第1514話 米の総評。(さて・・・精霊を追加だな。)
夕食後の食堂にて。
帰宅時のお土産を用意している間、皆でこし餡団子とお茶を飲みながら品評をしようとなったのだが、皆が恍惚の表情をしているので、それぞれの所に行って武雄が聞き取りをする事にしていた。
「うむ・・・美味しかったのぉ。
満足じゃ、満足じゃ。」
「それに1つの器に食べやすく全部詰め込むのは良いですね。」
「これ違う形でも出来るんじゃないですかね?
トリカツじゃなくてハンバーグでも出来るように思いますね。」
「ハンバーグ丼ですか。
良いですね、今度作りましょうか。」
「あ、あるんだ。
楽しみ♪」
「あ~♪」
「きゅ♪」
「美味しかったです♪」
「ニャ!」
エルヴィス家の面々も満足そうだ。
「キタミザト様、米の作付けお任せください。」
「しっかりと生産いたします。」
「こんなに美味しかったなんて思いもしませんでした!
あの卵の入ったのじゅわっとして最高です!」
「米の栽培頑張ります!
ソースとの相性も最高です!」
「キタミザト様!美味しかったです!
卵が入った食べれる袋美味しかったです!」
「また食べたいです!
肉も卵も!」
ベルテ一家は生産を頑張る決意をしている。
「ええ、期待していますよ。」
武雄がにこやかに言う。
「キタミザト様、これは料理の時短の為に必要なのが良く分かりました。
まずは木臼の複製を行います。
その後なるべく早く装置が出来るようにしてきます。」
「木臼の図面は出来ましたので木臼はしまわれて構いません。
何とか早々に木臼の方を量産をします。」
ブラッドリーとベインズが言ってくる。
ボイド達もやる気なようで2人の言葉に頷く。
「あ、そうだ。
とりあえず木臼を8個作ってください。
その内5個は魔王国側から要請があったので送らないといけません。」
「そうなのですか?」
「ええ、この米を輸出してくれたブリアーニ王国が欲しがっているんですよ。」
「わかりました、早々に着手します。」
「ええ、お願いします。
とりあえず手付金で金貨3枚渡しておきます。
足らないなら請求をしてください。」
「畏まりました。」
ステノ技研の皆が頷く。
「所長・・・米凄いですね!
揚げ物に合う!ウスターソースに合う!」
ブルックが目をきらめかせて言ってくる。
「居残り組は初めてでしたが、問題なさそうですね。」
武雄がブルックの満足顔をにこやかに見ながら言う。
「他の皆さんも・・・うん、平気そうですね。」
「「「はい!」」」
試験小隊の面々が頷く。
最後に和食の会の所に行く。
この場に居る4精霊が揃ってお茶を飲んでいた。
「で・・・これですか・・・」
「武雄さん、光ってますよね。」
「光っていますね・・・」
武雄と鈴音が精霊の本を見ながら言う。
「コノハ、さっき慌てていましたが何かあったのですか?
中身は買う際に軽く見ましたが・・・そこまでですか?」
「タケオ、私も戻って来てから気が付いたのよ。
詳しくは言えないけど・・・タケオが見た最初だけでは正確な内容がわからなかったのよ。
今回はちょっと微妙よ・・・ここまで面倒な条件を付けるとは・・・たぶん今までと違うわ。」
コノハが諦めたように机に肘を付け、額に手を当て項垂れながら言う。
「ニオはどう思いますか?」
「夕食前に4人で話したが・・・我としてはわからん。
害のあるなしは契約者によるからなぁ・・・テトはどう思う?」
「ん~・・・正直言っていい?」
「うん。」
「うむ。」
「はい。」
テトの言葉に精霊3名が頷く。
「タケオとスズネは聞かなかった事にしてね。
周りには遮音でもしておくわ。
ニオ、テト、パナ。」
コノハがそう言い、3名が頷く。
「ええ。」
「まぁ。」
武雄と鈴音もとりあえず頷く。
「はぁ・・・まぁ良いか。
この精霊・・・日本系でしょ?私やパナでは実情はわからないわよ。」
「そうですね。
条件や能力の概要はわかっていますけどね。
コノハとニオの方が私達より知っているでしょう。」
テトの指摘にパナも頷く。
「まぁ・・・そうね。」
「うむ・・・コノハとしてはどうだ?」
「・・・どちらの精霊も能力的には問題はないわ。
結果的に善神だしね。
でも人格的にはわからないわ。」
「呼べば良いんじゃないか?
あとは適応者と話し合って嫌なら戻すという事で良いと思うが?」
ニオがコノハに言う。
「はぁ・・・片方だけなら私でも対処出来るんだけど・・・まさか同時とはキツイわ。
タケオは良い?」
「良いも悪いも光っている時点で出てきたいのでしょう?
光ってなかったら王都行きに決定していましたけどね。
悪さするならこの4人で成敗ですね。」
武雄がにこやかに言う。
「そうなるかぁ・・・万が一はテトちゃん、ニオ押さえてね。」
「大丈夫だと思うがな。」
「平気なんじゃない?」
ニオとテトが気楽に答える。
「さて・・・遮音を切って。
エルヴィス伯爵、精霊の適応者が居るみたいなんだけど、平気?」
コノハがエルヴィス爺さんに聞く。
「構わんぞ。
折角適応者がおるのじゃろ?
悪さするのは困るがの、その際は契約しない方向でお願いしようかの。
判断はコノハに任せるのじゃ。」
エルヴィス爺さんも言う。
「そう・・・わかったわ。
はぁ・・・だーちゃん、うーちゃん、出てきたら?」
コノハがそう言うと精霊の本が光るのだった。
・・
・
「コノちゃん、遅いよ!」
「1冊に複数はキツイね~。
ニオ、おひさしぶり!」
セーラー服姿の女性が2名姿を現す。
「「「「・・・」」」」
皆が一様に言葉をなくしている。
精霊達は苦笑いしている。
「・・・で?何で2人で1冊なのよ。
この本を軽く読んだ時はうーちゃんだけだと思ってた。
はっきり言って、だーちゃんの事は全然わからなかったわ。
どんな特殊条件を設定したのよ。
ついでにセーラー服だし!」
コノハが呆れながら言う。
「まぁまぁコノちゃん、そう言わないで。
私達関連性が強いから一緒に居た方が便利だし、能力全般使うならこのぐらいの条件が必要だったのよ。
セーラー服は暇だったから2人で参拝客の真似事してたの。
あ!皆さん、こんにち・・・こんばんは!
私は宇迦之御魂神、通称はウカです。
でこっちが。」
「初めまして。
私は荼枳尼天、通称はダキニです。
よろしく。」
2人の精霊が皆を前に挨拶をするのだった。
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