表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1454/3624

第1441話 大人達の雑談。2(関とかのはなし。)

「それでマイヤー殿、ゴドウィン伯爵家の関はどうでしたか?」

「ん~・・・想定通りというか・・・資料と代り映えしないな。」

「そうそう変わっては困りますけどね。」

マイヤーが考えながら言い、ベイノンも苦笑しながら言う。

「・・・所長はどう思いますか?」

アーリスが聞いてくる。

「確かマイヤーさんに前に説明された通りの『ほぼ同数を用意して睨み合い、小規模な戦いがあってから長期間の睨み合いで引き分けとして終了』という通常の慣例の戦争の流れならば問題はありません。

 今回は王家は来ないでしょうから王都守備隊もこないので小規模戦は各領地の騎士団担当です。

 私達の戦闘での出番はありません。」

「確かに、たかだか10名では戦闘に出られませんね。」

ブレアが頷く。

「我々がする事は先行偵察でしたが・・・資料通りなら平坦な草原でしたよね。」

アーリスが考えながら言ってくる。

「マイヤーさんやベイノンさんの視察の結果を私も聞いていますが、通常はそういった時は木の上に登って敵側の監視をすると聞いています。」

「はい、平坦な戦場では魔王国側に潜入するとかは難しい状況ですので、木に登っての監視が有効だと思います。」

オールストンが武雄の言葉に返事をする。

「はぁ・・・そこで所長が木の上に拠点化を発案したんでしたよね。」

ベイノンが呆れながら言う。

「「「拠点化?」」」

マイヤーとベイノン以外が驚く。

「ええ、短期的と言えど交代しながら1、2週間は滞在し戦況の確認をするのでしょうからね。

 最低限、上で監視任務をしながら仮眠や食事が出来るように広場を・・・なんですか?」

武雄が皆を見ながら言う。

「あの~・・・木の上に広場を作るのですか?」

アーキンが言ってくる。

「ええ、木の枝に座っているの大変でしょう?

 雨もあるでしょうしトイレや食事もしないといけないし・・・ある程度生活出来ないと不便ですよ。」

「戦場は不便な物なのですけど・・・本気ですか?」

ブルックが言ってくる。

「至って真面目に本気です。

 というより戦場の利便性と生活環境は改善させていかないといけませんよ。

 食材はウスターソースとマヨネーズ、出汁等々今教えている物を投入をしますから、戦時食はマイヤーさん、少しは良くなるでしょう?」

「「「「本当ですか!?」」」」

皆が武雄の言葉に驚きながらも嬉しそうな顔をさせる。

「ほら、皆落ち着け、所長、食事に関しては格段に良くなります。

 米も出ますか?」

「ん~・・・うちと伯爵くらいは。」

「なら食事はある意味王都で居るよりも良い物が出ますね。」

マイヤーが頷く。

「なら、次は住環境です。

 今回は魔王国側に潜入しないという事になると見晴らしの良い場所を作り、そこからの向こうの動きを確認、予測する業務になります。

 観察用の方法としては・・・これです。」

武雄がリュックから小銃改1を取り出す。

「・・・確かスコープでしたか。」

アンダーセンが言う。

「これは覗いた先の対象の大きさを何倍にも拡大して見せる物です。

 感覚的には3倍とちょっとですね。

 マイヤーさんとアーキンさんには見て頂いていますが、どう感じましたか?」

「私としては何倍かとは考えておりませんでしたが・・・確かにそのぐらいかと。」

「はい、私もそう思います。」

マイヤーとアーキンが答える。

「今、これの生産をステノ技研にお願いしています。

 試験小隊の全員に配れるぐらいね。」

「それは・・・」

「嘘でしょう?・・・」

皆が驚く。

「私達の任務は先行偵察です。

 優位になる可能性がある道具が目の前にあるのです、配備は当然です。

 あ~・・・そうかぁ、今はこの面子以外に知られると面倒ですかね。

 その内王都に売りに行きますから、当分は秘密で行きましょうか。」

武雄がニコニコしながら言う。

「はぁ・・・増々試験小隊の装備品について他の者達に言えなくなっていきますね。」

アンダーセンが言う。

「ふふ、楽しいでしょう?」

「まぁ・・・最新装備ですからね悪くはないです。

 ですが、ポロっと言いそうで怖いですね。」

「別に言っても良いですけどね。

 これが複製出来るのならしても良いですけど・・・そこまで需要なさそうですけどね。

 なので、王都守備隊には率先してうちから売り込みますからね。」

「あぁ・・・一番使いそうな所に売るのですか。」

マイヤーが呆れる。

「当然ですよ、ウィリプ連合国の間者相手に追跡と監視をしているのは確認しているんですよ?

 スコープがあれば監視の範囲が広がりますし、有効につかってくれるでしょうからね。

 良い値で買ってくれないかなぁ?

 あそこをうちのお得意さんにすれば早々うちの装備を真似する工房は少なくてすみますしね。」

「所長・・・王都守備隊の指定工房を目指すのですか?」

ブレアが聞いてくる。

「え?違いますよ?

 あくまでステノ技研は私達試験小隊発案の武具開発、製作工房です。

 王都守備隊相手には商売として売りつけるだけです。

 向こうが要らない物を買わせはしませんよ。」

武雄が悪い顔をさせながら言う。

「うわぁっ悪い顔ですね。」

「ふふふ、試験小隊への武具は採算ギリギリで作らせますからね。

 王都守備隊には適正価格(・・・・)で卸させます。

 利益どのくらい見込もうかなぁ~?」

「所長・・・王都守備隊もそこまで予算がなくてですね・・・ほどほどにして頂けませんか?」

マイヤーが古巣の心配をするのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 兵站とか? この作品では生ゴミ以外の処理・下水の処理はスライムが協力したっけ?お願いしていないだけ? [一言] 各種スライム体液を使って、ビン詰・缶詰を越えた保存容器開発へ進んで欲し…
[気になる点] 保存の利かない加工調味料をふんだんに使った行軍食。 うん、戦場に着くまでに全滅するフラグですね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ