第1322話 152日目 さて・・・やってみるか。(マイヤーは不戦勝。)
「では、備蓄計画は第1軍に計画させます。」
タローマティが言う。
「あぁ・・・そうしろ・・・」
ヴァレーリが頷く。
「・・・で?」
「ん?」
「他にありますよね?」
「まぁ・・・そうなんだがな・・・
タローマティ、カールラの所の人攫いの話覚えているか?」
「覚えています。最近もされましたよね。」
「その内の一家の1つをキタミザト子爵が雇ったそうだ。」
「あの方・・・どれだけ人材が豊富なのでしょうか・・・」
「その一家が米を作るんだと。」
「興味なさそうですね。」
「我にはそうなんだがなぁ・・・はぁ・・・この一家とヴィクター達が送られた経路が同じようだな。」
「・・・ふむ・・・ちなみに確認ですが陸路ですか?」
「海路それも大型船だそうだ。」
「大型船が接岸出来るのは・・・随分と南下しますね。
ですが、そこは魔王国ではないでしょう。」
「まぁな。」
「・・・確か第4軍の派遣経由地でしたね。」
「ああ。」
「いかがしますか?」
「・・・そうだなぁ・・・同盟国や自国民の保護は国家の義務だな?
皆で戒めに行くかな。」
「義務ですし、戦端が開けば3日程度で占領は出来るでしょうが・・・
かといって、あの地はウィリプ連合国への奴隷売買の拠点です、我が国がウィリプ連合国に奴隷売買をするのですか?」
「奴隷売買か・・・自国民の保護はするさ。
それ以外の荷物は知らんがな。
それに奴隷が購入出来るから魔王国の外からの攻撃が少ないともとれるな。」
「我が国は食人魔物は居ないのでどっちでも良いのですが・・・
それにあそこは魔人たちが治めていますよね・・・まぁ王城に帰投したら考えましょう。」
「我の任期最後に最大級の戦力を使ってみるか。」
「え~・・・それってダハーカも使うんですか?」
「そうだな・・・我の最強の精霊を使うか。
それに王軍も5軍全部だして領主達は暇なら見に来させるか。」
「わぁー豪華ですねー。」
タローマティが無表情で言う。
「ふっ・・・まさに蹂躙だな!
魔王国の最大戦力は方々にも知らせておいて損はないだろう。」
「3日と言わずに1日保てるかどうかですね。
となると・・・戦端を開くのは何とでもなりますが、同盟国であるブリアーニ王国への説明はどうしますか?」
「正直に言った方が良いよな?」
「そもそも魔王国が輸出入をしている訳ではないですし、この港から出荷されたという情報があると報告し、自国民保護を名目で攻め入るだけですから、ブリアーニ王国には遺恨は残らないでしょう。
ただ我が国が関与していなければ良いのですが・・・しているんでしょうね。」
「領主まで関与しているかはわからんが、どこぞを拠点にしている組織は関与しているだろうし、領主が調べられるような物ではないだろう・・・普通はな。
カールラには王城に戻ってから話をしてやるか。
それとファロンの件も秘密裏に再調査だな。」
「復権はさせないのですよね。」
「させる気は無い・・・だが悪い子にはお仕置きが必要だ。
馬鹿な企みが出来るくらい暇なんだ、なら領地の事で手一杯にさせてやらんとな。」
「また面倒な事を・・・それも協議ですね。」
「ふふふっ。」
ヴァレーリが再び悪い顔をさせるのだった。
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エルヴィス領の東町。
「・・・」
「恨みっこなしだからな!」
「当たりは1本!」
「「せーっの!」」
マイヤーが棒が入った筒を持ち、ベイノン、アーリス、オールストン、ブレアが真剣に棒を選んでいた。
「「「よっしゃー!」」」
「あぁぁぁぁ・・・」
ベイノンが当たりくじを持ち崩れ落ちる。
「・・・まぁ・・・元第一情報だしな。」
マイヤーがベイノンの肩を叩きながら慰める。
「・・・はぁ・・・まぁ選択があって良い方ですか・・・
マイヤー殿は選択肢すらないですしね。」
「あぁ・・・今回は辞退できるかと思ったんだがな・・・
お前らに嵌められた。」
「公正な話し合いの元ですよ。
所長が行くのに次席が付き添わないのはありませんて。」
「次席だから所長不在時は本部に居るんだと思うが。」
「まだ研究所は出来ていませんよ!
何かあれば報告書も書かなくてはいけませんし!マイヤー殿なら所長との旅に慣れていますし!」
「・・・まぁ・・・良いけどな。
おい!アーリス、オールストン、ブレア!」
「「「はーい。」」」
「・・・お前らは戻ったら俺とベイノンの制服等を受け取っておいてくれ。」
「「了解しました!」」
「では2手に別れて明日の出立の準備を開始。
まぁ街への帰還組は荷物の再チェックと1日分の予備食料か。
俺達の方は、食料は所長だけで何とかなるだろうから庁舎に行って関までの道筋とゴドウィン伯爵邸までの道の確認でしょうか。」
ベイノンが指示を出す。
「そうだな、それとアーリス、アニータとミルコの訓練はアーキン達を指導しながらやってくれ。
あの子達がもしかしたら試験小隊の存在意義になるかもしれない。」
「まぁ新兵班についてはアンダーセンに通して話をします。」
「あぁ、そうしてくれ。
では、解散だな。」
「マイヤー殿に敬礼!」
皆が挙手の敬礼をする。
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