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第1472話 尾行班。(訓練実施中。)

「スミス、今度はあっちの雑貨屋に行ってみましょう。

 ここも文具を扱っているはずですし、エルヴィス伯爵領から買い付けが出来るかもしれません。」

「わかりました。エイミー殿下。

 今度は出来ると良いですね。」

エイミーとスミスは地図を見ながら仮?のデートをしている。


「ドネリー様・・・覗き過ぎです。」

「いえいえジーナ様、主の破廉恥な・・・もとい期待している・・・もとい楽しそうな顔をじっくりと見ておかないと今後が楽しめません。」

「はぁ・・・ドネリー様・・・どれも不適切です。」

スミスのお付きのジーナとエイミーのお付きのドネリーが主達のデートをこっそりと尾行しながら観察していた。

「いえいえいえいえ!これは大事な事です。

 ニール殿下方に詳細な報告をしなくてはいけませんからね!

 ああ、エイミー殿下、あんなに楽しそうに・・・昨日はなかなか寝付けなかったでしょうに。」

「はぁ・・・ただの雑貨屋巡りですよ?

 ・・・ふむ。」

ジーナはドネリーの後ろから声をかけているが、ドネリーはエイミーをイジるネタ探しに大忙しだ。

一方で今回の訓練は指揮官達からの報告を逐一聞く事で訓練実施をジーナが許可していた。

方法としては、パラスが居る事で使える例の儀式宝飾である5つに分解出来るサファイアネックレスを使い、王都守備隊の隊長格達からの報告を聞いている。

ジーナ的に「便利だなぁ」と思っていた。


「第二情報2より各位、試験組1を尾行中、問題ない。」

「第一情報2より各位、試験組2を尾行中、人混みに呑まれて見失った模様、少し慌てている。」

「第二情報1より第一情報2と第二情報2へ、尾行の交代準備を。

 第一情報1と第二情報1は試験組にバレないように次の店にて交代を実施する。」

「第二情報2了解。」

「第一情報2了解。」

「第一情報1了解。」

訓練は順調のようだ。


「でも、ジーナ様、あの2人最初は前に行った『絶対に上手く行く求婚店』に行くと思っていましたが。」

「?・・ドネリー様、その呼び名はなんですか?

 初めて聞きましたが。」

「あぁ、ジーナ様は知りませんでしたか。

 前にエイミー殿下とエルヴィス殿が行かれたあの店は『絶対に上手く行く求婚店』として若者に人気なのです。

 男性陣は『店の雰囲気と料理の味でお相手の感情を良くして一気に畳みかける』と意気込むのですが、大体の女性はこの店に来るという意味がどういう意味なのか、何をされるのかわかるので嫌なら入店前に断るのですがね。

 店内に入ったという事は一緒になっても良いと女性も考えているという事なんですよ。」

「そうなのですか。

 あの店は王城の料理人達に聞いて選んで頂いたのです。

 元王城の料理人という事で元仲間からの推薦で。」

「あぁなるほど。

 おっと、話を戻しましょうか。

 今日はあの店に行く予定ではなかったのですか?」

「私もそう思っていたのですが・・・エイミー殿下がスミス様を連れて雑貨屋を巡っていますね。

 まぁお二人が楽しそうなら問題ないのですが・・・」

「そうですね。

 エイミー殿下が楽しそうなのは良い事ではありますが・・・予約どうしましょう・・・」

「んん~・・・一応時間は何時でも良いとは言って頂いているのですが・・・」

「今日は手出し無用ですから流れに任せるしかないでしょうか・・・後ほど謝礼を少しお渡ししておきます。」

「それしかないですね。

 ・・・いくら用意しましょうか?」

「いえいえ、今回は私が持ちます。

 エイミー殿下の良い気分転換になっておりますし。」

「いえ、それを言ったら今回はスミス様の教育が目的ですので私の方から払わせて頂きます。」

「何を言っております、王家が出すの普通です。」

「それは誘って頂いたらです、今回はエルヴィス家が誘ったのです。

 こちらに面子を頂きませんと主を辱めてしまいます。」

「いやいやいや、こちらが年長ですし。」

「それを言ったらこちらは男の子ですし、こういった時は男を見せないといけません。」

ドネリーとジーナがお互いに払うと言って押し問答を繰り返す。

・・

「折半にしましょう。」

「畏まりました。」

ドネリーとジーナがお互いに妥協していた。

「はぁ・・・経費は決着したとして・・・

 ・・・あの明らかに尾行してる1組が・・・2組います?」

ドネリーが目を細めながら言ってくる。

「事前にお話ししましたが・・・あれは王都守備隊の試験組だと思われます。」

「あれが・・・でも王都守備隊なら貴族の騎士団もしくは第1か第2騎士団出身だと思うのですが・・・」

「そうですね。

 王都守備隊としては新人さんとの話をされましたが、慣れていないようですね。」

「尾行警護なんて普通しませんからね。

 普通なら横か後ろに連れているものです。」

「そうなのですか?」

「・・・教義上ではそう教わります。

 それにしても離れて警護というのも大変そうですね。

 これは尾行の訓練も兼ねているのでしょうか?

 ぎこちないですね。」

「詳しい内容までは聞いていませんが、実践に近い警護訓練の要請でしたし、してきたのが王都守備隊ですので許可はしました。」

「まぁ二人は精霊魔法師ですので私も許可はしましたが。

 ・・・王都守備隊かぁ。」

ドネリーが一瞬、悲しそうな顔をさせる。

「ドネリー様?どうかなさいましたか?」

ジーナはその顔を見逃さずすぐに聞く。

「いえ、眩いなぁと思いまして。

 あ!エイミー殿下とエルヴィス殿が店に入って・・・また雑貨屋???

 もぅ!エイミー殿下もっと雰囲気の良い店に行きましょうよ!」

ドネリーがすぐにいつもの顔に戻ってエイミー達の行動を評価し始めるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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