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第1316話 王都に到着。3(ご挨拶。)

ジーナは寄宿舎の受付で外出を言った際に王城に行くなら人事局にまずは行くようにと言われ、人事局に来ていた。

今は扉の前です。

「・・・ふむ・・・まぁ良いですか。

 失礼します。」

扉を開け室内に入り、軽く室内を見ると一番の若手と思われる男性と目が合う。

「・・・どちら様でしょうか?」

男性は明らかに面倒臭そうに立ち上がり声をかけてくる。

「エルヴィス家お付のジーナと申しますが。」

「!失礼しました!

 担当の者を連れてまいります!」

男性が駆け足で奥に行ってしまう。

「え・・・あの~・・・」

ジーナが困る、「『エルヴィス家のお付と言ってから名乗るように』と寄宿舎の受付で言われたからなのだが、これはどんな対応をされるの?」と思う。

とすぐに女性がやって来る。

「うちの若手が失礼しました。

 ジーナ殿ですね。

 本日はどうされましたか?」

「はい、本日、エルヴィス家次期当主 スミス・ヘンリー・エルヴィスが寄宿舎に入りました。

 移動で使った馬車を王都守備隊にて保管して頂けるとの事でご挨拶をと思ったのですが、寄宿舎の受付にてまずは人事局に寄るようにと言われましたので訪問させて頂きました。」

「ご用件お受けいたしました。

 では、先方を確認してまいりますので、しばらくこちらでお待ちください。」

女性がジーナを先導して奥にある部屋に進んでいく。

「・・・」

ジーナは顔には出さないが「おや?」と思いながら付いて行くのだった。

・・

ジーナが通されたのは応接室なのだが、入って更に奥の部屋に続く扉の上に局長室の文言が。

「絶対おかしい・・・」

ジーナは出されたお茶の水面を見ながら呟く。

スミスのお付としてもキタミザト家のメイドとしても単体でここに通される事はないはずなのだ。

「ご主人様・・・また何かあったのでしょうか・・・」

ジーナは血の気が引き始める。

と入ってきた方の扉がノックされ即座に立ち上がる。

「失礼します。

 ジーナ殿、お待たせして申し訳ありません。

 お連れしました。」

「失礼する。

 ジーナ殿、会うのは初めてではないが言葉を交わすのは初めてでしょうか?」

「王都守備隊総長殿!

 どうしてこちらに!?私からお伺いしなくてはいけませんのに。」

「また呼びに行くと時間が勿体ないでしょう?

 だから来ましたよ。

 なぁに、机の上に仕事が山積みだったのでちょうど逃げ出したかったのです。

 いや~、良い時に来てくれました。

 さ、座って話しましょう。」

「はぁ・・・失礼します。」

総長とジーナが座る。

「えーっと・・・改めまして、エルヴィス家の馬車を保管いただきありがとうございます。」

「構いませんよ。

 うちでお預かりした事はエルヴィス家とキタミザト殿には伝えてください。

 キタミザト殿が来た際に乗って帰って貰いますので。」

「それは構いませんが・・・何か月も保管いただけるのでしょうか。」

「ん~・・・これはキタミザト殿達にはまだ内密でお願いしますが、5月上旬に2つの研究所所長が招集される事が予定されています。

 初めての定期会合という事になると思うのですが、その際に馬で来て貰い、帰りに引き取って頂きます。

 これはキタミザト殿だけでなく、一研のアルダーソン殿にも連絡をご子息の方から入れて頂いています。」

「つまりご主人様に定期会合の時に取りに来るようにと連絡をすればよろしいのですね。」

「ええ、お願いします。

 それ以前に急に使う際にはおっしゃって頂ければすぐに出します。」

「ありがとうございます。

 で、総長殿、人事局に私が来た理由なのですが。」

「例の2人です。」

「あ、なるほど。

 まだ会わせられないのですね。

 順調なのでしょうか?」

「ええ、当初の予定より早く課目が熟せています。

 今は多人数戦闘の訓練と言って集団戦闘の基礎をしているのですが・・・流石は現役の兵士ですね。

 短時間で合わせてきます。

 それと想像以上に体力があるみたいで皆が陰で必死に体力作りをしているそうです。

 彼らを入れて正解でした。

 部下達が慢心する事なく訓練をしてくれています。」

「ほっ・・・お役に立てているのなら良かったです。」

「ですので、当分はジーナ殿に接触するのは厳禁ですね。

 今は訓練に集中させたいのです。」

「あ・・・そうなのですか。」

ジーナが少し残念そうな顔をさせる。

「会えない事が寂しいですか?」

「いえ、そちらは構いませんが、実はスミス様の精霊のマリの依頼で私とスミス様が剣術・・・剣技を習っています。

 なので週1くらいで訓練場の隅をお貸し頂ければと思ったのですが。」

「ん~・・・こちらとしては少し時間が頂きたいですね。

 王立学院の方では借りられませんか?」

「スミス様とも移動中に話をしたのですが、平日は大きい講堂のような室内で型等の練習に励み、休日に組手をしようという話をしていたのです。

 それに精霊と本気でやるのであまり他の生徒に見せる訳にもいかないのではないかと。

 王立学院の方はまだ実物を見ていないので、許可も何もしていないのですが。」

「なるほど・・・確かに私達の訓練場は外から見えないというのはありますが・・・

 場所や時間は少し考えましょう。

 事前にこちらから使える日をお知らせ出来るかもしれませんし・・・

 あ、ジーナ殿、その組手に我々も参加して良いですかね?

 もちろん例の3人は参加させませんよ。」

総長が何か思いついたようだ。

「え?・・・んー・・・私としては問題ないと思うのですが・・・スミス様とマリに相談させてください。」

「わかりました。

 では、この件は2、3日後に話し合いましょう。

 それまでにジーナ殿は寄宿舎と王立学院での平日に使う訓練場の確認をして、私達は日程を確認しておきましょう。」

「はい、わかりました。」

ジーナが頷くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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