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第1386話 ちょっと他の様子を見てみよう。5(報告会。)

ジーナが寄宿舎の玄関を入るとエイミーとスミスが1階で待ち受けており、帰宅の受付を済ませるとすぐにスミスの部屋に連れていかれ説明をさせられていた。

ジーナ的には「エイミー殿下に見せるわけにも行かないしね、ネズミ捕りを先に部屋に置いておいて良かった」と思うに留まるのだが。


「・・・王都守備隊と第1騎士団が情報収集を行う事を目的とした店・・・ねぇ。

 初耳だわ。」

ジーナの報告を聞いてエイミーが首を傾げている。

ちなみにエイミーもスミスも湯浴みを終えているようで寝間着まで行かないがラフな部屋着を着ていた。

「そんな場所では媚薬は扱っていなさそうですね。」

スミスが考えながら言う。

「はい、なので深くは聞いてきませんでした。

 一応、ロロの部下とスライム数体は現地に置いてきていますので、追加の情報は手に入ります。」

「はぁ・・・寄宿舎に居るロロという白蛇も驚きだけど、キタミザト家がスライムの上位種を飼いならしているとはね。

 ジーナが出かけている間にスミスから改めて説明を聞いていますが・・・情報収集能力が優秀すぎるわ。」

エイミーが磯風を見ながら言う。

「エイミー殿下、一応、まだご主人様から公表は差し控えるように言われていますので。」

ジーナが申し訳なさそうに言ってくる。

「わかっているわよ。

 お爺さまにも父上にも王都の文官や武官達にもこれは言えないわよ。

 このスライムは当分は秘匿するべきね。

 ・・・その間にエルダームーンスライムとの友好関係をしっかりと作って貰うしかないわ。

 ただ・・・一層タケオさんの重要度と脅威度が増すなぁ・・・」

エイミーが首を捻りながら言う。

「エイミー殿下、やっぱりそう思いますよね?」

スミスが聞いてくる。

「タケオさんの人柄をそれとなく知っているからあまり脅威とは思わないけど、貴族達は何と言うか・・・

 ゴドウィン伯爵家やウィリアム叔父上はアリス様の姉妹が嫁いでいる以上、エルヴィス伯爵家と一緒にキタミザト家を擁護する立場でしょうけどね。

 それ以外の大半の貴族は潰しにかかってもおかしくないわ。」

「・・・んー・・・それはマズいですよね。」

「かなりね・・・はぁ・・・まぁ今回は私がスミスの部屋に入っていったのが原因だし、タケオさんにはかなり借りがありますからね。

 この件の話は誰にもしないと誓います。

 で・・・なんだけど、ジーナ、スライムはどの範囲まで入り込んでいるの?」

エイミーが真剣な顔つきで聞いてくる。

「・・・ロロとの共同で情報収集をする事が前提ですが、この王立学院全体は終了しています。

 それと各貴族会議の面々のお屋敷の監視網を今作っている最中です。

 あ、それと今日行ったお店も範囲に入れます。」

「王城は?」

「考え中です。

 ご主人様の経緯を知っているのである階層までは入れるべきかと思いますが・・・

 私としてはこの地にいる間の事ですので・・・あまり広範囲にしてもとも思っています。」

「ふむ・・・」

エイミーが考え始める。

「ジーナ、それで媚薬は何も手掛かりがなかったという事だよね?」

「はい、スミス様。

 その通りかと、当分はロロとスライムで当該の者の監視をして行った店のリスト化をしておく事が重要と思います。

 それと教室内での噂話をある程度拾っておく必要があるとも思います。

 それから貰った物に口をつけないようしないといけません。」

「そこは『あとで頂きますね』とか言って持って帰ってくるようにするね。」

「・・・異性から貰った物で『今すぐ食べてください』とか言ってきた場合は・・・スミス様、どうされますか?」

「え?・・・ん~・・・『後で食べますから』とかは?」

「ダメでしょう。

 女性への配慮がありません。」

スミスの言葉にジーナがピシャリと答える。

「え~・・・ん~・・・エイミー殿下。」

「・・・ん?・・・何?スミス。」

エイミーが考え事を止めてスミスを見る。

「エイミー殿下はどうやって断られたら傷つきませんか?」

「???・・・どういう事?ごめん、私聞いてなかったわ。」

エイミーが聞き返してくる。

「女性から食べ物を貰ったとしてその場で食べて欲しいと言われた際に適切な断り方というのはありますか?」

「え゛・・・『今すぐ食べたら勿体ないから部屋に戻ってゆっくりと食べるよ』とか言えば良いんじゃない?」

「・・・」

ジーナは何も言わずに目を伏せている。

「ちなみにスミス、私が渡して『今すぐ食べて』と言ったら断るの?」

「はい。」

スパンッ!

ジーナが無言でスミスの頭を叩く。

「・・・もちろん喜んですぐ食べます。」

スミスがすぐに持ち直して答える。

「ジーナ、ごめんなさいね。

 気を使わせて。」

「いえ、エイミー殿下、こちらこそ申し訳ありません。

 というよりもどうもスミス様はその辺が出来ません。

 エイミー殿下には悪いとは思うのですが、教師になって頂いてその辺が出来るように仕込んで頂くことはできないでしょうか。

 費用はこちらで持ちますので。」

「ふ・・・2人で!?」

「え~・・・」

エイミーは嬉しそうな顔をさせ、スミスは面倒そうな顔をさせている。

「はい、試しに前に行ったお店にまた行きますか?

 私は護衛として少し離れておきますから・・・あ~・・・2人とも精霊が居ますし、護衛も意味ないですね。

 私は休養を頂いて息抜きをさせて貰いましょうか。」

ジーナは2人の反応を無視して話を進めるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] …ん?実力は置いといてなんでジーナ程度の身分の存在がスミスの頭ブッ叩いてんだ? 違和感しかないというか、エイミーに本気のお叱り受けるレベルの行動だと思うけど
[気になる点] そのうちジーナさんがジェシーさんにデコピンの仕方を教わりに行かないかが、もう心配で心配で・・・・・
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