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第1425話 反省会。(偵察訓練から後退訓練になったね。)

試験小隊の面々が焚き火を囲みながら昼食を取っている。

「「「「・・・」」」」

ケイ、パメラ、アニータ、ミルコは疲労から食が進んでいない。

「はぁ・・・4人全員でかかっても抜けませんでしたね。

 終始後退でした。」

ブルックがため息混じり言う。

「楽しかったなぁ。」

「ほんと王都では癖があるやつばかりですからね。

 たまには正面からのみの攻撃も良いですね。」

ブレアとオールストンがのほほんと食事をしている。

「はぁ・・・いくら体が見えているからといって追撃をしないでください。

 今日は監視の模擬体験が出来ればそれでいいのに・・・」

アンダーセンが呆れている。

「ブルックも俺も手出しはしないで指揮だけでしたけど、新人4名を2名で圧倒されてしまうと下手したら新人がイジケますよ?」

「ははは、まだまだ何とかなるな。

 ま、半年たったらわからないが・・・それにしてもケード、あれはいかん。

 明らかに見ているのが相手からわかってしまった。」

「はぃ・・・反省します。」

「気持ちはわからなくもないけどな。

 見るという事はこちらも顔を晒す事だからな。

 まぁ経験を積めば良いから・・・これからこれから。」

ブレアとオールストンがケイに指摘したり宥めたりしている。

「あとコーエンもケードの補佐が出来ていないな、ケードが監視をするならコーエンは周りの確認や退路の確認をしておかないといけない。

 事実、今回は退路が出来ていない状況では後退も苦労しただろう。」

「はい・・・

 ちなみに偵察は2名でするのが基本なのですよね?」

「余裕があれば3名でやるのが最小人数とされているぞ。

 監視役、周囲の警戒役、退路の準備役と3人1組となる。

 2人でだと監視役と警戒、退路役だな。

 まぁ・・・何回も経験して行かないと覚えられないだろう。」

「はい、わかりました。」

パメラが返事をする。

「あとアニータとミルコは援護の目的がしっかりしていなかったか。

 後退の援護ならもっと俺らの行動を止めるような魔法の狙い方をしないといけないし、突破をするなら精度とどちらか1人に絞った集中的な攻撃をするべきだったな。」

「「わかりました。」」

アニータとミルコもブレアとオールストンの指摘に頷く。

「ブルックはどうだった?」

アンダーセンがブルックに聞く。

「そうですね・・・初めてにしては動いていたと思いますよ?

 出来るだけ低い姿勢で近づいていましたし。

 今回見つかったのは敵との距離がわからなかったからというのと木や枝で体を隠す方法を思いつけなかったからですからそこは教えれば良いと思います。

 なので、今の反省点としては不用意に近寄り過ぎた事だけですね。

 ケードとコーエンは戻ってから今日の反省と課題の報告書の作成をする事。」

「「・・・了解しました。」」

ブルックの言葉にケイとパメラが項垂れながら返事をする。


「ふむ・・・ま、反省と課題の報告書は所長まで回すかもしれないからしっかりな。

 アーキンはどうだ?」

「アニータとミルコが発案した、見晴らしを良くする為に木に登るというのは案の1つとして有効でしょう。

 2人の木の上での待機姿勢や監視体勢については問題なく実施出来ていたと思います。

 ですが、木の上からの移動は時間がかかりましたね。

 監視対象が移動するという事を考えると木の上での監視は長短がありますので、移動時の手間取りは減点です。

 もう少し登り降りの速さの向上が課題でしょう。

 あと援護については先ほどの指摘の通りです、それと緊急時の撤退および援護についてはアニータもミルコもどちらが指揮を執るか考えていなかったので何をするか場当たり的でしたね。

 まぁ私達が監視をすると言っていたのでその辺の考えが及ばなかったと言えるかもしれません。

 この辺も今後の教育でしておかないといけません。

 アニータとミルコは戻ってから今回の監視から援護までの流れの報告書と木の上での監視をしての感想と改善点等の報告書を作成する事。」

「「わかりました。」」

アーキンの評価にアニータとミルコが頷く。


「4人とも報告書頼みます。

 全体を見ていた感想ですが、地上と木の上という別個所からの監視は高評価です。

 見つかった事、援護のマズさは今後の課題でしょう。

 先行偵察は新人はほとんどしません。

 これはだいたい入隊し5年目以上の者が2人目、3人目で経験し始めるのですが、試験小隊は偵察が戦争時の役割なので4人には是が非でも習得してもらう事になるでしょう。」

「・・・ちなみに普通の魔法師達は5年目までに何をするのですか?」

「王都の騎士団だと突撃戦の援護と集団戦ね、あと個人の剣技をみっちりとするから意外と5年は早く過ぎるわ。」

「地方だとまずは突撃戦と集団戦をみっちり、その後は領内の巡回もするから結構やる事が多くてこっちも5年は早く過ぎるな。」

ブルックとアーリスが答える。

「キタミザト家はどれをするのですか?」

パメラが聞いてくる。

「突撃はするでしょうが・・・全員騎馬で参加だろうし、先行偵察が主な任務と言われていますからね。

 当分は個人での剣技や魔法の上達をしながら偵察の訓練でしょう。

 それと研究所が出来れば戦術考察と武具の評価もあるので、個々に割ける時間は限られますね。

 効率良く熟す方法を自ら編み出していって貰わないといけません。」

「わかりました。」

「それじゃあ、この後はみっちりと魔法をしましょう。

 アーリス、ブレア、教育の指揮を。」

「「了解。」」

試験小隊の訓練は続くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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