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第1504話 夕食後のエルヴィス家。1(さて・・・米だよ米。)

夕食後のエルヴィス家の客間。

皆が一堂に会している。


「タケオ、フレデリック・・・米の作付けどうするべきかの?

 やはり村を作るかの?

 バリッバリッ。」

「そうですね・・・確かにあの食べ応えとカレーとの相性・・・素晴らしい物がありました。

 他の料理にも合う物と考えられます。

 これを街に卸すと相当売れる可能性があります。

 最初に話した村計画は3年か4年後に向けてです。

 現実的に考えるならまずは作ってくれる農家を探さなければいけません。

 今の段階で村ごと作っても上手くは行かないでしょう。

 なので当分はこの街の農家に作付けの依頼をする予定と言ったではありませんか。

 バリッ・・・ズズゥ・・・はぁ・・・

 とりあえずベルテ一家の作付けを見守りながら予定地の選定を進めるしかないでしょう。」

「そうですよ。

 バリッバリッ・・・ズズズッ・・・はぁお茶美味しいなぁ。

 それに今回は私が提案する料理に抵抗なく食べてくれる人達の評価なんです。

 これが街に出た際に街の人達がどう評価するかはまた別です。

 需要があって供給が生まれる物です。

 供給を先に用意するというのは将来が安泰だと施政者側は考えていても実施者である農家が納得しないでしょう。

 もし売れなければ減益なのですよ?

 リスクを負うとは思えません。

 なので今はベルテ一家に手順の確認をしっかりして貰って作付け指導をする際の指導書を作って貰った方が良いですよ。」

エルヴィス爺さん、フレデリック、武雄の3人はソファに座り、食後のスイーツとして玄米の煎餅擬き・・・(面倒なので煎餅という事にします)煎餅を食べながら米の作付けの話をしている。

「しかしのぉ、あれほどとは思わなかったのじゃ。

 のぉ?フレデリック。」

「はい、前にお出し頂いた大豆のような豆の食感かと思っておりましたが、甘みもあり柔らかい不思議な穀物でしたね。

 主が言う通り作付けに動きたい気持ちは確かにわかりますが・・・今年はベルテ一家にして貰い、来年の作付け時に数か所の農家が参加出来るように交渉をしていくのが妥当でしょう。」

「うぬぬ・・・口惜しいの。

 こんなに美味しい米が量産化するのに数年はかかるとは・・・」

「まぁそれに基本的に主食は小麦ですから、米よりもまずは小麦の生産を第一に考えないといけないですしね。

 まだ自給率悪いのでしょう?」

「そうですね・・・小麦の生産は南町が主体で広げるよう局長達には連絡済みですね。

 西町の分を南町でと考えていますから・・・全体でみれば微増といった感じになります。

 ウスターソースを領外に輸出出来るようになれば、少し税の実入りも良くなりますので、米の方の補助金に回せるかもしれませんね。」

キタミザト家(うち)として魔王国とブリアーニ王国からの輸入量を増やしたいですね。

 そうすれば販売益が上がりますからその分をさらなる買い付けに回せますし。」

「んん~・・・領内の事を考えれば小麦の作付けを優先せねばならぬか・・・

 だがなぁ、米も十分に魅力があるのがわかったからの。

 これも増やしたいが・・・フレデリックとタケオが小麦が第一優先と言っておるし、そこは大事だとはわかっておるのじゃが・・・

 当分はタケオの所で輸入に頼らなければならぬのかの?」

エルヴィス爺さんが腕を組んで悩んでいる。

「まぁそうでしょうね。

 その為の今回の受け取りでしたし。」

「そうですね。」

武雄とフレデリックが頷く。


「パリッ・・・パリッ・・・」

「ポリッポリッ・・・」

アリスとエリカが煎餅とかりんとうを摘みながら3人の会話を聞いている。

「バリリッガリリッ・・・美味ちぃ♪」

「きゅ♪」

「今回のかりんとうは細いのですね。

 これなら食べられます。」

「ニャ~ニャ♪」

「あれ?タマ、かりんとうを舐めているの?

 柔らかくなるまで噛んじゃダメよ?」

チビコノハが自分の分の煎餅を食べながら隣のタマの様子を見ている。

「ニャ。」

「煎餅にかりんとう、そして米や出汁。

 随分と和食が侵食してきましたね。」

チビパナがかりんとうを食べながらそう言ってくる。

「ね、タケオのお陰よ。

 あ!おかわりの煎餅がもうない!?

 ビエラ、クゥ食べ過ぎよ~。」

「あ~??あ?」

「きゅ?」

2人とも「遠慮しているよ?それに明日もあるんでしょ?」とコノハを見る。

「まぁ確かに他の人の分を取らないだけ良いけどね。

 明日はベルテ一家やステノ技研にお土産で渡すかも知れないから食べられないかもよ?」

「あ!?」

「きゅ!?」

2人がコノハの「明日はない」宣言に驚く。

「そんなに驚かなくても・・・ビエラとクゥは明日の皆のお土産が煎餅でないことを祈るしかないわね。」

「あ~・・・」

「きゅ~・・・」

2人が弱々しく頷く。


客間の扉がノックされエルヴィス爺さんが返事をすると教育係と子供達が入ってくる。

「伯爵様、子爵様、皆さま、子供達が就寝の挨拶に参りました。」

「うむ、今日は街に行ったが必要な物は買えたかの?」

「はい、いろいろ買わせて貰いました。

 明日からの研修頑張ります。」

ルフィナが答える。

「「「頑張ります!」」」

セレーネ、ルアーナ、ヴィートが答える。

「うむ、その意気は良し、だが急がなくて良いからの。

 じっくり確実に覚えるのじゃぞ?」

「「「「はい!」」」」

エルヴィス爺さんの言葉に子供達が頷く。

「私からはそうですね・・・指導してくれる方々は本来の仕事を半分にして貴方達の指導をしてくれます。

 それに感謝し真面目に取り組みなさい。

 貴方達ならいつか必ず執事やメイドの仕事を完璧に熟す事が出来るはずです。

 でも初めから出来る者は居ません。

 まずは焦らずに行動し、恥ずかしがらず質問をする。

 これが仕事をする上で大事です。

 今日は早く寝て明日に備えなさい。」

「「「「はい!」」」」

武雄の言葉に子供達が頷く。

「では、湯浴みをしてから就寝しましょう。

 ルフィナ、セレーネ、ルアーナ、ヴィート、参りましょう。

 伯爵様、子爵様、皆さま、お先に失礼いたします。

 4人も皆さまに就寝のご挨拶を。」

「「「「伯爵様、子爵様、皆さま、お先に失礼いたします。」」」」

子供達が頭を下げる。

「うむ。」

「「「おやすみなさい。」」」

大人達は子供が退出するのを見守るのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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