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第1332話 ゴドウィン伯爵邸で夕食を。(日程を考えよう。)

皆で夕食。

「本日はポクポク肉を用意したぞ。」

「わぁ~♪」

アリスが嬉しそうな顔をさせる。

「・・・で、タケオ、うちの料理人がな。

 タケオとアリスの挙式で出たローストビーフの話を聞いてポクポク肉で作ってみたんだ。」

「ゴドウィンさんの話を聞いてですか?」

「あぁ、正確には似たような料理から改良をしていったんだ。

 俺や料理人達は満足しているし、ジェシーも問題ないとしてくれたんだ。

 その評価をお願いしたいんだ。」

「わかりました。」

武雄が頷くと配膳が始まるのだった。

・・

「おぉぉ♪柔らか~い。」

「ソースも良いですね。」

「これは良いですね。」

「うんうん。」

「あ~♪」

「きゅ♪」

皆が出来映えに満足していた。

武雄も出されたローストポークに満足しながらも「豚の角煮やチャーシューが食べたいなぁ」と更なる料理を考えているのだった。

「で、タケオさん、関には皆で行くの?」

「はい、そのつもりですが。

 何かありますか?」

「アリスを置いてってくださらない?

 代わりにうちの旦那を連れて行って良いから。」

「え!?」

「・・・わかった。」

ジェシーが提案するとアリスは驚き、ゴドウィン伯爵は渋々頷く。

「まぁ関の回りを見に行くだけですのでアリスを置いて行くのも良いのですが・・・

 アリスはどうしますか?」

「お姉様が用があるというなら残ろうかと。

 関についても絶対に行かないといけない訳ではありませんし・・・ゴドウィン伯爵様が行くなら問題ないかと思います。」

「ビエラ、クゥどうしますか?

 関に向かっても干物ばかりですよ?」

「あ、あ~?」

「きゅ?」

「あ~。」

「きゅ♪」

ビエラとクゥが話し合っている。

「主、クゥがアリス様に付いてビエラは主に付いていくそうです。」

ミアが報告してくる。

「では、こっちは私、ミア、マイヤーさん、ベイノンさん、ビエラと初雪、ゴドウィンさんと護衛は・・・ゴドウィンさん、最低人数で行きたいのですが・・・」

「そうだなぁ・・・宿も考えるなら3名だな。

 関まで3日の予定で向こう半日視察して、帰路1日目は少し走って視察も含めて3日という所か・・・頑張れば1週間で戻れるな。」

ゴドウィン伯爵が考えながら言うが・・・武雄以外の同行者が苦笑している。

「ん?どうした?」

「タケオ様、予定をどうぞ。」

アリスが促す。

「時間が勿体無いので行程のすべてを野宿に変更。

 早朝から夕方までの移動で1.5日で関を目指します。

 半日視察して関に泊まり、帰りも1.5日で4日後の昼には帰宅予定ですね。」

「あら。」

「・・・タケオ、町や村も俺は見たいんだが。」

「・・・行きも帰りも見なくても良いのでは?

 行きは私と一緒で帰りに護衛の方々と3日で帰ってくれば良いのでは?」

「んん~・・・」

ゴドウィン伯爵が考える。

「タケオさん、本音は?」

「ここはゴドウィン伯爵領ですからね。

 面白そうな産業が芽吹いていたとしても他領なので手を出せないでしょうし、そもそもエルヴィス伯爵領のように私が手を出すとこちらの文官達に迷惑がかかるでしょう。」

「ん~・・・そうねぇ。

 お爺さまの所みたいにさっさと交渉して事後報告されるだけというのは・・・ちょっと文官達の反感を買うかもしれないわね。」

ジェシーが笑いながら答える。

「それに4月15日が研究所の開所式なのであまり時間がないのも確かなのですよね。」

「あ、そうか、国立の研究所だものね。

 予定日を私用でズラすのは王都に対してあまり良い報告じゃないわね。

 ・・・アナタ、タケオさんの言う通り行きだけ付き合って、帰りは普通に各町や村を視察しながら帰って来たら?

 行きは久々に戦争時の野宿訓練という事で良いんじゃない?」

「んん~・・・

 タケオ、ここに戻ってから親父殿の所に出立はいつだ?」

「次の日の昼にでもと思っていますが。」

「通常なら昼過ぎ・・・夕方近くに戻るから下手したら会えないかもしれないな。

 それは致し方ないか。」

ゴドウィン伯爵が頷く。

「・・・タケオさん、もう1泊しなさいよ。

 流石に1日遅れても平気でしょう?」

「ええ、まぁ・・・なら関からの帰りはゴドウィンさんと戻りますか?」

「あ~・・・違う違う。

 タケオさん、私が言いたいのは部下の方にも丸1日休養を取らせなさいという事よ。

 聞けばエルヴィス家の東町や関まで行くのにも強行軍だったのでしょう?

 で、ここまで4日の道のりを3日で来た。

 そこに6日の道のりを4日で行き来し・・・どうせお爺さまの所へも通常馬で4日だけど3日くらいで行くつもりなのでしょう?」

「ええ。」

「はぁ・・・いくらタケオさんの部下が優秀でも戦争時でもない今そこまで無理をさせる事は無いわよ。

 通常の街中の訓練や事務作業なら連続でも良いかもしれないけどね。

 遠出してそれも毎日馬で夕方まで走って・・・勝手知ったる土地ではなく知らない土地ででしょう?

 そんな時は1週間に1日は完全休業日を設けなさい。

 これは先輩貴族からの助言です。

 そしてそういう時には遠慮しないで頼りなさい。

 そのぐらいの甲斐性は私達夫婦は持っているつもりです。」

「・・・確かに、その通りですね。

 了解しました。

 戻って来たらもう1泊します。

 すみませんが、よろしくお願いします。」

「うん、よろしい。

 ま、こっちの関の強化をして貰うのだからもてなすのは当たり前だけどね。

 あ、タケオさん、野宿でも途中の町には寄るのでしょう?」

「はい、食材とかは仕入れます。

 ちょっと長めの休憩ですね。」

「じゃあ、その時にタケオさんが感じた印象も聞きたいわね。」

「少ししか見ませんよ?」

「だからよ。

 町の印象だったり商人の顔色だったりはわかるでしょう?

 私達が行くと事前に準備されるし、商隊に聞いても・・・ね。

 何気ない事で良いから印象を教えて欲しいのよ。」

「まぁ、気持ちはわかりますが・・・文官の方もしているのでは?」

「もちろんして貰っているし、報告も上げてくれているわ。

 でも、他領に住んでいて施政者の目線で物を見れるタケオさんの意見も聞きたいというのも本音ね。」

「わかりました。

 まぁ少し気にしながら町に寄ります。」

「うん、よろしく。

 あと、今日の料理の感想も後でお願いね。」

「はい、わかりました。」

武雄が頷くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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