表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1391/3624

第1378話 さて子供達の話をしよう。3(3つ目の理由。)

「・・・まぁね・・・この提案を通そうと思った時にいろいろ考えたのよ。

 客観的に見て嫌な仕事よね、領地持ちって。」

「それがあってこその施政者だと思いますけど。」

「そう言ってくれるのはタケオさんや気心がしれた相手のみよ。」

「商売人は商売人の兵士には兵士の根本的な考えがあるものです、それが領主達の意向に一致するのは稀です。

 なので、そのいろんな方向を見ている人達を1つの方向に向かせるのが施政者の仕事なのでしょう・・・

 そういった仕事をするとした上で主観的にも客観的にも想定される考え方を全て上げ、皆をとりあえず納得させられ、同じ方向を見させるような方向性を打ち出すように仕向けるのです。

 とっても大変ですけどね。」

「はぁ・・・まぁね、与えられた役割は熟してこその領主よ。

 さて、今回の子供達を数名をこちらで預り執事やメイドのお仕事をさせるのにいくつか意味を持たせられたわ。

 1つは今回のタケオさんの行動に対しての我が家からの王都への説明用と王都で受け入れられるように法令の変更案を提案する側面と2つ目に我が子への優秀な人材登用は説明した通りなんだけどね。

 3つ目の意味としては今後の王都の変動がどうなるかわからないからというのがあるのよ。」

「王都の変動ですか?」

「うん、前回王都に行った際に陛下とは少しお茶と雑談をしていたのだけどね。」

「ジェシーさんも十分、コネがありますよ。」

武雄が呆れる。

「あら?タケオさんより少ないわよ。

 それに私にはレイラもいるから他と比べればあるのかなぁ?

 まぁ各皇子一家毎に繋がりがあるからね。

 今回はレイラが王都に居たから陛下と話しただけよ。

 それで王家では私達ゴドウィン伯爵家に対し何か思ってはいないのは確認したわ。

 たぶんこれは魔王国側3貴族が思われている節があるかな。」

「・・・確かエルヴィスさん的に『納税だけしておけば不干渉で接してくる』でしたか?」

「それは王都の文官も含めてなんだけど・・・完璧に実行されているのはエルヴィス家のみかな。

 フレデリックは確か・・・現宰相と王立学院で同期だったはず、フレデリックの性格からしてその辺の伝手を潰す事はしないわ。

 文官トップ同士で情報をやり取りしているから王都側はあまり気にしていないと考えているわ。

 もしかしたら宰相経由で良い人材をエルヴィス領に送り出してくれている可能性すら私は思っているわ。

 それに対してゴドウィン家には王都から街や文官にそれとなく入ってきているんだけど・・・局の紹介ではあるけど誰の紹介かわからないからね。

 その者の後ろ盾がわからないのよ、なので心を許せないというのはあるわ。

 でも政策等に対しては不干渉ね。

 ね?フレッド。」

「そうだな・・・だが、知らない内に我が領内の事を王都に報告されているのはどうかと思うがな。」

ジェシーの問いかけにゴドウィン伯爵が面倒そうに答える。

「痛くない腹を探られるのは良い気持ちはしませんね。」

「そこでタケオ達が子供達と話していた内容になるわけだな。

 が、今はその件は説明をする事で何とかしようというのは話した通りだ。

 タケオ、すまんが頼む。」

「お互い頑張りましょう。」

ゴドウィン伯爵が軽く頭を下げ武雄が笑いながら答えている。 


「さて、話が脇にそれちゃったわね。

 今回の3つ目のとしては王都に先んじて、異種族の重要部署への雇用を成し遂げる事に意味があるわ。

 キタミザト家の次であり、領地持ちとしては初めてになるわ。」

「・・・」

「ふむ・・・」

「ん~・・・」

ジェシーの言葉にゴドウィン伯爵は何も言わず、武雄とアリスが考えている。

他の大人達は真剣に聞いているのだが、子供達は真剣に聞いていたがそろそろ集中力も途切れてきてうつらうつらしている者もいる。

「ゴドウィン伯爵家を育成実験の場に?」

「正確には違うけどそう思わせたいわ。

 そして育成の経過記録を提出する事で先の1つ目と2つ目を認めさせたいのよ。

 ただ、これはうちだけでも良いと思うのよ、領地持ち貴族での育成方法として報告しようと思っているしね。

 なのでタケオさんには言わなかったの。

 それにもう既にタケオさんの所にも要請が行っているかもしれないし。」

「私の手元には来ていませんが、王都の人事局辺りから依頼が来ても不思議ではないでしょう。」

「特にキタミザト家の文官はほぼすべて異種族ですしね。

 気になるでしょうね。

 それにアリスがこっちにいる間に話を聞いたけど、ジーナちゃんだけでなく、エルフの一家からも長男を派遣していますよね。」

「あれは本人達に人間社会や学ぶ場を用意したこちら側の意図ですけど・・・まぁ王都側としてはそういった意図があるのはわかっています。」

「でも事実だけを見れば、両学院に入れたでしょう?」

「王都守備隊にも3人紹介して入れましたよ。」

「うん、でもそれって王都守備隊が対応できるから(・・・・・・・)でしょう?

 まだまだ文官や執事、メイドの雇用まではいかないと思うのよ。」

「確かに手探りですからね。

 王都では兵士の雇用はしたいが実績がないから具体的な将来像を答えられず応募に来ない、応募に来ないから実績が作れないので将来像を作れないと言っていましたかね。

 その話をエルヴィス家でしたらエルヴィスさんとフレデリックさんはすぐに軍務局や総務局で話をすると言っていましたね。。」

「お爺さま・・・早いわね。・・・その情報の共有もしなくちゃ。

 でも大丈夫、まだうちの価値はあるわ。」

ジェシーが言う。

アリスは「ゴドウィン家がしたら同様な報告書をキタミザト家も出せと言ってくるんだろうなぁ」と思うのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] それにジーナちゃんとジッロを派遣していますよね。 ↑ エルフ一家とジェシーって面識なかったはずですし、エルヴィス領に来なかった(王都に残してきた)ジッロの名前って教えていましたっけ?…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ