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第1317話 王都に到着。4(帰還。)

「っと。」

ジーナが受付を済ませて少し大き目の木箱を持って玄関を上がって来ると。

「ジーナ、お疲れ様。」

「「「「!」」」」

スミスと知らない男性4名が居て、その4名が立ち上がっていた。

「スミス様、戻りました。」

「おかえりなさい。

 用件は終わりましたか?」

「無事にスミス様の制服等を引き取ってきました。

 それで・・・」

ジーナがちらりと4人を見る。

「イーデン・バリー・アルダーソン殿、カイル・ボールド殿、これが僕のお付でジーナです。」

「「初めまして。」」

2人が礼をして、お付の2人も礼をする。

「アルダーソン様、ボールド様、よろしくお願いします。

 ・・・スミス様、どうしましょう・・・」

ジーナも荷物を置き、軽く礼をしてから若干残りの2名を見て困る。

「ジーナ、実はね、お付の名前は特に言う必要はないんだって。

 僕のお付、アルダーソン殿のお付とか主人の名を告げるのが一般的と説明を受けましたよ。」

「・・・なかなかに面倒ですね。」

「僕もそう思う、で・・・僕から言うのも・・・」

スミスがイーデンとカイルを見ながら苦笑する。

「あ、失礼しました。

 彼は私のお付のジム・バイロンです。」

「よろしくお願いします。」

イーデンに紹介されジムが再び頭を下げる。

「彼は俺のお付のレックス・ブルです。」

「よろしくお願いします。」

カイルに紹介されレックスが頭を下げる。

「お二方ともよろしくお願いします。

 スミス様、こちらにいらっしゃるということは。」

「うん、2階の挨拶回りは終わってしまってね。

 ジーナを待つ間、同級生の2人と話をしていたんです。」

「そうでしたか。

 えーっと・・・皆さ・・・お二方ともありがとうございます。」

「うん、そういう事らしいよ?

 お付は主人に聞かれた時や緊急時以外では特に口も出さずに控える・・・だって。」

「エルヴィス家の執事研修でもしましたけど・・・」

「そうだね、寄宿舎内でもあるものなんだね。

 まぁその内慣れると思うんだけど。」

「そうですね。」

ジーナが頷く。

「さて、お二方とも今後ともよろしくお願いします。

 僕は一旦、部屋に戻りますので、また夕食時に。

 ジーナ、行きましょう。」

「はい、スミス様。」

スミスが席を立ちジーナが床に置いた荷物を持ち上げ後に続く。

「ええ、エルヴィス殿、これからよろしくお願いします。」

「またあとで。」

4人が見送るのだった。


「・・・あれが噂のジーナ殿ですか。」

「普通だったね。」

「王都でも外で歩いている女性より綺麗だったか。」

「それは当たり前でしょう。

 貴族付なのですから。」

「はぁ・・・ボールド殿、とりあえず、対立するような事はしないようにね。」

「お互いにな。

 じゃ解散という事で夕食後に。」

「ああ。」

4人も解散するのだった。


------------------------

スミスの部屋。

スミスが制服を着て確認をしていた。

「うん、上着も問題ないね。」

「ズボンの裾直しは私が出来ますので、夕食後にやっておきます。」

「すまないね。」

「いえいえお仕事です。

 それに裾直しやボタンの補修等はメイド長様に基礎を教わりましたので、ちょっと時間はかかりますが出来ます。」

「ありがとう。ジーナ。

 それと夕食前にグレース殿下に挨拶に行こうか。」

「はい、わかりました。

 荷物を部屋に置いてきます。」

「うん、じゃあ廊下で待っているから準備出来たら来てね。」

「では、一旦退出します。」

ジーナが箱を持って退出するのだった。

・・

ジーナの部屋。

グレースとの挨拶を終えたスミスとジーナ、そしてエイミーとドネリーが居た。

「ジーナ、大丈夫だった?」

エイミーが心配そうに聞いて来る。

「はい、特に何か変わった事は・・・ありませんでした。」

ジーナが考えながら聞いて来る。

「事前に一応言い含めたんだけどね・・・本当に心配よ。」

「ずーっとジーナの方を見てたよね。」

スミスが難しい顔をさせている。

「それは致し方ありません。

 ジーナ様は見た目もお綺麗ですし、首輪もありますし。」

ドネリーも難しい顔をさせながら言う。

「ふむ・・・とりあえず挨拶は出来たと。

 この後の行動がわからないのよね・・・寄宿舎内なら私の目もあるから危害は加えないと思うんだけど・・・

 取り巻きがどれくらいいるかは入学後でないとわからないし、授業中は流石に私も見ていられないしね。」

「そこまでなのですか?」

スミスが聞いて来る。

「今のグレース本人の意思は聞いたけど、いろいろ言いたい事はあるけどジーナに何かする事はないとおもうわ。

 でもこれが学院内で取り巻きと一緒に居るとどう出るかはわからないわ。

 こう言っては何だけど異種族に差別的な者が近づいて考えが変わるかもしれないしね。

 一応、人事局からの下調べでも差別的な者は居ないんだけど、そこがどうなるかわからないのが集団心理だしね。」

「気を付けます。」

「何かあれば気兼ねなく言ってね。

 と、じゃあそろそろ夕食に行きましょうか。

 スミスとジーナが来るとわかってから料理人が慌ただしかったのよ。」

「僕達ですか?」

「寄宿舎の食事が不味いなんて言われたら結構な所まで話が広がりそうでしょう?」

「いえ・・・そんな事は・・・」

「まぁ本人達に自覚は無くともそれとなく言いそうでしょう?

 特にタケオさんに。」

「私達が言わなくてもご主人様の方が聞いてきそうですね。」

「全くもってその通りだわ・・・で、2人ともタケオさんの前では嘘はつかなさそうだし・・・

 なので、ただでさえタケオさんの料理を食べている2人が寄宿舎の料理で満足するわけないのがわかっているから王城に研修に行ったりしてたのよ。

 なので寄宿舎の料理も結構美味しくなったわ。」

「それは楽しみですね。」

「はい、スミス様。」

スミスが言うとジーナも頷く。

「ごめん・・・期待させちゃった・・・普通です。

 たぶんエルヴィス家にとっては普通です。

 期待しないでください。」

エイミーが平謝りするのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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