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第1308話 報告会。1(魔王国の面々。)

酒場での会談が終わり皆が宿に戻って行った。

一部の兵士達は主人達を宿に送り届けた後、飲みに繰り出していった。


こっちはヴァレーリの部屋。

「はぁ・・・タローマティ、どうだった?」

「料理に対する理解や米の殻を取る道具等がこの世界の人間より深く考えられてはいますが・・・

 武人としても許容範囲内ですし、個人としてそこまで脅威ではないかと思われます。

 また、生み出しているソースや酒も話を聞く限りキタミザト子爵が作り出したと言うより見つけたという感じのようです。」

「そうか・・・この世界・・・か。

 ちなみに連れていた2人の精霊はどうだ?」

「正直、わかりませんでした。

 向こうは名前を出さないようにしていましたし・・・なんでスーツ姿なのでしょうか。

 精霊なら民族衣装とか出身がわかる衣装を好むと思うのですが・・・

 名もわからず衣装も変えられていると流石に・・・」

「タローマティ、使えないな。」

「そこは申し訳ありません。

 ですが!主が私の名を呼んだのは失点です!」

「何が失点なんだ?

 お前はそもそも攻撃力は皆無だし、人々の苦悶や苦悩が好みだろう?

 能力としては交渉ぐらいにしか使えないだろう。

 向こうにわかって困る事があるのか?」

「一応これでも悪神の一柱なのですけど・・・普通の人間よりかは強いのですが。」

「我より弱いくせに。」

「主がおかしいのです!

 それに大概の人間では私の敵ではありません。」

「キタミザト子爵やアリス殿に勝てるか?」

「まぁ・・・楽勝ではないですが・・・たぶん勝てますね。

 所詮人間ですし、口頭で精神を揺さぶる事など時間はかかっても出来ると思います。」

「では、問題はないだろう。

 で・・・だが、屋根に何か居ないか?」

ヴァレーリが天井を見つめる。

「これはたぶんスーですね。」

「スー・・・確か夕食時にビエラと居た鳥か。」

「あれは炎属性の神獣ですからね。

 本気になれば村1つは燃やしますね。」

「ほぉ、良い精霊だな。

 使い勝手も良さそうだ。」

「そうですね。

 使い方によっては有利になるでしょうが・・・」

「で、誰の精霊なのだ?」

「自由気ままに食べてましたよね。

 他の2人はキタミザト子爵殿とアリス殿の肩に居ましたし・・・」

「まぁ良いか。

 さて・・・ウスターソースかぁ・・・あれは良いなぁ。」

「ウォルトウィスキーはちゃんと手に入りましたね。」

「うん、シモーナ殿はしっかりとしているという事だろう。

 今後も輸出入業をしっかりとまとめて欲しい物だな。

 ・・・カールラかぁ・・・」

「増々領地替えを言ってきそうですね。」

「はぁ・・・・そんな簡単に行くわけないだろうに。」

ヴァレーリがため息をつくのだった。


------------------------

ブリアーニの部屋。

ブリアーニは護衛で来ていた兵士と話をしていた。

「ん~・・・ウスターソースに米、ウォルトウィスキー・・・

 是非ともファロン子爵家の領地に異動したいなぁ。」

ブリアーニが考えながら言ってくる。

「女王陛下・・・隣接地がこのような大らかな国家で蟲も居ませんから異動したいというのもわかります。

 ただ民への説明に時間もかかりますね。

 それに魔王国が許可しなければ領地替えは出来ません。」

「そこよね・・・

 確か8月頃に魔王国とアズパール王国とで戦争をすると言っていましたね。」

「そのご報告は頂いています。

 慣例の戦争との事でしたが・・・我らは何も介入出来ないと思うのですが。」

「本当にそうなのかしら・・・戦場でなくて良いから何かしら失点をして貰えないかな。

 手配や行軍とかで・・・」

「戦場において犠牲を最小限にすると共に命令系統で失敗をさせ、失脚させると?」

「私は同盟国の犠牲を望んではいません、ですが領地移動はしたいんですよね。」

「ふむ・・・どちらにしてもここでは何も議論できないでしょう。

 それと報告では戦場はパーニ伯爵領との関とあったと思います。

 ファロン子爵領に戻り次第、護衛を分割させましょう。

 1隊は護衛にもう1隊はパーニ伯爵領経由で帰国をさせましょう。」

「そうね。

 下見は大事ね。」

「はい、理由としては蟲の件で少しでも帰国前に到着して対応出来るようにするとしておきましょう。」

「ええ、そうしましょう。」

ブリアーニが頷くのだった。


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カストの部屋。

「道中の話を聞く限り陛下は現状維持をブリアーニ女王陛下は領地移動を望んでいるのか・・・」

カストはお茶を飲みながら思案している。

「魔王国としてアズパール王国は良き交易相手になるだろう。

 それにキタミザト家は異種族とわかっていても子爵自ら話を聞いているし、奥方も名が轟きながらも異種族関係なく接している。

 ああいう人間種は稀だし大切にしていかないといけないというのはわかる。

 陛下は元々その辺はわかっている感じだったか。

 我々としてはウスターソースとウォルトウィスキーをどう入手するべきか・・・

 ん~・・・ブリアーニ女王陛下と今後の付き合い方も重要か。

 確かにファロン子爵の所とブリアーニ女王陛下の領地の変更は魔王国に利があるか。

 だが、ここまで尽力しているシモーナ殿を不利益にさせるのは些か不義理か。

 となると・・・あぁ・・・そうか。

 2地域を入れ替えるのではなく3地域の再分配をさせれば良いのか。」

カストが何か考え付くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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