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第1358話 その頃の魔王国王城。2(ビエラ到着。)

魔王国王城の城門前の広場にて。

ヴァレーリやタローマティ、フレッディやその部下達が揃っていた。


「来たか。」

ヴァレーリが空を見上げて言う。

するとホワイトドラゴンが着地してくる。

「グルゥ?」

目の前にヴァレーリが居て不思議なようだ。

「ビエラ、久しいな。

 『なんで居る』とか言うな。

 で、キタミザト殿からの連絡は何だ?」

「グルゥ。」

ドラゴン(ビエラ)が喉元に巻かれたシーツを指さす。

「これか・・・どれどれ。」

ヴァレーリが近寄りドラゴン(ビエラ)からシーツを取り中の手紙を読みだす。

「・・・ふ・・・あははははは!はぁ・・・

 ふふふ、そうか!そうか!うん!うん!なるほどなぁ。」

ヴァレーリが楽しそうに笑う。

「「へ・・・陛下!?」」

周りの者達が驚いて声をかける。

「あぁ・・・フレッディ、今すぐ金貨300枚を持って来てビエラに渡せ。」

「は?・・・はっ!

 しかし、名目は如何しますか?」

「キタミザト殿への今回の情報料だ。他国の者へだと面倒なら我の飲食代とでも適当にしておけ。

 この戦争・・・ますます我らに有利になりそうだな!

 くくくっ。」

ヴァレーリが良い笑顔をさせる。

フレッディは部下を王城に走らせるのだった。


「ビエラ、夕食はどうする?

 食べていくか?」

「あ~。」

いつの間にか人型になったビエラにヴァレーリが聞いてくるが、ビエラは首を振る。

「そうか。向こうで用意されているのか。

 確かにこの城の夕食とキタミザト殿の夕食では向こうの方が上か。

 なら金貨が用意出来るまでお茶をしよう。」

「あ。」

ビエラが頷く。

「よし、タローマティ、すぐに部屋の用意をさせてくれ。」

「畏まりました。」

タローマティが先に王城に入っていく。

「フレッディ、夕食後第1、第2、第4軍合わせて緊急会議だ。

 居る者だけで構わん。

 ワイバーン部隊と追跡が上手い者達を見繕って、すぐに動ける準備をさせておけ。

 それとこれは貰った伝言書だ、会議までに幹部分は書き写しておけ。」

「はっ!了解しました。」

フレッディが返事をする。

「さ、ビエラ、久しぶりにお茶でも飲ませてやろう。」

「あ~・・・」

ビエラが嫌な顔をさせる。

「そう言うなよ。

 キタミザト殿の料理は凄すぎだぞ。

 たまには魔王国の不味い味を思い出すのも自分の置かれている環境を再確認するには良いはずだ。

 ほら、行くぞ。」

「・・・」

ヴァレーリはビエラを連れて王城内に入っていくのだった。

・・

魔王国王城の城門前の広場にて。

「ふむ・・・では、達者でな。

 キタミザト殿にもよろしく伝えてくれ。」

「グルゥ。」

ドラゴン(ビエラ)が頷いてから飛び立つ。

王城を旋回して帰路へと就いて行くのだった。


「ふぅ・・・さて、この後は会議だな。

 フレッディ、何か言いたそうだな?」

「いえ・・・情報は鮮度が命と言われますが、今回の事では本当に鮮度が命というのがわかりました。」

「まったくだな、キタミザト殿は良く分かっているようだ。

 だが・・・まぁ多めの情報料は払ったからな。

 この件での借り貸しはなしという事にして貰おう。」

「縁とは不思議ですね。」

「そうだな。

 我が行かなかったらこの情報はなかった。

 それにいくらファロンが居たからと言ってカールラ相手に先の情報も今回の情報も開示はしなかっただろう。

 となるとデムーロ国への侵攻もせず、人攫いは止まずという事になっていたかもな。」

「それとキタミザト殿からの依頼にある『あまり痛めずにウィリプ連合国向けの船に乗せてほしい』というのは何でしょうか。」

「さてな・・・我が方にも思惑はあるし、アズパール王国(むこう)にもあるのだろう。

 まぁ我らはその個人はどうでも良いからな。

 ・・・『テンプル伯爵の所と面している森』か・・・第1軍から数小隊出したのが今回の起因なのだろう。」

「どうしますか?」

「それはこの後の会議でだがな・・・輸送経路や仕入れ先の情報を入手するのが先決だ。

 その個人が接触するようなら追跡のみ、しないならちょっとした聞き取りだな。

 出来れば接触したという記憶に残さない方法が良いが。」

「わかりました。

 各軍から相応の能力を持っている者を選出します。」

フレッディが頷くのだった。

「はぁ・・・酒のない夕食でも取るか。」

ヴァレーリが王城内にぼやきながら戻るのだった。


------------------------

魔王国王城内では。

「あぁー!写しが終わりません・・・」

「嘆く暇があったら手を動かせ!

 ほれ!お前は手を動かすのが仕事だ!」

「あぁぁぁぁ・・・・」

会議の用意をしていたり。


「えーっと・・・ワイバーン隊の補給はどうなったの?

 陛下の命令で即応待機でしょ!?

 餌と水の手配は?兵士達の仮眠と食事と携帯用の食事は?」

「一つの事しか出来ないんだ!次から次に質問してくるな!

 餌は倉庫から移動中、兵士は今夕食中、その後仮眠だ。

 お前はさっさと進行を記録しろ!」

「へいへーい、やっていますよ。

 あ、他に連れて行くのが居るのかの確認お願いね~。」

「どの軍に聞きに行くんだよ?

 あと少しで会議だろう?その結果待ちで対応するしかないだろうが。

 単騎か同乗者(荷物)があるかはその時だな。

 両方出来るように準備はするさ。」

「はーい、お願い。

 となると・・・最大この時間で乗せ換えられるから・・・」

実行部隊を用意していたりと部下達は大忙しなのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] この作品は、意思決定者たちが皆有能でいい。 迅速明瞭。 また、現場の人間も文句タレながらキビキビ動いててあっぱれ。 上も下もこうでなくちゃね。
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