第1503話 夕食。2(まぁカレーライスは絶大な人気があるしね。)
エルヴィス家の食堂では伯爵達が夕食を取っているのだが・・・まぁ言わずもがなな状態になっていた。
「タケオ!カレーが出てきた時も驚いたが米は凄いの!
何という物が出来たのじゃ!
これは凄いの!これは領民に食べさせなくてはの!」
「ついつい食べ過ぎちゃいますよね。
トリカツも柔らかく仕上がってて美味しい♪」
「あ~カレー美味しい♪
これは当分王都帰れないなぁ~。」
「エリカ様、またそんなことを言って・・・あ、カレー最高ですね!
米も食べ応えがあります。」
「あー♪」
「きゅー!」
「チュン!」
「うんうん、美味しいです。
あ、タマ、ジャガイモ小さく切りますか?」
「ニャ?ニャニャ。」
「ミア、平気よ。
タマは綺麗にジャガイモをカレーに付けながらかじっているわよ。
口元が汚れたら私が拭いとくわよ、安心して食べなさいって。
やっぱり玄米カレーは美味しいわ。
パンはなんだか味気ないのよね~。」
「流石、国民食と言わしめる物ですね。
何度食べても飽きません。」
皆が一様に和気あいあいと食べている。
「カレーは便利だよなぁ。
米にもパンにも合うし、下手したらサラダや肉のソースにすらなるんだもんなぁ。」
武雄は皆の様子を見ながら呟く。
ちなみにビエラとクゥはもう3杯目に突入、ペースが速く壁際に居るメイドと執事がちょっと驚いている。
「まぁ足らなかったら足らなかった見通しが甘かったと反省すれば良いですよね。
ん、やっぱりカレーは飽きませんね~。」
そんなことを言いながら食べる武雄のカレーはご飯が大盛だった。
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ベルテ一家の食卓。
「「「「カレーだ!!!」」」」
エンマ、フローラ、ニルデとジルダがカレーが入った鍋を見ながら満面の笑みをしている。
「あらあら、アスセナさん、これは?」
「キタミザト様が今日はカレーだからベルテ一家と楽しむようにと持たせてくれました。」
「あら、キタミザト様には申し訳ないわ。
ヴィクター様も夕食はまだなんでしょう?
食べて行ってくれるのですよね?」
「ええ、申し訳ないですがごちそうになっても良いでしょうか?」
「構いませんよ。
ほら、4人共夕食の準備手伝って。」
ボーナがカレーの入った鍋を持って厨房に行く。
「「「「は~い♪」」」」
子供達も後を追っていくが軽くスキップをしている。
「では、私は着替えてきます。」
アスセナが自室に戻っていく。
「今日もお疲れさまでした。」
ドナートが隣のヴィクターにお茶を出しながら言う。
「いえいえ、本当に忙しいのは明後日からですので。」
「研究所開所ですものね。
私達はキタミザト家の部下という事でお伺いしなくても良いのですよね?」
「ええ、開所日の朝の式典は試験小隊と研究室の人員だけになります。
もちろん何か御用があれば3階に私やアスセナは居ますので来てください。」
「はい、何かあればお伺いします。
あ、明日は米の試食なのですよね?」
「ええ、今頃エルヴィス伯爵邸では大騒ぎになっているでしょう。」
「そこまで美味しかったのですか?」
「はい、エルフの方々が守ってきた米という穀物は素晴らしいですね。
ですが、若干食するまでに工程が必要なのが普及させる事を考えると心配ですね。」
「工程が・・・小麦のように挽いて粉にしてからではないのですよね?」
「違いますね。
でも・・・あ~・・・口に入れるまでの事を考えれば小麦も米も工程数では変わらないのかもしれませんね。
ただし水に漬けておけば良いとは行っても木臼を使ってから食するまでの時間が最低でも5時間はかかるというのは些か時間がかかり過ぎだと思いますね。」
「5時間ですか・・・昼前に作業を始めないと夕食に間に合わないと。」
「ええ、そこをどう短縮させるのか・・・ステノ技研が玄米を作る状態にするまでの工程で何かしら装置を考えるという事でしょう。」
「ふむ・・・わかりませんが、明日お伺いすれば工程がわかるのですね?」
「ええ、わかります。
そして米の評価に納得して頂き、ベルテさん方には米の生産に力を注いでくれれば安心です。」
「不安なような楽しみのような・・・」
ドナートが難しい顔をさせる。
「ふふふ、その不安は杞憂だったと思われる事でしょう。」
ヴィクターがにこやかにお茶を飲むのだった。
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エルヴィス伯爵邸の執事とメイドの控室。
「「「「なにこれー!!!」」」」
子供達が驚きながらカレーを頬張っていた。
「こらこら、皆さん、お行儀よく食べなさい。」
「あー・・・口元が・・・拭きますよ。」
「そんなに頬張らなくてもゆっくり食べて良いんですからね。」
指導をするメイドや執事達が苦笑しながら子供達の口を拭いたりしている。
「それにしてもここでカレーと玄米と言っていましたか、新種の穀物の料理が出るとは。
そして美味しい。」
「お腹に溜まりますね。
夕飯と言わずに昼食に出してくれると腹持ちも良さそうですよね。」
「キタミザト様が来てからどんどん伯爵邸の食事が美味しくなっていき、料理の種類も増えていきますよね。」
「ああ、こんな美味しい物が毎日だと外で食事が出来ないな。」
「そうだよね~。
高いお金を出すよりも賄い食の方が美味しいって凄いよね。」
「本当に凄い事、それに食事が美味しいと皆の仕事のやる気が凄いからな。
子供達も満足そうだ。」
「ええ、美味しい食事の為に頑張るでしょうね。」
「頑張りすぎると物を壊しそうなんですけど・・・」
「「まぁそこはしょうがないよね。」」
指導をするメイドや執事達が笑いながら話をしている。
「ん?私達がなにかあるんですか?」
ルフィナが聞いてくる。
「あ~・・また口の周りが・・・
ルフィナ達は気にしなくて良いのよ、それよりエルヴィス家の夕食は美味しい物が出て来ることが多いからね。
しっかりと働きましょうね。」
「はい!頑張ります!」
ルフィナは頷きすぐにカレーを食べるのを再開するのだった。
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