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第1423話 164日目 あ・・・油断している。(寝坊助は起こすのは当たり前。)

「んっ・・・」

マイヤーが目覚める。

「おはようございます。」

武雄がスープが入った鍋を煮ている火に薪を足しながら言ってくる。

「所長、おはようございます。

 今、何時ですか?」

「もうすぐ5時ですね。」

「8時間くらい寝ましたか。

 起こされなかったという事は何事もなかったのですね。」

「ええ、星空が綺麗でしたよ。」

「所長は何をされてたので?」

「ノートに殴り書きです。

 思いつくままにあれやこれやと。」

「超極秘文章ですね。」

「そんな大それたものではないですよ。

 ・・・マイヤーさんが起きてきたという事は皆もそろそろですかね。ソーセージを茹でますかね。」

武雄がリュックを漁りだすのだった。

「あ~・・・ならベイノンと軽く見回りしてきます。

 ベイノン。」

「んっ・・・起きた。

 所長、おはようございます。」

「はい、おはようございます。

 皆が起きたら朝食にしますので。」

「はい、見回りに行ってきます。」

マイヤーとベイノンが散歩に出かけると初雪も行動を共にするようだ。

・・

「キタミザト様・・・おはようございます。」

ルフィナが幌馬車から足を擦りながら出てくる。

「おはよう。

 こっちにいらっしゃい。」

武雄は手招きして呼び寄せる。

「はいっ・・・ん?」

武雄はルフィナと握手をしてケアをかけるとルフィナが体を見回す。

「治りましたか?」

「はい、ありがとうございました。

 あの・・・」

ルフィナが言いづらそうな顔をさせる。

「本人は無自覚ですからね。

 寝相までは治せませんよ。なので、そっとしておいてください。」

「はぁ・・・キタミザト様は毎日なのですよね?」

「・・3日に2日・・・いや4日に3日です。」

「大変なんですね。」

ルフィナが同情の眼差しを向ける。

「ルフィナ、平気ですよ。

 それも含めて結婚していますからね。」

「でも・・・足が当たると痛いです。」

「あれは痛いよねぇ・・・」

武雄が深く頷く。

「あの・・・お屋敷に着くまでは・・・もしかして。」

「ルフィナ・・・よろしくお願いします。」

武雄が深々と頭を下げる。

「えええぇぇぇ・・・」

ルフィナが嫌な顔をする。

「あ、じゃあ、アリスの隣を日替わりにしましょう。」

「う~ん・・・皆と話し合います。」

ルフィナが考えながら言うのだった。

「あ、ルフィナ。

 外に居たんだ。」

「おはよう~。」

「おあよう。」

子供達が幌馬車から出てくる。

「う・・・うん、おはよう。

 アリス様とビエラ殿、クゥ殿は?」

ルフィナが聞く。

「寝てる。」

ルアーナが即答する。

「キタミザト様、皆が起きました。」

「はいはい、皆おはよう。

 セレーネ、ルアーナ、皆の分の桶を持って来てくださいね。

 顔を洗いましょう。」

「ルフィナとヴィートは馬達に餌と水をお願いします。

 と言っても昨日の内に用意はしていますからね。」

「「「「はい。」」」」

子供達が動き出す。

「さて・・・寝坊助を起こすかな?」

武雄が立ち上がり幌馬車に向かうのだった。

・・

「「「「美味しぃ!」」」」

子供達4人が無我夢中でタマゴサンドを食べている。

「のどに詰まらせないようにね。

 それとスープも飲みなさいね。」

武雄が注意する。

「「「「は~い!」」」」

子供達は返事はするが、食べる速さは変わらない。

「むぅ・・・」

アリスが不貞腐れながら朝食を取っている。

「あ~。」

「きゅきゅ?」

「あ~。」

「きゅ♪」

「ビエラ、クゥ、アリス様にそのまま伝えますよ?」

「ミア!やめた!」

「きゅ!」

ビエラとクゥが慌ててミアを止めている。

「ミア、ビエラ、クゥ、こぼしますよ?

 大人しく食べなさい。」

武雄に注意される。

「「はーい。」」

「きゅ~。」

3人が大人しく食事をする。

「で、ん~・・・マイヤーさん、タマゴサンドの味の違いは卵ですかね・・・

 少し味が違う気がしますけども・・・」

「でもそこまでの違いではないのではないでしょうか。

 それよりもやはりレモンの方が違いが出ていませんか?

 エルヴィス領で頂いていたより酸っぱさが少し違う気がします。」

「これはこれで良いと思いますよ。

 むしろこっちの方が地域差があって良いのでは?

 ソーセージにも合いますし。」

男3人はタマゴサンドにソーセージを入れるという荒業をしながら料理の話をしている。

「むぅ・・・」

「アリス、いつまで不貞腐れているのよ。」

「アリスが起きないのがいけません。」

チビコノハとチビパナがアリスの両肩に座りながら言ってくる。

「わかっています・・・ですが、ここ数日はやられっぱなしです。」

「アリスが気を抜きすぎるのよ。

 ビエラとクゥなんてタケオが荷台に上がってきたら目を覚ましてさっさと降りて行ったわ。」

「なぜ、コノハ(私の精霊)はタケオ様の暴挙を諫めないのでしょうか・・・」

「え?だってスキンシップでしょう?」

コノハが答える。

「すきんしっぷ?」

アリスが首を傾げる。

「夫婦の触れ合い、愛情表現。」

パナが追加説明をする。

「・・・あれが?」

「何もないより良いじゃない。」

「ん~・・・それはそうですけど・・・些か過剰気味です。」

「なら明日はアリスがすれば良いんじゃないの?」

「ほぉ、なるほど。

 えへへ、明日は私が起こして見せます。」

アリスがやる気になる。

コノハとパナは「まぁタケオの方が上手だろうね」とアリスを見ているのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 職業ダッチワイフの、いつもついて回るだけの金魚の糞でしかない役立たずの分際で、文句と要求だけは一人前以上。いつもながらイライラする女だわ。
[一言] 子供達にアリスのキックはかわいそうなのでドラゴン親娘に場所を代わってもらうべき。 魔眼使ってる訳でもなし、防御力と本能で被害ゼロで済むでしょ。
[一言] アリスさん、やり返すと言ってますが、起きられないと無理なのでは? アリスさんの寝返りで旦那さまが起きるのですから。
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