第1365話 武雄達は昼食中。(ゴドウィン伯爵達が町に到着。)
武雄達は昼食の為の休憩をしていた。
「あ~♪」
「あ!ビエラ!それは私の分です!
こらっ!あ・・・あー!・・・
ありゅじ~・・・ビエラが私のフレンチトースト食べましたぁ~・・・」
「はいはい、今焼いていますからね。
作り立てを食べなさい。」
「主~♪」
ミアが武雄の肩に乗ってグズッていた。
「はふっはふっ♪」
「甘~い♪美味しい♪」
「ミルクトーストじゃない!なにこれ!甘い!」
「あぁ~♪」
「美味しい・・・」
「おかわり!」
子供達も一心不乱に食べている。
「ベイノン・・・疲れたな。」
「そうですね・・・いやぁ子供達の消費に追いつきませんね。」
「・・・3人がかりで作っているのだがなぁ・・・」
マイヤーとベイノン、武雄はずっとフレンチトーストを作り続けていた。
フレンチトーストはかなり簡単な部類の料理だから武雄はマイヤーとベイノンにも手伝わせていた。
2人とも行軍等での野宿経験もあり、焼くことに関してなんの問題もなく。
最初に少し焼き加減を間違えた程度で今は均一な品質のフレンチトーストを出していた。
「遭難とかを危惧したのかと思っていましたが・・・2日分という意味が今分かりました。」
「子供の食欲かぁ・・・ビエラ殿は子供か?」
「特別枠でしょう。」
「・・・エルヴィス領に向かう際はこれにクゥ殿もかぁ・・・」
「割り増しを多めに考えないといけませんね。
所長、帰投の際はどうしますか?」
「卵は割れそうですね・・・ゆで卵とマヨネーズを大量に作っておきますか。
と、ミア、ビエラに取られる前に食べなさい。」
「はーい♪
うわっ!熱っ!取られる前に食べなきゃ!」
ミアが武雄が皿に置いた焼き立てのフレンチトーストに飛び込み火傷をするが、回復は二の次で食べている。
「あ~♪」
ビエラがおかわりを要求している。
「はいはい、ビエラの分もありますよ。
しっかり食べなさい。」
「はい!」
「「「おかわり!」」」
子供達の食欲は旺盛なのだった。
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ゴドウィン伯爵一行が東町に到着していた。
「・・・ふむ・・・」
町に着くなり馬を降りてゴドウィン伯爵が周りを見回している。
「伯爵様、どうしましたか?」
「・・・いや、何でもない。
町長に挨拶に行こうか。
あと冒険者組合の方も確認しておいてくれ。」
「はい。
おい、頼むぞ。」
「「はっ!」」
兵士数名がゴドウィン伯爵達から離れていく。
「・・・さてと・・・町長への挨拶までどうした物かな。
あそこの店で昼食を取るか。」
ゴドウィン伯爵が適当な店を見ている。
「そうですね。
町の食生活の確認も必要ですね。」
ゴドウィン伯爵達が店に入っていく。
・・・
皆が昼食を取り終える。
「意外とと言うのはおかしいか。
味が街とは変わらないな。」
「まぁ隣町ですからね。
それにしてもエルヴィス家ではないですが、特産品というのを作るとしたらこの町はなんでしょうかね。」
「街に近い東西南北それぞれの町は平均的な穀物と野菜の生産、工房数を維持しています。
街から遠のけば遠のくほど生産が偏っているはずですが・・・
この町の特色は特にないでしょうか。」
「ん~・・・そうかぁ・・・」
文官達の話をゴドウィン伯爵が聞きながら悩んでいる。
「その辺は領内で作付けしている種類を今確認中です。
結果を皆で見ながらの検討をするしかないでしょう。」
「その通りだなぁ。
ポクポク肉とその亜種はどうなっている?」
「順調に成長しています。
亜種の方は今年は全て繫殖に回しますので2年後を目途に他領と町に卸していけるでしょう。」
「伯爵様、あと穀物と飼料の増産も問題ないという報告が上がってきています。」
「そうか・・・
エルヴィス領からはウスターソースやウォルトウィスキーといった物を購入する。
うちからは穀物と飼料かぁ・・・出来ればもう1つ輸出出来る物が欲しいな・・・」
「輸出という事は日持ちがするという事ですよね。
今までは肉や果物、ジャム・・・んー・・・キタミザト家に倣うなら。
穀物で何か作れれば良いですね。」
「ビスケットのような物かぁ・・・もっと厚手で作れないか?
そうすれば鍋に入れられて腹持ちも良さそうなんだが。」
「まずは伯爵邸の料理人と試作でしょうね。
そのあと・・・ん?どうした?」
兵士が部屋に入ってきたので話していた者達が話を止めて顔を向ける。
「お食事中失礼します。
実は、この町の孤児院の院長と名乗る者が伯爵様にお目通りをと言ってきているのですが、どうしましょうか?」
兵士が申し訳なさそうに言ってくる。
「孤児院?・・・予算は多少の増減はあったがいつも通りだったよな?」
「はい、私の方に減額する等の話はなかったですし、財源的にも減額する程ひっ迫はしていないはずですが・・・
聞いてみますか?」
「そうだな・・・その者に少し待ってもらってくれ。
食器を片付けて、お茶の用意をしよう。
あと威圧する訳にはいかないから兵士は俺の護衛として1名を残し、他は外に。俺と文官達で対応する。」
「「はい。」」
皆が動き出すのだった。
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