表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1398/3628

第1385話 ちょっと他の様子を見てみよう。4(反省会。)

フォレットが戻ってくる。

「隊長。

 ジーナ殿が帰っていきました。」

「そうか・・・なんで追跡してるんだ・・・」

ラックが厨房の椅子に座りながら、机に肘を付け組んだ手に額を付けてガックリとしながら答える。

「確か王族や貴族達は寄宿舎、コートニーちゃん達が居るのはその他が居る宿舎でしたよね?」

「・・・そもそも別棟の生徒2名が出掛けるのがわかる物なのだろうか・・・

 外を見ていてたまたま2人を見かけた?・・・それだとエイミー殿下達に確認してから来る事は不可能だろう、ならコートニー達が報告した・・・だとしたらフォレットが居る事もわかっていても不思議ではないし、そもそも俺達に挨拶をする必要もない。

 ・・・敷地外に2人が出て行くのがわかって上位に許可を取る間はジーナ殿の部下が2人を監視していた?」

ラックが頬杖を突きながら言う。

「・・・それってジーナ殿は寄宿舎と宿舎がある敷地から生徒が出入りするのを監視する方法を持っているということでしょうか。」

フォレットが若干引き気味に答える。

「そして2人を尾行して誰にもバレずに寄宿舎に戻り、この店をジーナ殿に教える・・・か。

 この店の近くで監視の引継ぎをするまで出来ていたら最高級の監視体制だな・・・ジーナ殿来て数日だぞ?」

「確か宿舎と寄宿舎では授業以外での交流はないのですよね?」

「2人の話だとそうなるし、2人が居る王都守備隊と第1騎士団の子息グループの中に居て2人の行動をジーナ殿に密告するとは思えないな。

 する価値もそもそもないしな。」

「ジーナ殿にちゃんと説明してから一緒に来た方が有益ですよね。」

「そうだな。

 そして2人が所属しているグループがジーナ殿の監視と万が一の補助が目的だと知らない点からも密告の線はないんだが・・・ん~・・・どうやって敷地内の情報をか・・・出入口を何かしらの方法で監視をしていると考えるのが普通だと思うのだがな・・・

 コートニーとルーク君はまた数日後に来るだろうが・・・あの2人には秘密にして他の子に調査をさせるべきだろうか・・・」

「下手に突っつくと大変な事にならないですかね?」

「・・・出入り情報の収集の仕方はもう少し時間が経ってからするしかないな。

 まだ子供達の連携も上手くいっていないし、他の子を使うなら第1騎士団にも了解を取らないといけないし。」

「そうですね~・・・で、ジーナ殿がエルヴィス殿とエイミー殿下に報告すると言っていましたよね。」

「寄宿舎の方・・・というよりも3人で何か調べているのかも知れない。

 コートニー達からは不穏な話は何もなかったよな。」

「なかったですね。

 となると宿舎では気にならなくて寄宿舎では気になる物があるという事ですよね?」

「それも寄宿舎ではなく宿舎での何かという事か・・・でなければ2人の生徒の行動は見過ごすだろうしな。

 ん?・・・え?・・・はぁ・・・」

ラックはそう言ってから何かに気が付きまた肘をつきガックリっとする。

「・・・それって・・・ジーナ殿がエイミー殿下とエルヴィス殿の依頼を受けて宿舎内の動向や言動の監視をしているって事では?

 敷地ではなく建物の監視ですか?」

「す・・・数日で・・・だぞ?」

「流石にそれはあり得ませんよ。

 教室内での会話で何か探るのが精一杯ではないですか?

 そして何かしらの方法で敷地の出入りを監視しているというのが真っ当ですよ。」

「ん~・・・キタミザト殿の秘蔵っ子・・・絶対普通じゃないと思う。

 なので今はフォレットの案は採用するが、後日検証だな。」

ラックがしみじみと言う。

「確かに雇い主とその奥様が規格外ですしね。

 雇い主が規格外なら雇われる方も規格外という事ですね。」

「・・・確かに、家も研究所も携わっている面々はおかしい人選ばかりだがな。

 とりあえず、次来たらコートニー達には噂を事細かく集めさせるか。」

「出来ますかね。」

「はぁ・・・訓練も兼ねるしかないだろう。

 ・・・噂を集められる才覚があるなら卒業後はうちが引き取るかな。」

「王立学院から引き抜くの大変そうですよね。

 はぁ・・・とりあえず、店しめますか。」

「そうだな。」

ラックとフォレットがちょっと疲れ気味に厨房を後にする。


2人が居なくなった室内でスライムとネズミが隠れ場所を作る為にコソコソと行動するのだった。


------------------------

寄宿舎のジーナの部屋にて。

「ロロ・・・部下の躾けはしっかりとしなさい!

 潜入が目的なのに目の前の欲望に負けて餌に飛びつくんじゃない!

 貴方達ならネズミ捕りぐらい認識出来るでしょう!

 今回は回収出来ましたが毎回出来るとは限らないのですよ!」

「シャー」

目の前にネズミ捕りが置かれロロがしんみりとしている。

「まぁ・・・反省会は後でします。

 とりあえず、私はスミス様とエイミー殿下に報告してきます。

 私が戻るまでに部下達を労うのと現状での潜入方法を確認しなさい。」

そう言うと窓から退出していくのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ