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第1390話 武雄とアリスは散歩へ。(魔王国では尾行と同行を実施。)

武雄とアリスは2人で街の散歩に出ていた。

「えーっと・・・子供達が欲しい物は買いましたね。」

「そうですね。

 簡単な児童書に積み木にノートと筆記具・・・これで良いんですかね?」

アリスがメモを見ながら言う。

「欲しいというなら買ってあげないとね。

 で・・・次はドレッシングの材料を買いに青果屋さんですね。」

「そうですね。

 と、マイヤー殿とベイノン殿はどうでしたか?

 朝食にも来られていませんでしたが、タケオ様見に行ったのですよね?」

「ええ、ぐっすりと寝ていましたよ。

 酒瓶がゴロゴロしていましたが・・・まぁ昼には起きてくるでしょう。」

「へぇ~・・・あの2人が深酒をするのを初めて見ましたよ。

 試験小隊の方々はお酒をあまり飲まないという印象でしたが、違いましたね。」

アリスが考えながら言う。

「ここ最近は私のお供や引っ越しでのんびりとお酒を飲む暇もなかったでしょうからね。

 こんな日があっても良いでしょう。

 ・・・後で初雪に言って会話を聞いておきますかね。」

「え゛・・・タケオ様、室内に(スライムを)入れていたのですか?」

「私は指示はしていませんでしたが、様子を見に行った時に部屋の隅に居ましたからね。

 査定の要素にはしませんが、あとでどんな事を話していたのか聞いておくのも今後の為ですよ。」

「はぁ・・・もう初雪ちゃん達は優秀すぎますね。」

アリスが呆れる。

「使い勝手が良すぎますよね・・・はぁ公表する時期と各所への根回しをしっかりとしておかないと大変な事になりそうです。」

「そうですね・・・下手に広めると要らぬ詮索をされそうです。」

武雄とアリスは色々話しながら青果屋を目指すのだった。


------------------------

魔王国 パーニ伯爵領内の街道。

「・・・あ~・・・おい!何も出ないじゃないか!」

「知らないよ~、魔物に言って。」

「楽な護衛任務だな。

 良かったじゃないか、傷物になる前にエルフに会えるぞ。」

「戦闘があっても傷者にはならん!」

「はいはい。」

「なんにせよ、イグノト殿は運が良さそうですね。」

「魔物が出ないからと値切ったりはしないよな?」

「ははは、しませんよ。

 4人で居るから会わないのかもしれませんし、1人では魔物にあったかもしれません。

 何にせよ。護衛の依頼料はちゃんと支払います。

 ですが、しっかりと護衛をお願いします。」

イグノトが3人に言う。

「おう!」

「わかっています。」

「ええ、私達にお任せを。」

3人が頷くのだった。


------------------------

魔王国王城の大会議室。

ヴァレーリや第1、第2、第4軍の幹部達が机を囲み椅子に座りながら議論をしている。

「失礼します!

 陛下、パーニ伯爵領の関に居る中隊長より簡易報告が来ました。」

兵士が慌てて入ってくる。

「うむ、報告を。」

ヴァレーリが頷くと幹部連中も黙り、聞く体勢を取る。

「はっ!読みます!

 関において情報提供者からの情報にあったマークが背中にある者を発見、聞き取りの結果、彼の者は『ガイオ・リーゾ』と名乗り、デムーロ国の運送業の越境許可書を提示した。

 荷馬車や荷を持っていない等の不審な点はあるも正式書類だったので通した。

 また冒険者を装う班の第2班が彼の者に接触、同行し、2つの班が尾行開始した。

 以上です」

「「「おぉぉ!」」」

幹部連中が唸る。

「・・・ふむ、他にはあるか?」

「ありません!」

「よし、わかった。

 伝令は休ませておけ、下がれ。」

「はっ!失礼しました!」

兵士が退出していく。


「さて、諸君、まずは上々だな。」

ヴァレーリが悪い顔をさせながら言う。

「はっ!・・・あとはどの経路を行ったのか・・・」

「特殊作戦中隊の中隊長は優秀です。

 なので・・・残っている者達を使い、通る経路の先々にいる大物の清掃は実施している可能性があります。

 また、していないなら彼の者の安全を期するために実施する必要があると思われます。」

「他にも経路の先の村や町に潜伏し現状の確認をする者を配置しましょう。」

「ふむ・・・第2軍指揮官どう思う?」

ヴァレーリが考えながら指揮官に聞く。

「はっ!現状の人員でも追跡等は実施出来るでしょう。

 ですが、緊急出動と寝ずの尾行は怪我の元です。

 交代要員を派遣し、先行した者達を1日休養させられればと思います。」

「ふむ・・・第4軍指揮官はどう考える?」

「はっ!第2軍指揮官殿の言う通りかと。

 ですが、もう作戦は始まっている為、現地中隊長から意見を貰う前に我らが色々と手配するのは混乱の元です。

 面倒ですが、拠点を作りそこに交代要員を配置すると共に中隊長に交代要員を用意した旨の連絡をし、自由に使わせるのが一番かと思われます。」

「なるほど、もっともだな。

 ・・・どの経路を行ったかではなく、まずは拠点は作るべきだな。

 確か先の会議で主要街道を南下した所にある町に検問する兵士の拠点を設置するという案があったな。

 あれを採用しよう。」

「はっ!では交代要員の選定をしてきます!」

「自分も輸送用のワイバーンの確認をしてきます!」

第2軍と4軍の担当者が会議室を出て行く。

「交代要員と輸送は大丈夫そうだな。

 あとは中隊長を探してこの町に連れてこないといけないな・・・で、中隊長は今どこにいる?」

「「ん~・・・」」

皆が地図を見ながら首を傾げる。

「まずは関に行かせて行方を探るしかないかと思われます。」

「となると拠点はこの町に決定だな。

 交代要員の輸送の準備をしろ、それとワイバーン部隊を使い関に行き、中隊長の足取りを追え。

 また彼の者の足取りを更に追わせろ、向こうの伏兵が居るかもしれない。

 入っていった経路以外のワイバーン部隊はこの町に集合、中隊長が来るまで休憩だ。」

「「はっ!」」

皆が動き出すのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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