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第1446話 エルヴィス伯爵に報告。1(子供達の予定。)

エルヴィス伯爵邸の客間。

湯浴みも夕食も終わり、皆が挨拶を終わらせていた。


「うむ、4人とも頑張るのじゃぞ。」

「「「「はい!伯爵様。」」」」

「うむうむ、タケオ達のお陰で最近、屋敷内が若返ったようじゃの。」

「まぁいろいろありましたからね。

 それにこうやって若い者達が入るのは良い事でしょう。」

「うむ、そうじゃの。」

フレデリックの言葉にエルヴィス爺さんも頷く。

「タケオ様、2日後から執事及びメイドの見習いとして仕事を始める予定です。

 よろしいでしょうか。」

フレデリックが言う。

「はい、よろしくお願いします。」

武雄が礼をする。

「今回はヴィクターやジーナとは違い、1人につき1人の指導員が付くようにしました。」

「はい、前は2人一緒にでしたよね。」

「ええ、あの2人はメイドや執事というよりも文官・・・私のような立ち位置を求められていましたので、純粋なメイドや執事の研修ではありませんでした。

 ですが、今回は1対1で専門性を高くしようと考えています。

 これはこの子達にじっくりと仕事を学んで欲しいという事と中堅の者達の指導実習を兼ねています。

 指揮を執るにしてもいきなり数人を相手にするのは難しい物です。

 まずは1人に付きっきりで仕事を教え、働かせるという指導の経験をさせようと思っています。」

「指導者の育成ですか・・・なかなか大変そうですね。

 ちなみに指導員達と子供達を統括的に見て、相互に助言をする者が必要だと思うのですが?」

「そこはメイド長他年長者4名が実施します。

 指導者達が上手く指導出来ているかの確認と指導方法の相談、子供達からは無理難題を出されていないかの聞き取りと適切な助言です。」

フレデリックが説明する。

「はぁ・・・教育制度がしっかりしていますね。」

武雄が感心する。

「年数が経っている貴族家では代々受け継がれている教育方法という物があります。

 ですが、私が知る限りどこの貴族も似たような教育をしているようです。」

「なるほど。

 まぁ当然と言えば当然なのでしょうね。

 俺の背を見て覚えろというのも効率が悪いですし、担当する人によって差が出来てしまいますよね。」

「はい、特にメイドや執事は均一性が求められます。

 人によって対応にバラつきが出ると家の風格まで下げかねません。

 なので皆で相談しながら、全体的に教育していく方針になっていきます。

 ですが街中を見ると依然として上位者の仕事を見て学ぶという風潮が強いですね。

 そういった教育方法も間違いではないのですが・・・」

「業種に依るでしょうね。

 職人の感覚に頼むような所では均一性よりも突出が良いとされそうですからね。

 自分に合う技術を盗む(・・・・・・・・・・)というのは大事かと思います。」

「なるほど、とりあえず子供達の教育についてはお任せください。」

フレデリックが言う。

「はい、ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。」

武雄が深々と礼をすると子供達もフレデリックに礼をする。

「ふふ、ジーナの時も皆喜びましたが、それにも増して若い子達ですからね。

 うん、皆にも良い経験になるでしょう。」

「本人達には仕事が上達するのは自分の意思だと言っています。

 上手く伸ばしてください。」

「はい、それでは・・・子供達は寝かせましょうか。

 あまり夜更かしをさせるべきでもありませんので、では、各担当は子供達を部屋に案内しなさい。

 メイド長、以降はお願いします。」

「畏まりました。

 それでは、各指導員は子供達と部屋に戻りましょう。

 戻る道すがら大まかに部屋の配置を教えておきなさい、トイレや湯浴み場、厨房等がわかっていた方が便利でしょう。

 そして明日の予定を確認し、寝かしつけてから戻ってくる事。

 以上です。」

メイド長が子供達とそれぞれの指導員に言う。

「畏まりました。

 では、ルフィナ、セレーネ、ルアーナ、ヴィート、参りましょう。

 伯爵様、子爵様、皆さま、お先に失礼いたします。

 4人も皆さまに就寝のご挨拶を。」

「「「「伯爵様、子爵様、皆さま、お先に失礼いたします。」」」」

子供達が頭を下げる。

「うむ、今日はゆっくり休むのじゃぞ。」

「長旅ご苦労様、ゆっくり寝なさい。」

エルヴィス伯爵と武雄が返事をし、アリスやエリカがにこやかに見守っている。

「では、参りましょう。」

先頭のメイドが扉を開け、子供達と指導員達が退出していく。


「大丈夫ですかね?」

アリスが呟く。

「大丈夫じゃよ。

 若い子は久しぶりじゃが、我が家もしっかりしておるからの。」

「今回の指導員達は勤続5、6年目の者達です。

 仕事のやり方もわかっており、周りが見え始めています。

 上手くやるでしょう。」

エルヴィス爺さんとフレデリックが頷く。

「器用な子も器用じゃない子も居ますので、あまり怒らないで頂けるとありがたいのですが。」

武雄が心配そうに言う。

「タケオ様、その辺は問題ありません。

 歴代のメイド達が考えた仕事の実施方法と教育方法というのはその辺も加味されております。

 器用、不器用とは別なのです。

 かく言う私も器用ではありませんが、何とか熟せています。

 あの子達全員をメイドや執事としてどこに出しても恥ずかしくない所まで持っていきます。

 ご安心ください。」

メイド長が言ってくる。

「よろしくお願いします。」

武雄はエルヴィス家の質の高さに感謝するのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] アリスは、子供を4人生む、プロットなのかしら? 武雄の子が、王立学院に入るときの お付きの候補が沢山いますね。 将来(3年後)、キタミザト家が独立した時の、 執事・メイドを今から育てるの…
[一言] >あながち自分に合う技術を盗むというのは大事かと思います。 あながちって言葉が浮いてるように見える どういう意味で使ってるのか知らないけどこの文章にあながちって言葉いる? それに基本的な用…
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