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第1305話 米とから揚げと塩釜焼き。(お土産に1品ぐらい料理を教えるか。)

魔王国の3人が考えているのを余所に。

「シモーナさん。」

「はい、キタミザト様。」

「ウスターソースの輸出量については後日打ち合わせをしましょう。

 まぁ打ち合わせと言っても手紙でのやり取りでしょうが。

 キタミザト家(うち)の家令とやり取りをお願いします。」

「畏まりました。」

「それと米ですけど・・・今回の米を食べてみて問題ないと思います。

 今後領内で普及というか消費量が増えた場合も考慮し、輸出量の増加を検討してください。

 こちらについてはシモーナさんとカールラさんとで協議でしょうか。」

「そうですねぇ・・・ですが、カールラ殿も米の消費が増える可能性があるのですが・・・」

「費用ですか・・・今の価格だから普及出来る可能性はあるのですが・・・

 うん、それも含めて検討していきましょう。

 まずは数量がどうなるか、価格がどうなるかです。」

「わかりました。

 そちらはレバント殿と話をしながら決めます。」

「ええ、お願いします。」

武雄が軽く頭を下げる。

「さて、交渉はこれくらいにして・・・て、終わっていますね。」

武雄が皆を見ながら呆れる。

「タケオ様の米とトンカツも相性が良いですね。

 意外と美味しかったです。」

「何だかパンより食べた感があります。

 お腹にズッシリとくる感じです。」

アリスとエリカが笑顔で言ってくる。

「・・・この2人が食べられるなら街で出しても大多数の方には受け入れて貰えそうですね。」

武雄がうんうん頷く。


「あの~・・・キタミザト子爵様、お聞きしたい事があるのですが。」

ブリアーニが聞いて来る。

「はい、何でしょうか。」

「今日の料理はキタミザト様が作られたのですか?」

「・・・トンカツを揚げたのは料理人ですね。

 揚げる前の段階までは私がやりました。

 玄米の方にかかりっきりになっていましたからね。

 手伝って頂きました。」

「キタミザト子爵様も出来ますか?」

「ええ。私でも出来ます。

 やり方は・・・あ~・・・」

武雄がアリスを見ると真顔で武雄を見ていた。

「・・・すみません、調理法は現段階ではお教え出来ないようです。

 なので鶏肉の揚げ物で一風変わった物をお教えしましょうか。

 ヒントとしては私が好きなのは衣自体に味は付けません。

 この揚げ物は意外性があって好評でしてね。

 お試しになると良いかもしれません。」

「な!タケオ様!」

アリスが怒る。

「別に平気でしょう?たかがから揚げで」

と武雄は言ってのける。

「??・・・それだけですか?」

ブリアーニが不思議そうに聞き返してくる。

「はい、カールラさんは料理は?」

「しません。

 ですが・・・鶏肉の揚げ物も食べた事ありますが・・・先ほどの言葉を料理人に言ってみます。」

「ええ、試行錯誤してくださいね。

 あと教えられそうなのは・・・カールラさん、お金持ちですか?」

「え?・・・え~・・・そこそこは。

 何かありますか?」

「塩釜焼きというのがあります。

 これなら教えても問題ないでしょう。」

「塩・・・釜焼き?」

「ええ、塩を大量に使うのでなかなか自費では出来ないのですが、私は好きなんですよ。」

「タケオ様、私食べた事ありませんが?」

「タケオさん、私もです。」

アリスとエリカが即座に反応する。

「それはお金かかりそうですからね。

 家計の負担にならないようにしているだけです。」

「「・・・」」

アリスとエリカはお互いに目を合わせ、そして頷く。

「うん、その塩釜焼きというのは帰ってから作りましょう。

 私のお小遣いから捻出すれば良いのでしょう?」

「私も出します、ついでにカサンドラからも出させます。」

「エリカ様・・・そこは主従関係で雇用主が出すのでは?」

「タケオさんが躊躇する金額を私が単独で出せるわけないでしょう!

 自分の分は自分で賄って貰わないといけません!」

エリカがカサンドラに凄む。

「あ~・・・そこまでは高くないですよ?

 ただ夕食や昼食にかける費用としては割高なだけですからね。」

武雄が苦笑しながら言う。

「ほっ・・・ならカサンドラのは私が立て替えておきます。」

「立て替え・・・返済は分割でお願いします・・・」

カサンドラが渋々同意するのだった。

「で、キタミザト子爵様、塩釜焼きというのは?」

ブリアーニが聞いて来る。

「塩に卵の透明な方を入れて捏ねてから土台を作り、魚や肉を乗せて塩で囲んで焼き上げる料理方法です。

 窯で20から30分焼いて10分くらい余熱で蒸らすのですけどね。

 焼き上がりは固くなっているので割って中を取り出して食べてください。

 良い感じで塩味が付いて美味しいですよ。」

「タケオ様、お金かかるのですか?」

「海なし地方だと塩がお高いでしょう?

 肉にかけるのではなく、指の太さぐらいの厚みで囲うのです。

 それに調理後はその塩は破棄しますからね。

 1回のみで大量の塩が使えるくらいのお金は必要なんですよ。」

「あ~なるほど。」

アリスが頷く。

「そういう意味でのお金ですか・・・」

「カールラ、貴女の所で無理なら私の所でしますか?」

「・・・ダニエラの所で試作してからしてみますか。

 あとはさっきキタミザト子爵が言ってくれたレシピを再現出来るのか・・・」

「?・・・何言っているんですか?

 さっきの鶏肉の揚げ物についてはヒントですから私も王城でしてみますが、塩釜焼きはキタミザト子爵に手ほどきをお願いした方が良いでしょう。

 たぶん・・・今のままだと違う物が出来る可能性あります。

 キタミザト子爵様、このぐらいは我が儘を言っても良いですよね?」

「材料費いただけるのならお教えしますよ。」

「わかりました。

 メモを取らなきゃ。」

ブリアーニがやる気になるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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