第1513話 何はともあれ夕食だ。(鶏肉でソースカツ丼。)
エルヴィス家の食堂。
「で・・・タケオとスズネ、ニオとコノハは向こうなのじゃな?」
「別メニューとの事らしいですけど・・・
私達は私達で楽しみましょう。」
エルヴィス爺さんとアリスが話している。
「うわぁ~♪」
「肉が乗ってる♪」
「これはどういった料理なのでしょうか。」
「これはどういう事?」
「野菜の上に肉??
これウスターソース?」
「「おぉ・・・美味しそうだ。」」
「あ~♪」
「きゅ♪」
「へぇ~。」
「ニャ?」
ベルテ一家とステノ技研、エルヴィス家、試験小隊の面々が目の前の夕食を興味津々に見ている。
「さて・・・配膳は終わりましたね。
今日食べて貰うのはチキンソースカツ丼です。
食べやすいように小分けてスプーンでも食べれるようにしています。」
「「「チキンソースカツ丼。」」」
皆が一斉に呟く。
「ええ、鶏肉の揚げ物をウスターソースに潜らせた物です。
米は玄米という状態で籾・・・殻を取って良く洗い炊いた物、これは皆さんも見ていたでしょう。
シイタケの出汁で味を少し付けて食べやすくしています。
それと卵スープを用意しています、サラダの味はレモン系です。
また豆腐・・・珍しい食材を揚げて中に卵を入れ、少し甘めに煮込んだ巾着卵というのを作りました。
お漬物も用意してキュウリを軽く塩で揉みました、あっさりとした野菜感で食べやすくなっているはずです。
・・・食べたい?」
「「「「食べたいです!」」」」
「はい、食べましょう。」
「「「「いただきます。」」」」
皆が思い思いに食べ始める。
「うむ!これも食べやすいの!
巾着卵というのも見事じゃ!」
「ちゃんと一口サイズにしてあるのが良いですね。
肉と・・・敷いてあるのはキャベツですね。
これと米を一緒に・・・うん!面白い。」
「なるほど、なるほどぉ♪
こういう食べ方もあるのですね。
あ、この巾着卵汁が染みてる・・・美味しい♪」
「あ!美味ちぃ♪」
「きゅ♪」
「米にウスターソースがかかっている場所も美味しいですね♪」
「ニャ~♪」
「うん・・・なるほど。
これは時短食ですね。
味も良いです。」
エルヴィス爺さんとアリス、エリカ、ビエラ、クゥ、タマが満足そうに食べている。
パナは頷きながら食べている。
「「美味しい!!」」
「なにこれー!?これが米なの!?」
「これ米じゃない!」
「これほどとは・・・美味い。」
「はぁ・・・これは凄いわね。
村の皆はこの味知らないんだろうなぁ。」
ベルテ一家は驚きながら食べている。
「ほぉ・・・食べ応えがあるな。」
「うん、これは食べやすいし口に流し込めますね。」
「確かにこの味なら米を頻繁に使いたいと思うかもしれませんね。」
「わし死ぬかも。」
「爺ちゃん・・・毎回新しい物食べてそれ言わないで・・・
ソースがかかっている米も美味しいんですね。」
「これは食べやすい。」
「これは・・・お腹に溜まる・・・食べている感も良いですね。」
ステノ技研+テイラーがガツガツ食べている。
「「「「おおおお!!」」」
「これだーー!」
「これもお腹に溜まるなぁ。」
「素晴らしい!
凄い!所長凄い!」
「野菜炒めも凄いけどこれも凄い!」
試験小隊の面々が目を輝かせながら食べている。
一方の和食の会のメンバーは。
「はぁ~~~~・・・・」
鈴音が目の前の食事に見とれていた。
「うむ、タケオ、見事だ。」
「そうね。
ここまで来たわね。」
ニオとコノハが武雄を褒める。
4人の前には昨日から武雄とコノハで下準備した白米のご飯、紅魚の切り身の焼き魚、豆腐が2切れに巾着卵、卵スープに小さい器に玄米の小ソースカツ丼と5切れ程度のキュウリの塩での浅漬け。
純和風の朝食感がそこにあった。
「・・・まずは焼き紅魚から・・・ふぇ!?」
紅魚の切り身を少し食べた鈴音がビクッとする。
「た・・・武雄さん・・・しょっぱいです!」
「あ~・・・塩抜きが間に合わなかったんですね。」
武雄も一口食べて普通に感想を言う。
「なんで平気なんですか?!」
「別に塩鮭と思えば・・・ん?鈴音、塩鮭知らないですか?」
「鮭は鮭じゃないんですか?
こんなにしょっぱいの初めてです。」
「そうかぁ、鈴音は塩鮭を知らないのですね。
鮭の切り身というと私の地元では甘鮭、中辛、塩鮭という感じでしょっぱさが違って売っていましたからね。
ちなみに塩鮭は一口食べると二口ご飯を食べたくなる感じなんですよね。
茶漬けに合うんですよ。」
「しょぱい・・・」
鈴音が残念そうに紅魚を見つめる。
「・・・鈴音、ご飯を少し残しておきなさい。
あとでお茶を持って来ますよ。
茶漬けだと食べやすくなりますよ。」
「私も茶漬けが食べたい!」
「うむ、我もだな。」
コノハとニオも茶漬けを所望する。
「わかりました。
ならとりあえず、ソースカツ丼の吟味をお願いします。
鈴音、こっちは玄米ですからね。」
「玄米?・・・はむ・・・美味しいですよ?」
鈴音がソースカツ丼を一口食べて言ってくる。
「スズネも大丈夫そうね。」
コノハも少しホッとしている。
「鈴音、久しぶりの米でしょうからね、堪能しなさい。」
「はい♪武雄さん、ありがとうございます!
キュウリの漬物とご飯が美味しい♪」
「定期的に食べれるようにしましょうね。」
「はい!」
鈴音が満面の笑みで答え武雄とコノハ、ニオが朗らかに見つめ頷くのだった。
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