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第1323話 153日目 関に到着。(トップからの依頼。)

アズパール王国側の関にて。

「はい、書類の確認をしました。商隊の方々の越境を許可いたします。

 今日はまだ昼過ぎですから向こうの関に行かれますか?」

「はい、向こうに行こうと思います。」

「道中お気を付けください。」

「はい、では。」

シモーナが関の受け付けを終え、詰め所から出てきて皆の所に向かう。

・・

「・・・で、キタミザト様がどうしてここに?」

シモーナが皆の所に戻ると武雄達が合流していた。

「私は関の視察ですよ。

 いや~・・・シモーナさん達が越境するのに追いつけましたね。」

「昨日村には居ませんでしたよね・・・早くないですか?」

シモーナは空を見上げて太陽の位置を確認する。

昼過ぎと言っても夕方までになるには早い時間だった。

「それは昼食べていませんからね。

 休憩をほとんどしないで来ました。」

アリスが答える。

「そうですか・・・

 私達は出立するのですが・・・何かありますか?」

「「ないですよ。」」

武雄とアリスが答える。

「えーっと・・では?」

「お見送りです。」

「何もないのですよね?」

「何もないですね。

 お先をどうぞ、米とか連絡お待ちしています。」

「了解です。

 ブリアーニ王国とやりとりして報告を上げます。」

「あ、そうだ。これ今晩の夕食にどうぞ。」

武雄がリュックから布で包まれた肉を取り出してシモーナに渡す。

「あ、ありがとうございます。

 おばさん、あと少ししたら出立です!

 皆さんも準備お願いします!」

シモーナが皆に言いまわり始める。


「キタミザト子爵様、お疲れ様です。」

ヴァレーリがジト目で武雄に挨拶する。

「ダニエラさん、遠征お疲れ様でした。

 おやおや?どうされましたか?

 あ、陛下宛の手紙(・・・・・・)は忘れていませんね?」

武雄がにこやかに答える。

「ぐっ・・・わ、忘れてはいません。

 ここにあります。」

ヴァレーリが懐をポンポン叩く。

「何かありますか?」

「うぅ・・・ないです。

 ですが、今後とも魔王国からの購入をいろいろとよろしくお願いします。

 私としては普通の商売を国家が制限する事は無いと思っておりますから拡大させていってください。

 陛下や引継ぎをする際には輸出を拡大するメリットは言っておきます。」

「わかりました。」

「キタミザト子爵様はウスターソースの増産をお願いしますね。」

「まぁ頑張りはしますけど材料等々の問題もありますし、すぐは難しいですね・・・それよりもダニエラさんが食べたくなったらまた越境すれば良いのでは?

 長期休暇もあるのでしょう?ですが連絡はくださいね。

 出来る範囲で対応しますから。」

「・・・シモーナさん経由でご連絡します。」

ヴァレーリがワナワナさせながら答えるのだった。


「あの~・・・キタミザト子爵様。」

ブリアーニがひょこっと顔を見せる。

「はい、カールラさん、遠征お疲れ様でした。」

「お疲れ様です。

 ですが、これから魔王国の王都に行ってからの帰国ですのでもう少しかかりますね。

 で、なのですが・・・米用の木臼はもしかしたら発注する可能性があるのですが・・・出来ますか?」

「ええ、私達もこれから量産する気でいますよ。」

武雄は答えるが「半自動でね」と足踏み駆動を普通に普及させる気満々です。

「依頼しても良いですか?」

「ええ、今回使ったので良いのなら構いませんよ。

 何個作って送りますか?」

「・・・5個でいかがでしょうか?」

「あ!作るのは全然構いませんけどね。

 ん~・・・いくらぐらいかかるんでしょうかね。」

「あ、金貨3枚渡しておきます。

 足らないなら請求してください。」

ブリアーニが金貨を武雄に渡してくる。

「了解しました。

 大きさも今回使用した物で良いんですね?」

「はい、お願いします。」

「では、出来上がったらシモーナさんに送りますね。」

「はい。」

ブリアーニが良い顔で頷くのだった。


「さて、行きますよ。」

御者台のシモーナが周囲に言い、皆が騎乗する。

「出立!」

皆が移動を始める。

護衛達も武雄達に会釈しながら進んでいく。

武雄達は手を振って見送るのだった。

・・

先頭のシモーナ達。

「・・・普通、商隊の見送りに関まで来るのですかね?」

「私達アズパール王国からすれば敵国なんだよね。」

「「ん~・・・」」

御者台のシモーナとレバントは首を捻りながら幌馬車を進めるのだった。


「・・・あれは部下と話したな・・・」

ヴァレーリがうな垂れながら呟く。

「まぁ部下の方は優秀ですし。」

隣のタローマティが考えながら言う。

「ダニエラ殿、あの時の道に居た者は・・・」

ヴァレーリを挟んでタローマティの反対側に居るフレッディが聞いて来る。

「・・・今は言えん・・・が、たぶんフレッディの考えている通りだ。」

「となると・・・虚偽を?」

「さてな、虚偽まで行かなくとも何かしらあったんだろう。

 それも含めて王城に戻ってからだろう。

 第1軍、第3軍、第4軍の幹部を招集するぞ。

 他にも今回の旅でいろいろ情報が得られた。」

「はっ!

 では、エルヴィス領への侵攻禁止10年と言うのはそのままですか?」

「あ~・・・それで良いだろう。

 だが、退官後我の移住先に内定だな。」

「そんな所に攻めれる訳ないじゃないですか。

 ・・・はぁ、まぁあれだけ美味しい物があるのであれば移住もやむなしですが・・・」

「フレッディも退官したら来るか?

 我が下地を用意しとくぞ?」

「あはは、私が退官する頃はキタミザト子爵はおりませんね。

 その時の情勢によりけりですよ。

 それに・・・」

「それに?」

「ダニエラの下に付くのはもうこりごりです。

 気ままで旅をされる方の下に居てはのんびりと過ごせません。

 極稀にお茶の相手をする程度で十分です。」

「んん~・・・我の評価が低いな。

 我は面倒見は良い方だと思うぞ?」

「私はのんびりしたいんです。

 戦闘がしたいわけではありません。」

「・・・ちなみにアズパール王国に来て吸血行動したら取り締まられるからな?」

「わかっています。

 それはダニエラもそうでしょう?」

「あはは、我は鬱憤晴らしが出来れば問題ない!」

「ダニエラ、若いですね~。」

「血の代替品は我も知っている。

 それで問題はないだろう。」

「そうですね。」

ヴァレーリが帰路に就くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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