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第1402話 アリス対子供。(クゥが意外とやる気。)

干物屋を物色しているマイヤーとベイノン。

「ん?」

「ベイノン、どうした?」

「いや・・・これって・・・」

ベイノンがとある干物を持ち上げる。

「随分と濃い色の干し肉だな。」

「ええ、これって王都で高値で取引されている物だったかと。」

「そうなのか?」

「ゴドウィン伯爵領が産地だったんですね・・・

 買っていきましょう。

 1つ、2つ・・・」

ベイノンが形の良いのを数えている。

「まぁ良いんだがな。

 本来の買い物が済んでないんだが・・・」

マイヤーが難しい顔をさせながら言う。

「ははは・・・後で良いでしょう。

 毛布や食器等々旅の備品ですよ。」

「まぁ持ち歩く訳にも行かないか。

 俺も家族に何か買っていくか・・・だが、干物はあまり喜ばれないか・・・」

「じゃあ、次は雑貨屋ですね。

 そこで土産と買えば良いのではないですか?」

「あぁ、そうだな。」

マイヤーとベイノンがのほほんと旅を満喫している。


------------------------

ゴドウィン伯爵邸の庭。

パンニューキスがヴァイオリンで演奏している中、お茶会をしている・・・ええ、お茶会です。

「ほぉ、やるな。」

「頑張るわね~。」

「・・・」

ゴドウィン伯爵とジェシー、武雄の前では。

最初は子供達対アリスで模擬戦をやっているのだが、流石に1対6では怪我をさせないように動いているアリスでは子供達の動きを止められず、群がられ終了。

なのでパートナーにビエラを加えた2対6でやっているのだが・・・

アリスが近づけさせないように木剣を振るい、隙が生じた個々をビエラが捕まえるを繰り返していた。

ビエラは結構な勢いでタックルを決め、ギュッと少し力をいれて腰を締め上げ相手を降参させ、すぐにアリスの元に戻って次の獲物にタックルをしていた。

「・・・ビエラ・・・手加減出来たんですね。」

ミアが涙を流して喜んでいる。

「きゅ♪」

「・・・これってなんのゲームかしら?」

「隙を見せたらドラゴンがタックルしてくるゲーム・・・怖いですね。」

クゥとチビコノハ、チビパナもお茶を飲みながら観戦している。

事実、子供達はアリスの牽制を気にしながらビエラのタックルも警戒し、アリスに有効打を入れるという鬼ごっことも取れる遊びを凄く真面目に凄く真剣にしている。

「うおお!」

1人が剣を構えて斬りかかるが。

「・・・ふっ!」

アリスが軽く避けて反対に軽く腕に当ててくる。

「ぐっ・・・痛っ!」

「うりぁ」

「あ~!」

その隙を突こうとしたもののビエラがタックルを決めて絞め上げる。

「なぁぁぁ!ぐへっ!降参!降参!こぎゅざぁぶ!」

「ビエラちゃん、やり過ぎないようにね。」

アリスが周りを警戒しながら言う。

「あ~♪」

ビエラも一通り絞めたらアリスの元に素早く戻る。

「・・・こっちにも応援を呼ぼう!」

「そうだね!」

「キタミザト様ー!」

子供達が武雄に手を振っている。

「要望は受けましたが、人選はこっちでしますからね。」

「「「ええー!?」」」

武雄の言葉に子供達が驚く。

「ははは、願った人材が入ってくるなんて事は・・・ほぼありません!むしろないと言っても差し支えありません!

 なので、こっちで余剰人員を抽出して送り込みますからよろしく。」

武雄がにこやかに言う。

「ええー・・・・」

「どうしよう・・・」

「アリス様!ちょっと休憩!

 やり方を考えます!」

そう言って子供達が車座に座りワイワイ話し始める。

その場にパナが人数分のお茶とお菓子を持っていく。


「はぁ・・・わかりました。

 ビエラちゃん、休憩しましょう。」

「あ~♪」

アリスとビエラもその場に座り休憩を取る。

「アリスとビエラにお茶を持ってきたわよ。」

コノハがお茶とお菓子を持って2人の元にやってくるのだった。


「で・・・誰をという所ですが。」

「タケオはダメなのか?」

ゴドウィン伯爵が聞いてくる。

「私が対戦者に居たら間違いなく先ほどの続きでしょう。

 子供達が居るのに出来ませんよ。

 何より私がしたくありません、ああいうのは多くても1週間に1回ですよ。

 何で1日で2回もしないといけないのか・・・不可です。」

「ま、さっきの戦いで今日のタケオさんの仕事は終わったような物ね。

 私も体の事があるから不参加ね。

 となると・・・」

ジェシーと武雄がゴドウィン伯爵を見る。

「俺?・・・いやいやいやいや!」

ゴドウィン伯爵が凄い勢いで手を振っている。

「他に居ませんね。」

「居ないわね。

 アナタ、たまには運動したら?」

「ちゃんと日課の素振りはさせて頂いてます!」

ゴドウィン伯爵が必死に答える。

「なら・・・クゥはどうですか?」

「きゅ?」

クゥは話に加わらずお菓子を頬張っていたが武雄の問いかけに顔を向ける。

「主、確かにクゥはこれでもドラゴンですけど出来ますか?」

一緒にお菓子を食べているミアが武雄に質問してくる。

「実際、この状態でクゥが戦ったのを見た事ないんですよね。

 クゥ、どうです?

 無理ならさせませんよ。」

「きゅ~?・・・きゅ。」

クゥがアリスとビエラ、子供達を見て武雄に向かって頷く。

「え!?クゥ!本当に出来るのですか?

 あれが相手ですよ!?怪我しちゃいますよ!」

ミアがアリスを指しながら言う。

「きゅ~?」

クゥが考えながら言う。

「え??・・・確かにビエラの動きを抑制出来ればまた違った感じになるとは思いますけど・・・」

「きゅ。」

クゥが胸を張りながら頷く。

「ミア、クゥはなんて?」

「いえ・・・クゥ的にはビエラのタックルが非常に決まっているので、そこに横から嫌がらせをすれば子供達がアリスと戦えるようになるんじゃないかと言っています。」

「ふむ・・・クゥ、怪我をしない程度に動いてビエラの動きを鈍らせられるのですね?」

「・・・きゅ。」

クゥが頷く。

「良いでしょう。

 クゥも怪我をしないように。

 じゃあ、行っておいで。」

「きゅ~!」

クゥが満を持して子供達の所に行くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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