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第1489話 運送屋の密会。7(リスト確認。)

オリーヴが去ってからの事。

取調室は小休止に入っていた。


「陛下、送り出した4名全員に紐は付けられました。

 最後の者は念を入れて追跡を実施しています。

 その内に仕入れ業者等とも接触するでしょう。」

第4軍指揮官が報告にやってくる。

「周囲の異変はない模様です。

 彼の者と同行班への襲撃も現在ないとの報告がありました。」

第2軍指揮官も報告にやってくる。

「「陛下?」」

2人が返事がないのでヴァレーリを見上げる。

「ん?・・ああ、ご苦労。

 この後の結果が待ち遠しい物だが・・・このリスト凄いな!」

ヴァレーリが悪い顔をさせリストを見ながら笑う。

「ヴァレーリ陛下、そんなに?」

ブリアーニが聞いてくる。

「ああ、今回持ってきたという事はもう終わったであろう荷物内容だ。

 だが、どんな種類があったのか・・・良く分かるリストだ。

 そして・・・ふふ、やってくれる。

 あの爺さん同業他社(ライバル)を売りやがった。ククク。

 ちなみに今回追跡した彼の者の名前は消されてないな。」

「怖い組織ね。

 有益な情報はあった?」

「ああ、あったな。

 ブリアーニ殿も見てみろ、ほら。」

ヴァレーリがブリアーニにリストを渡す。

「ふむ・・・あれ?この名は・・・報告にあった行方不明の子ね。」

「どれだ?」

ヴァレーリがブリアーニが持っているリストを覗き込む。

「この子と・・・この子ね。

 こっちは女の子、こっちは男の子よ。」

「子供が狙われているのか・・・前は一家全員だったのにな。」

「手口が変わったのかも・・・でも・・・もう間に合わないのでしょう?」

ブリアーニが暗い顔をさせながら言う。

「ああ、それは説明したろう?

 現状手に入る情報はもう終わった話で奴らは運送をしている運び屋に過ぎないと。

 こればかりは良い買い手に貰われる事を祈るしかないな・・・」

「・・・そうね。

 これからどう動くの?」

「あのオリーヴとか言った爺さんは次の奴隷船の為に仕入れ業者との打ち合わせがあるという事だったな。

 それには手を出す。

 我が国民とブリアーニ王国の国民は救出せねばならんだろう。」

「ええ、そうね。

 それにしても幾人かの住み家が書かれているわね。

 流石にうちの国内はないけど・・・あら~?・・・魔王国内もあるのね?」

「あぁ。

 今回とは別の運送業みたいだが・・・パーニの所だな。

 これでうちの方の内偵箇所が判明だ。

 あとは・・・エルフ達の輸送はこの者が割と多いみたいだな?

 種族と名前だけではいまいちわからんが・・・。」

「ん~・・・それと仕入れ業者にどうやって会うかよね?」

「それはうちの者達が追っている。

 そのうちに報告があるだろう。

 ブリアーニ殿の所にも報告は上げるようにしよう。」

「ええ、お願い。

 私達も出来る限り協力するわ。」

「ああ。

 では、第2軍は彼の者と同行班の追跡と補助に注力せよ、もしかしたら他にも接触するかもしれん。

 第4軍は今回放った撒き餌の監視と接触者の洗い出しだな。

 第4軍の補佐を第5軍にさせるよう準備させろ。

 現状捕らえている者は王城に連れて行って第1軍で取り調べだ。

 引き継がせろ。」

「畏まりました。」

「了解いたしました。」

第2軍と第4軍指揮官が返事をする。

「さて・・・中隊長、良くやった。」

「はっ!ありがとうございます、陛下。」

「第1軍に引き継ぐまでが仕事だ。」

「了解しました。

 撤収の準備を開始します。」

「うん、任せる。」

「失礼します。」

中隊長が退出していく。

「・・・あれで中隊長かぁ・・・

 魔王国って人材豊富ね。」

ブリアーニが中隊長が出て行った場所を見ながら言う。

「第4軍指揮官、なんであれで中隊長なんだ?

 相手に合わせて話し方も変えているし、聞き取りも上手かったぞ?

 もっと上でも良いんではないか?」

「あ~・・・彼は優秀なのですが・・・上級職試験落ちまくってですね・・・留め置きなんですよね。」

第4軍指揮官が苦笑している。

「はぁ・・・座学が不得意なのか・・・

 今回の軍をまたいだ指揮をこれほどまでに熟し、重要なリストも手に入れた。

 上司への連絡もしっかりしていた。

 実技が満点だ、多少は考慮してやれ。」

「はっ!人事に反映させます。」

第4軍指揮官が頷く。

「陛下、例の第6軍構想がありましたよね?」

第2軍指揮官が聞いてくる。

「・・・この場で話す事ではないが・・・なんだ?」

「彼を大隊長に抜擢させれば良いのではないですか?

 諜報も出来て指揮も出来るようですし、この混成部隊を率いたなら新設大隊でも力を発揮するのではないでしょうか。」

「大隊かぁ・・・

 で?第4軍の者が大隊長でお前達第2軍はどうするんだ?」

「もちろん第6軍指揮官か指揮官補佐に入れたいですね。」

「それはどの軍も狙っている要職だろう。

 はぁ・・・まぁ良い、あの中隊長は大隊長並みの指揮が出来るのはわかった。

 今回の事での報奨人事は第4軍で対処するだろう。

 第6軍はまだ話にしかない物だ。

 そんなものは帰ってから皆で考えれば良い。」

「はっ!では帰投ですね?」

「あぁこの地でやる事は終わったな。

 あ、蟲の討伐を再開させないとな。

 誰か連絡しておいてくれ。」

「はっ!」

「ブリアーニ殿、帰投だ。

 ブリアーニ王国の王城に一旦寄ってから帰るとしよう。」

「はい、わかりました。

 あ、滞在中にそのリスト写させてください。

 もう一度リストを見て確認したいです。

 何か見落としがあるかもしれないから。」

「ああ、わかった。

 では諸君現場視察を終えよう。

 帰投だ。」

「「はっ!」」

皆が席を立つのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] あの子とあの子っていまタケオのところにいるあの子とあの子だろうなあ
[一言] この中隊長、実はセイジョウ君の同僚とかだったり……流石に無いかな
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