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第1419話 武雄の暇つぶし。2(強化プラスチックのような物?)

「約・・・1対4ですかね・・・」

武雄が計算式を書いたメモを見ながら言う。

「鉄の1/4程度ですか。」

「ですが、固そうな感じですね。」

ベイノンが黒スライムの板を手に取り、手の甲で軽くコンコンと叩いて確認する。

「じゃあ、ベイノンさん、切りつけてください。」

武雄が持っていたナイフの剣先を持って柄の部分をベイノンに向けて渡す。

「強くですか?」

ベイノンが黒スライムの板をその場に置きながら武雄のナイフを受け取る。

「とりあえず、軽くで。」

「了解です。

 ・・・せいっ!」

ベイノンが軽く?打ち込む。

カンっという音と共に剣を弾く。

「どれどれ・・・」

マイヤーが黒スライムの板を持ち上げて表面を確認する。

「・・・少しへこんで・・・いますか。」

マイヤーが確認して元の位置に戻す。

「ベイノンさん、新たな所に突いてみてください。」

「はい。

 ・・・せいっ!」

ガキっという音と共に尖端が突き刺さる。

「・・・回りにヒビがありますね。」

再びマイヤーが手に取り確認する。

「・・・ふむ・・・

 では、こちらを。」

武雄が新たな黒スライムの板を渡してくる。

「・・・いつの間に・・・」

「今です。」

武雄は即答する。

そんな武雄の前にある製造容器には初雪が黒スライムの体液を注いでいたりする。

「・・・軽く量産化していますね。」

「ま、このぐらいなら簡単ですよ。」

武雄が軽く返事をする。

「なら・・・何回かしましょう。」

ベイノンがナイフを振るうのだった。

・・

「タケオ様、良い湯浴みでした。」

「「「キタミザト様、戻りました。」」」

「あ~♪」

「きゅ♪」

「主~、冷たい飲み物ありますか?」

「あ、私も飲みたいわ。」

「私は常温で。」

アリス達が湯浴み場から帰ってくる。

「はい、おかえりなさい。

 冷たいのですか・・・アクアにブリザドで氷を入れましょうかね。

 少ししたら飲みなさい。」

「「はーい。」」

ミアとコノハが返事をする。

「皆の水を用意してアリス達の髪を乾かしますかね。」

「お願いします。」

アリスが武雄の横に座るのだった。

・・

「おぉぉおー。」

「髪が風で乾いていくね。」

「気持ち良さそうー。」

「キタミザト様、どうやるの?」

「私にも出来る?」

「教えて♪教えて♪」

武雄は子供達の髪を乾かしている。

「順番にやりますからね。

 少し待っていましょうね。

 それとその辺はエルヴィス家で仕事をしながら少しずつやっていきましょうね。」

「「「はーい。」」」

子供達はワクワクしながら髪を乾かされるのを待っているのだった。


「へぇ~・・・強化プラスティックのようなものかぁ。

 上手く出来てるじゃない。」

「ええ、十分な性能のようですね。

 フェノール樹脂のような物でしょうか。」

「確かに。

 タケオの説明を聞いた感じでは似ているわね・・・耐熱が結構高めっぽいか。

 この感じなら耐衝撃性も上がっているかもしれないわね。

 ・・・それにしても黒スライムの体液の性能はそれとなく知っていたけど、実物を見ると感じが変わるわね。」

「そうですね。

 このような板状なら難なく出来るでしょうが。」

「液体からの成型って大変だったわよね・・・船を作るとしたら問題は湾曲部分の成型かぁ・・・」

「そこはタケオに聞くしかないですかね。」

「そうね・・・案外面白い事を思いついているかもしれないわね。」

コノハとパナがひび割れた黒スライムの板を見ながら感想を言っている。

「コノハ、それは画期的なのですか?」

アリスが聞いてくる。

「画期的よ。

 まぁスライムの体液を使うなんてタケオが初めてなんだから画期的なのは間違いなし。

 さらに、これは使い勝手が良いのよ。」

「そうなのですか?」

「ええ、実際は耐熱、耐衝撃、耐候性等々試験をして性能を確認しないと何の製品に使えるかはわからないけど・・・少なくとも生活の向上に一役買う可能性はあるわね。」

「へぇ、凄い物なのですね。

 固そうですね。」

アリスもベイノンがしたように持ち上げてコンコンと叩く。

「そうね・・・ん~・・・アリスへの言い方間違えたかしら?」

コノハが首を傾げている。

「ん?」

アリスがコノハを見る。

「そうですね。

 アリスがいまいちこれの効果が想像出来ていないですが・・・それはタケオに説明させましょう。」

パナが説明を放棄する。

「良いの?」

アリスが聞いてくる。

「アリス、構いませんよ。

 それにそれはまだ始めたばかりです。

 ちゃんとした成果が出てくるまでは知らなくて良いでしょう。

 その為に私が研究員になるのですよ。」

「あ、そうでしたね。

 よろしくお願いします。」

アリスがパナに頭を下げる。

「いえいえ、私が望んだ事ですし、趣味と実益を兼ねていますからね。」

「はい、お願いします。

 それにしても結構固いですね。」

アリスが興味深そうにコンコンと黒スライムの板を叩いている。

「アリス・・・これの恩恵がどれほどになるかわかっているかな?

 まぁアリスが今知ったらチビっちゃうかもしれないか・・・」

コノハがボソッと小声で言う。

「良い年の女性がお漏らししちゃうと子供達への威厳が瓦解しますからね。」

「そうね。」

精霊2名がアリスを見ながらコソコソ話をするのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 強度的に構造材は無理としても、軽いので船や馬車の筐体には十分ですね。 軍事用でも、研究課題の盾や軽鎧(プロテクター)にも使えそうですね。 他には生活面で保存容器など幾らでも使い道はありそうで…
[気になる点] スライムは石油由来の科学製品の代替材料といった感じになるのだろうが、なまじ便利なだけに乱獲が心配になる。 食料(残飯)とのバーターだと考えるとそこまでの量をどうやって確保するのかが今後…
[気になる点] スライム素材が優秀だと判ったらスライムさん乱獲されそうですね。 鯨のように・・・
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