧し掛かっている気がします・・・」
武雄が諦めるのだった。
------------------------
食堂の片隅ではエルヴィス伯爵領の精霊がお茶会をしていた。
「改めてみると凄い面子よね。
私、パナちゃん、ニオにテトちゃん、うーちゃんにだーちゃんとペイトー、神獣でスー助とハクコとコクコかぁ。
これにマリとパラスが加わるのね。」
コノハが呆れている。
「で、コノちゃん、何を話すの?」
ウカが聞いてくる。
「現状確認よ。
まず精霊の分布ね。
この国の王都には王家の専属でヴァーユとトール、アモールが居るわ。
カトランダ帝国方面に居て今後王都に異動する第1皇子の長女にアウクソー。
ウィリプ連合国方面に居る第2皇子の長女にアルちゃんと次女にカリス。
ちなみに長女は王都の学院に居るからね。
そして今は王都だけど、今後魔王国方面に異動する第3皇子の長女にパイディアーとエリカが参謀でいるからペイトーね。
マリの契約者であるエルヴィス家の次期当主のスミスとパラスの契約者であるジーナは王都の学院に行っているわ。
あとパンニューキスの契約者はアリスの姉のジェシーで、嫁いだのはここの隣の領地であるゴドウィン伯爵家。
ムンムとロキは王都にも魔王国方面にも居ないけどアズパール王国内に居る模様よ。
たぶんどこかの貴族に契約者ごと貸し出されているわ。」
「「うんうん。」」
ウカとダキニが頷いている。
「国内はこんな感じ。
周辺国でわかっているのはウィリプ連合国にはバロール、ドゥルジ。
魔王国にはタローマティと何か上位神。
エルフの国のブリアーニ王国の女王にも上位神が付いているわ。
カトランダ帝国についてはわからない。
以上かな?」
「「ん~・・・」」
ウカとダキニが考えている。
「まぁ問題はドゥルジだな・・・」
「あれは最悪だぁ・・・」
「他は何とかなりそうだけどね。
流石に感染症は対応が難しいよ。」
「難しいね~・・・」
精霊達が難しい顔をさせる。
「追加情報だとドゥルジの契約者は国家に所属していなくて契約者はエルダームーンスライムです。
向こうでスライムの安住の地を作る事を目的としているようです。」
パナが説明する。
「ん~・・・現状では敵対しなければ問題ないんだろうな。」
「そうね。
手出し無用ね。」
精霊達が今は打つ手なしと諦めるのだった。
「・・・あとテトちゃん、タローマティが来ても戦わないでね。」
コノハが言う。
「私は戦闘狂ではないですよ?戦いなんかしません。」
「無理だな。」
「無理では?」
「西洋神は過激だからなぁ。」
「私はノーコメント。」
テトが言うが、ニオ、パナ、ウカ、ダキニが言う。
「しないから!大丈夫だから!」
テトが皆に言うのだった。
ここまで読んで下さりありがとうございます。




