表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1332/3621

第1319話 妄想は膨らむ。(異常な人が居たみたい。)

「いや・・・この想定は私が簡単に考えただけですよ。

 米の普及には米だけでなく籾摺り機や調理法など、一緒に普及させないといけない物がたくさんありますからね。

 想定は想定です、すぐの普及は難しいというのはわかっていますよ。」

「それは・・・そうなのでしょうが、米が浸透するとエルヴィス家の長年の懸念事項が減りそうですね。

 改めて凄い事をタケオ様はしているのですね。」

アリスが考えながら言ってくる。

「そう思えば凄い事をしているように感じますね。

 将来的に領内の自給率が改善されれば領内で不測の事態が起こった際の余剰穀物を多く見繕えますし、平時は余剰穀物を菓子等に振り分けられますから、そちらでの成長も期待できますよね。

 それに米の生産量が増えれば今までは二次主要穀物だったライ麦をウィスキーと麦茶とに全力投入、展開できますね。

 領内の問題が解決方向に行きながらも私の小遣いが増える。

 良い事尽くめですね。

 ですが、現状では出来るかどうかの試作の段階です。」

「ちなみにタケオ様、お小遣いが増えたらどうしますか?」

「コノハに投資ですね!

 まぁそれは先々の話なので出来る事からしましょうか。

 コノハ。」

「はい!任せて!

 でもタケオ、まずは味噌よね?」

「味噌とそこから派生する醤油・・・その2つがメインでしょう。

 清酒となると米麹の品質や癖がもろに出ますからね・・・今回入手した麹菌が酒に合うかもわかりませんし、酒については少量ずつ試作でしょうか。」

「ん~・・・たぶんタケオが言っている溜まり醤油と実物は違うかもね。

 味噌から出来る溜まり醤油は醤油の原型なのよ。

 タケオやスズネが食べていた物より大豆の匂いがほのかにして色が薄いかもしれないけど・・・味は醤油よ。」

「その時はその時ですよ。

 醤油と香料を合わせて料理をすれば良いのです。

 それよりも味噌と醤油が出来れば料理の幅がグンと広がりますし、豆腐も作れましたから厚揚げや油揚げも手に入りますから相当和食への道が開きますね。」

「タケオ!最初は甘いおいなりさんが良い!」

「甘いおいなりさんは良いですね~。

 中はシイタケの炊き込みご飯を詰めますか。」

「贅沢♪それも良いね~!」

コノハと武雄が幸せそうな顔をさせる。


「タケオ様、帰ってきてくださ~い。」

アリスが苦笑しながら呼びかける。

「おっと・・・コノハ、財源は大変ですが、そちら優先です。」

「了解!

 タケオ、まずは必要な小屋や道具の選定から始めるわ。」

「リスト化よろしく。

 と、じゃあ今回の交渉のまとめをしましょうか。」

「「「はい。」」」

皆が頷くのだった。

・・

「以上が今回の交渉時のまとめになります。」

ヴィクターが大まかに今回入手した物、向こうに渡した物、情報の事を説明していた。

「ふむ・・・コノハ、実際問題として昨日の夜のタケオ様へのレクリエーションはどうなのですか?

 私がおバカなのをさらけ出せという事でしましたが。」

「関節技は怒られたけどねぇ~・・・

 次回は寝技にしましょう。」

「コノハ、体に害が及ぶのは禁止ですからね。」

武雄がチクリと言う。

「は~い、わかってま~す。

 と、一旦レクリエーションの事は置いておくとして、今回の向こうのダニエラの精霊はタローマティと呼ばれていたわ。

 タローマティはゾロアスター教の悪神の一人でね。

 特に相対する者はスプンタ・アールマティ・・・エイミーの精霊アルちゃんね。

 それにスズネのテトちゃんも率先して戦う可能性はあるわね。」

「ふむ・・・何かあればテトにお願いしますか。

 街に被害が出ない程度で。」

「それが良いかもね。

 でも、確かタローマティは戦う能力自体はそこまで無いのよ。

 相手を疑心暗鬼にさせたり、相手が嫌な事を思い出させたり増幅させたりと精神面での攻撃をするはずね。

 パナちゃん、どう思う?」

「タローマティの説明はそれで十分かと。

 要約するなら相手の記憶を覗き、相手の嫌な思い出を増幅させる精神的な攻撃を仕掛けてきます。

 ただ、そこまでの能力を誰にでもというのは制約がかかっているはずです。

 こちらが警戒をしていればそこまで過去を見られる事は普通はないでしょうが・・・」

「パナ、ありがとう。

 こればかりは敵対して見ないとわからないでしょう。

 とりあえず、慢心やリラックスはタローマティの前ではしない事が重要という事でしょう。

 それで?」

「はい、コノハ・・・あのダニエラという人物おかしいですよね。」

「うん・・・おかしい。」

パナの問いかけにコノハが頷く。

「スー助、昨日の晩、魔王国の者はタローマティも含めて外に出てないのですよね?」

「チュン。」

スーが頷く。

「「ん~・・・」」

コノハとパナが悩む。

「コノハ、何が問題なの?」

「今回の魔王国からの使節の2名、ダニエラとカールラには精霊が付いているわ。

 ダニエラの精霊はタローマティで、ブリアーニの精霊は出て来ていない。

 なんだけど・・・ダニエラから2体感じた(・・・・・)わよね?」

「ええ、ダニエラにもう1体居た感じがしますが・・・

 コノハ、あり得ませんよね?」

「基本的に1個人に1体ね。

 アリスみたいにアリスに私、武器にスー助といった感じでは複数従えられるのは知っているのだけど・・・

 明らかにダニエラが2体持っていたわ。

 それも私達がわかるくらいだから中もしくは上位の(精霊)よ。

 なので、もしかしたらその精霊がこっちを覗きに来るかと思っていたんだけど・・・来ていないみたい。」

「ええ、少なくともダニエラという人物には精霊が2体居ると考える必要があります。」

とコノハとパナは言うが「まぁでも夜とか闇とか暗殺とかの神もいるしね」と口には出さないのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ