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第1339話 魔王国幹部会議2(大国の戦争。)

魔王国の幹部会議の続き。


「・・・ファロン伯爵殿が生きておりましたか。」

第5軍の指揮官が呟く。

「ふむ・・・現当主で甥のファロン子爵にしてやられたな。

 だが、些か気に食わないが力こそ全てという観点から言えば一家の内輪揉め程度の事件だ。

 ・・・それにしても監査をしに行った者達は見事に欺かれたな。」

「面目次第もありません。」

第4軍の指揮官が頭を下げる。

「さて・・・どうするか・・・」

ヴァレーリが腕を組む。

「ファロン領の今後も気になりますが、現時点ではブリアーニ王国の方を優先しないといけません。

 手口や輸送経路が同様となると・・・。」

「あぁ・・・同盟国と言えど同じ者が関与していたら我らの責任問題にも繋がりかねんな。

 ファロンの時にわかっていれば被害が今よりも少なかったかもしれないのだから。

 それにしても・・・その者達が、キタミザト子爵にな・・・」

「第3者を介しての公正な証言が取れてしまっていますね。

 ですが・・・この一文は・・・」

「詳細な内容が書かれていないのが救いだ。

 一家の娘たちが親の目の前で著しく不道徳で不遜な行為に及ばれる。

 まぁ、これは強姦だろう・・・流石に力こそ全ての我らだが、力があるからとこういった性欲の捌け口にするのはこの国でも許していないはずだ。

 カスト、そうだな?」

「はっ!陛下。

 他種族だろうと同族であろうと強姦は認めていません。

 それは地方領主、王軍ともに厳命されています。」

「ああ、だが周りの国にはいるんだよなぁ・・・食人達が・・・

 あいつらはなぁ、自分達以外は物としてしか見ていないのが・・・不愉快だな!」

「まぁそうは言われましてもあの国々の商隊の通行は認めていますし、彼ら商隊は我が国に入って何か悪さをしている訳でもありません。

 我々もウィリプ連合国へはオークの輸出はそう言った国々を経由させています・・・貿易の観点から彼の者達からの収入を止めるというのは・・・」

「我々は食人をしないというのが国是の1つですが、周りの国全部と戦は出来ません・・・見過ごすほかないでしょう。」

「だが、自国民と同盟国の領民が拐われ、酷い仕打ちをされている。

 知ってしまったのだ、見過ごす訳にはいかん。」

「陛下、捜査の方からの観点で言うと現状では証拠が揃えられません。

 この手の行為は証拠や経路は隠蔽され捜査する時間をかけさせられます。

 我々が捜査をし出すと拠点を国ごと変え姿を眩ましてしまいます。

 いくら我が国の兵士達が精強でも他国で好きに捜査が出来るわけではありませんので結局は・・・」

「・・・ほぉ・・・行方を眩ませるのか・・・

 なら・・・いきなり、本拠地を狙ったらどうだ?

 ファロンと一家(被害者)は大型船での移動だそうだ・・・なら1つしかないだろう?

 手を出した者を叱るのではなく集めている者を叱るとしようか。」

ヴァレーリが悪い顔をさせて言い放つ。

「デムーロ国ですか・・・陛下、大義名分は如何いたしましょうか?」

「確かこの国の奴隷輸出入は領主が元締めだったはずだ。

 商品の輸送というのは管理が大事だ、どんな物がどれだけ載せられているかの管理はあって当然、環境は商品により変わるがな。

 管理されているはずの商品群に我が国の民や同盟国の領民が入っていて、我々に確認もせずに(・・・・・・・・・)勝手に売ったのだぞ?

 これは誘拐もしくは誘拐幇助ではないか?

 ・・・最大の理由は我がこの行為を気に食わないからだ、これ以上の理由があるか?」

「「はっ!陛下のお気持ちのみで十分です。」」

皆が返事をする。

「まぁ体の良い大義名分は検討しなくてはな。

 実際の所は奴隷の輸出入をしているんだ、我らに知られたくない事の3つや4つはあるだろう。

 開始直後に庁舎を強襲する必要があるかもな。」

「陛下、彼の国は小さきといえど魔人の治める地です。

 従えている兵も精兵と聞いております。

 相応の戦力の抽出が必要と考えます。」

「そうだなぁ・・・今回は王軍の第1から第5全てで行こうか。」

「ご・・・5軍全部ですか・・・」

「ああ、誰が成るにせよ、次の国王が舐められては困る。

 引き継ぐに当たって魔王国の最大戦力を周囲に見せて次期政権発足時の混乱収束までの時間稼ぎに利用させて貰おう。

 それと領主達は来たいなら見学にでもしに来れば良いとするか。」

「王都を空にするのですか?」

「あぁ、何事もなければ良いが何かあったとしてもそれはそれだ。

 誰かが留守の間に乗っ取るかもしれないが・・・この城が1日でも魔王国王城でなくなると例の呪いはどうなるのか・・・気にならないか?」

「拡張工事の呪い・・・確かに気になります。」

「それに・・・一般の家でさえ住みながら増改築するから大変なのだ。

 城となればなおの事だろう。なら一度更地にして(・・・・・・・)からなら割と早いと思う。

 それに新しい魔王が仮設城から始めるのも悪くないと思うがな。」

ヴァレーリが笑う。

「・・・そこは検討いたしましょう。」

王軍の誰かが呆れながらいう。

「仮設とはまた素晴らしい王城ですね。」

「まぁ今の王城は古いからな、今一度、設計から考え直して防御面の強化や兵達の移動経路も刷新した方が良いだろう。

 我は専門家ではないが、あの設計は古いだけだ。

 外見は古くても良いが、中は現状に合わせて兵士達が動きやすい方が良いに決まっている。」

「それは確かに。」

「呪いの解除に王城を王城で無くすのは検討事項として、ブリアーニ王国への説明はどうされますか?」

「夕食後に行う予定だ。」

「さてどのように持って行きますか?」

「ん~・・・」

魔王国幹部が頭を捻るのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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