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第1424話 こっちはというと。(最初はそんな物ですよ。)

試験小隊の野営場所。

全員が制服をしっかりと着込み並んでいた。

「気を付け!

 アンダーセン隊長に敬礼!直れ!」

「はい、おはよう。

 今日から本格的に野営をしながらの偵察の学習を行う。

 ケードとコーエンはブルックが指導を、アニータとミルコはアーキンが指導をする事。

 想定と指示書は後でブルックとアーキンに渡すので各自確認する事。

 30分後より朝食の準備を実施する、それまでにテント内の清掃と装備を確認する事。

 1時間後食事、その30分後に訓練の開始をする。

 以上だ。」

「気を付け!

 アンダーセン隊長に敬礼!直れ!」

皆が思い思いに動く。

ブルックとアーキンは4名をすぐにテント内の清掃にかからせる。

アンダーセンの周りにはアーリス、オールストン、ブレアと時雨が集合する。

「敵役はブレアとオールストンです。

 これが予定表になります。」

「「了解。」」

2人が受け取る。

「俺とアーリスは新人の監視と評価になります。」

「あ~・・・辛いんだよな、これ。」

「敵役で良かった。」

「本当、監視の監視は大変だからな。

 まぁアーキンもブルックもやってたし、想定の通りに動いてくれるだろう。

 時雨殿はどうしますか?」

「皆で何やるっスか?」

時雨が聞いてくる。

「ブレアとオールストンが敵の斥候、敵が先行して偵察に来たと想定して、ケードとコーエン、アニータとミルコに見つからないように鐘1つ・・・3時間の間、2人の行動を監視をさせるんです。

 それでその後、報告をさせてどれだけ見ていたかを確認と反省会ですね。

 あらかじめブレアとオールストンには実施する行動内容(・・・・・・・・)は教えておきます。」

「監視の訓練なんっスね。

 私は周囲のスライムと情報確認するっス。

 何かあれば全員に知らせるので戻って来てほしいっスね。」

「わかりました。

 ん~・・・なら私が監視に回ってアーリスは時雨殿の護衛をして貰いますか。」

「良いのか?」

「初回なんでそこまで厳密に見る必要もないでしょうし、ブルックとアーキンがいるなら怪我をしないか見ていればいいですしね。

 あ、ついでに昼食の用意をお願いします。

 所長が来るまでは質素で良いでしょうからね。」

「まぁそのぐらいはしますか。

 薪も用意しておかないとな。

 わかった時雨殿と雑用をしておこう。」

アーリスが頷くのだった。

・・

「静かっスね。」

時雨が皆が訓練している方の森を見ながら呟く。

「騒ぎながら監視はしませんよ。

 どんな状況ですか?」

「・・・ブルック達は木々の間から見ているっス、アーキン達は木の上に居るっスね。」

「想定内ですね。」

「観察するとはどういう事っスかね?

 見ていれば良いんすか?」

「基本的に相手が何を見ていたか、どんな仕草をしていたか・・・でしょうか。

 今回の想定は先行偵察中に敵の偵察と偶発的に遭遇してしまい、身を隠しての兵士の観察を実施したという事になっています。

 風貌から想定される食糧の量や相手の疲れ具合から相手の仲間からの距離の推測。

 どんな武器を持っていたかにより技量の確認、地図の有無や地図があった場合は見て何をしていたか。

 その情報を読み取って後方の上司に報告するという訓練です。

 初回なので多分、あまり見れていないでしょうけどね。」

「大変そうっスね。

 うちのアサギリ達も端から見ているっスけど、要求されている事に答えられないっス。

 ブレアとオールストンが居て、ナイフを所持しているのはわかるっスけど、疲れ具合とか全然わからないっス。」

「時雨殿も初めてですからね。

 いろいろな人を良く観察して慣れないといけません。」

「そうっスね。」

アーリスの言葉に時雨が頷く。

と、森の方で炸裂音が響く。

「うん?魔物はいないっスよ?」

「あ~・・・ファイアか何かをブレアとオールストンが打ち込んでいますかね。

 予定より早い気がします・・・」

アーリスが「ははは」と乾いた笑いをしながら答える。

「良いんスか?」

「ある程度は我慢するのですけど、あからさまに姿が見えていたら打ち込まないと・・・

 発見されれば自身だけでなく仲間の命も危険に晒すという事をわからせないといけません。

 向こうから発見されないように緊張感を持たせる為ですよ。

 それに試験小隊(うち)の面々なら手加減出来ますし、大丈夫でしょう。

 時雨殿、音で魔物が近寄ってこないかの確認だけお願い出来ますか?」

「了解っス。」

時雨が追加のスライムを生み出し森に放つのだった。


------------------------

ブレアとオールストンがファイアを打ち込んでいる先では。

「ケード!あれほど前に出るなと言ったでしょう!」

「すいません!」

「的確にファイアが来ます!」

「そんなの当たり前!

 ほら木から頭や体を必要以上に出さない!防戦もする!撃て撃て!!」

ブルックは2人にファイアで応戦を促し、剣を鞘に当て「キキンッ!」という音を出すと少ししたら後ろから「キンッ!」と同じような音が鳴ってくる。

「よし!アーキン達が援護に来るわよ。

 合流するから少しずつ後退するわ!」

「何したんですか!?」

ケイが聞いてくる。

「非常時は剣と鞘で音を出して部隊内で行動の確認をするの。

 まだ教えてないけどその内教えるわ!

 今は気にしないで後退準備!

 コーエン!先に5m程度後ろの木に移動!そこから援護!

 終わったら私とケードが下がるわよ!」

「「はい!」」

「・・・今よ!」

ブルックの合図でパメラが走り出すのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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