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第1471話 探し物。(魔法と指輪。)

テイラーの魔法具商店。

「ん~・・・」

エリカがカウンターに座り、紙に書かれた初級魔法リストを見て悩んでいた。

「エリカさん、何個使用するんですか?」

「人差し指、中指、小指だから両手で6個ですかね?」

「確かに薬指はやめた方が良いですね。

 あ、それと右手小指もやめた方が良いですよ。

 奴隷系で使う可能性がありますし。」

「奴隷はいらないけどタケオさんの件もあるし、空けておく方が良さそうですね。

 なら5個かぁ・・・私の固有の魔法は絶対として・・・あと4個・・・」

「エリカさん、欲張りすぎですよ。」

アリスが横に座って一緒に考えている。

「だって・・・タケオさんを見ているとケアもシールドもアクアもファイアも、いろいろあると便利そうじゃないですか。

 それに無詠唱と同時発動・・・欲しいなぁ。」

「ちなみにキタミザト様は魔法名→連続回数→大まかな目標→発動のイメージで発動させています。

 それと同時発動は出来ますが、出来ても2つか3つまでで威力も大したことありませんよ。」

テイラーが説明する。

「タケオさんのあれで?」

「はい、あれでです。

 キタミザト様は奇抜です。

 初期の魔法を重ねている(・・・・・)のが特徴ですね。」

「・・・魔法は与える魔力に乗じて威力が上がりますよね?

 魔法師達は皆魔力量を高め、どれだけ魔法に魔力を乗せられるのかをある意味競っていると考えていたのですが。」

エリカが聞く。

「はい、その通りです。

 キタミザト様は初級しか出来ませんし、魔力量が少ないので威力も高められません。」

「・・・あれで?」

「はい、あれでです。」

「んん~・・・」

エリカが悩んでしまう。

「あはは。エリカさん、そこは悩んでも意味ないですよ。

 タケオ様ですもの。」

「はぁ・・・そう思うしかないんですかね。

 それで・・・私も戦場とはほぼ無縁でしょうから、タケオさんみたいに威力は低くても、魔法が複数同時に使えると便利だと思うのですよね。」

「そこは聞きましたね。」

「はい、指輪を加工するのでしたよね。」

エリカの呟きにアリスとテイラーが頷く。

「んん~・・・身を護るにはケアとシールドだろうなぁ・・・

 武器と衣服強化のプロテスも良いなぁ、身体強化も魅力的だし。

 でも、旅とか外出先でのお茶や湯浴み場の事を考えるとファイアとアクアは除外出来ないかぁ・・・でもぉ・・・」

エリカが再びリストとにらめっこし始める。

「ん~・・・こう考えるとタケオ様の万遍なく出来るというのも凄い事なのですね。」

アリスはエリカが長考を始めたのでテイラーと話し始める。

「媒体がないと発動できないという条件ですので、エリカ様の方が独特ですね。

 普通の魔法師ならどの魔法も発動出来ます。

 適性的に得手不得手がありますので、威力にバラつきが発生しますけどね。」

「王都守備隊の面々はどうなのですか?」

アリスが聞く。

「あの方々は訓練で全系統を高威力で発動できるようにしている化け物達ですね。

 王都でならおいそれと話しかけるのも憚られます。」

「ちなみに王家専属魔法師部隊は?」

「偏屈達の集まりですよ。

 均一化よりも特化させてきます。

 まぁ、ムラはありますが、満遍なく発動は出来ますね。」

テイラーがにこやかに答える。

「となると・・・というよりも、私は特化なんでしょうね。」

「アリス様はそうですね。

 魔眼の影響で魔法具なしでも発動が出来ると考えると便利ですよね。」

「あ~、そうとも言えますね。

 あ、ケアの入り切りが出来るのは助かっています。」

「新品に替えますか?

 もしくは予備を作っておきますか?」

「ん~・・・エリカさんはもう少し時間がかかりそうですね。

 やって貰おうかな?」

「あ、やりますか?」

テイラーが嬉しそうに言う。

「ん~??

 テイラー店長何かあるのですか?」

「教わった魔法刻印を使いますので、前よりも多くの内容が出来るようになりました。

 前に選んだ指輪と同じ物を使っても、前より性能が上げられますよ。」

「へぇ~。でも、私は常時ケアをかける仕様なので、そこまで変化があるとは思えませんよ。」

「それは・・・そうですね。」

「なら、タケオ様に言った方が良いですかね?

 指輪の効果が上がるなら喜ぶと思いますし。」

「ええ、お待ちしております。

 アリス様、ケア以外に何かされますか?」

「ん~・・・戦闘に関しては私は接近戦ですし、ケアもあるので・・・

 何か他に自分自身の強化が出来るのはありますか?」

「そうですね・・・・キュアなんかどうでしょうか?」

「どういった物ですか?」

「状態異常回復ですね。

 内容としては催眠、麻痺、混乱、呪い等のケアで治せない物の回復魔法です。

 ですが、ケアの8倍程度の魔力量を消費するので、常時使っておくという物ではないとは思います。

 なので、相手見て危険だと思った時に使うのが一番かと思われます。」

「なるほど・・・面白いですね。

 ならケアとキュア・・・でしたか、その魔法が出来る指輪をください。

 キュアは2つ追加で。」

「キュアの追加ですか?」

「ええ、ヴィクターとジーナちゃん用に。

 私に出来るのならあの2人にも出来るでしょうし、タケオ様や私の近くにいるので、同様の攻撃をされる可能性がありますから。」

「わかりました。

 ではさっそくですが・・・指輪を選んでください。」

「は~い。

 ・・・前より意匠的に多くなりましたか?」

アリスがエリカの近くに置かれた指輪を見ながら言う。

「ベインズさんとボイドさんの合作を置いています。

 懐中時計や他の製作品の合間にちょっと作っているんです。

 ベインズさんは元々指輪職人だったそうで質が良い物を作ってくれていますし、ボイドさんは意匠職人で飾り意匠が良いんですよ。」

「これは凄いですね。

 太さは前のと同じくらいで良いでしょう。」

アリスが選びだすのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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[気になる点] 「こりゃ凄いですね。  前と同じ太さにしましょうかね。」 アリスが選びだすのだった。 ↑ アリスの口調とは思えないオッサン臭さ
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