第1300話 久しぶりにエイミー殿下達。(アルマとレイラの雑談。)
寄宿舎のエイミーの部屋。
「ただいま~・・・ん?・・・」
誰も居ない部屋の扉を開けてエイミーが入って来るが。
「・・・」
違和感を覚え室内を見渡す。
と扉がノックされエイミーのお付の女性が入って来る。
「エイミー殿下、おかえりなさいませ。」
「うん、戻りました・・・部屋に入りましたか?」
「はい、洗濯が終わり、乾きましたのでしまっておきました。」
「ありがとう・・・ん~・・・他には?」
「いえ、下着と服を整理しただけですが?」
「・・・何かおかしい。」
「そうですか?
私が入った時はこうでしたが?」
「ん~・・・わかりました。
下がりなさい。」
「はい、何かあればお呼びください。」
お付が退出して行く。
「・・・はぁ・・・何だろうこの違和感・・・」
エイミーがベッドに座りくつろぎながらぼやく。
「エイミー、これといって危険はなさそうよ。」
アルが実体化して確認していく。
「うん、わかった。
っと。」
エイミーが立ち上がり机の引き出しから全財産や書類が無くなっていない事を確認する。
「・・・大丈夫ね。」
「・・・」
アルが天井を見ている。
「ん?アル、どうしたの?」
「いや・・・別に。」
「ふぅ・・・」
エイミーが再びベッドに座る。
「新入生はどう?
さっき一回りしたけど。」
「今年はいろいろだね。
入学者もちょっと多いし・・・何人か強者がいるかも・・・」
「エイミー、スミス取られちゃダメよ?
かなりの有望なのが居たわよ。」
「お祈りが足らないかしら。」
「体の一部を豊かには流石に・・・」
「タケオさんに相談しようかなぁ・・・」
「レイラやアルマは?」
「元から持っている者に聞いても苦労はわかってくれませんよ。」
「いくらタケオでもわからないんじゃないの?」
「タケオさんとパナの組み合わせなら解決策が出るかもしれません。
・・・はぁ・・・そういえばそろそろスミスが来るはずなんですけど・・・」
「4日後に4月になっちゃうわよね。
大丈夫なのかな?」
「まさかのギリギリです。
スミスとジーナの部屋は確認しましたが、ベッドすらない。
あの2人大丈夫かしら。」
「早く来ないと大変そうね。
それに寄宿舎生活の相談しないとね。」
「そうね。
はぁ・・・グレースとは大丈夫かなぁ。」
エイミーがベッドに横になり心配事を吐露させる。
「で、エイミー、この後は?」
「夕食前に湯浴みしとこうかな。」
エイミーが下着を取りに棚に行く。
「ん??・・・なんだこれは?」
エイミーが棚を引き出した体勢でワナワナさせている。
「・・・大人下着だね。」
アルも覗き込んで感想を言う。
「増えているし!
いつもの下着が少なすぎ!
・・・湯浴み前にあの野郎に文句言いに行きます!
アル!」
「はいはい。」
エイミーが部屋を出て行くのだった。
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第3皇子一家の執務室。
「そう言えばさぁ。」
アルマが書類から目線を室内に移す。
「「ん~?」」
アルマの呟きにウィリアムとレイラも書類から顔を上げる。
「スミスとジーナの寄宿舎の部屋の家具どうなっているのかな?」
「・・・アルマお姉様、お爺さまより手紙が来ていますよ。」
レイラが机から手紙を出してアルマの前に置く。
「どれどれ・・・えーっと?・・・『あの2人は何も決めていないようなので下調べしておいてください』・・・んー・・・
パット、寄宿舎向けの家具屋ってどこ?」
アルマが手伝いに来ているパットに聞く。
「僕が買ったのは門から4つ目を東に入って3つ目の通りを南に2つの所にある家具屋です。
貴族達が行くのは門から西に5つ目の通りを入って南に7つ目の通りを入って更に西に4つですね。」
「わからないわ。
レイラ、どうするの?」
「前にスミスとエイミーちゃんが行った家具屋に頼んであります。
また行くから即納入出来るようにだけはしておいてと。
あとベッドは私好みのを教えておきました。」
「固めね。」
「はい、固めです。」
アルマとレイラが頷く。
「あのぉ~・・・エイミーはスミスをと?」
パットが首を傾げている。
「まぁパットと違ってエイミーちゃんは嫁ぎ先を選べるしね。
身内贔屓というのはあるけどスミスは結構将来有望だからね。
後ろ盾もしっかりしているし。
本人達が良ければあの2人に関しては親達は何も言わないわよ。
むしろお義父さまやお義兄さまがやる気のように見えるわね。」
レイラがヤレヤレと手を挙げている。
「そうなのですね。
少し羨ましいですが・・・」
「早くリスト作りなさいよ~。
お姉様方に送って意見聞くからさぁ。」
「そうは言われても・・・」
パットが困っている。
「ん~・・・そうは言っても世継ぎ問題もあるからなぁ・・・
パット、たぶんリストを作らないと一家の方で勝手に候補を見繕われるわよ?
まぁ出会いという観点からだとそれも有りだけど・・・1人目は自分で探してみなさいよ。」
「はぁ・・・」
パットが生返事をする。
「でも手出しは厳禁よ。」
「それは当然だからね。」
「わかっています。
でもどうやって。」
「とりあえず街を歩いてきなさいよ。
護衛の騎士を2名くらい連れてね。
あ、歓楽街も禁止よ。」
「行きませんって。」
「ん~・・・まぁ良いわ。
もう少し仕事が出来るようになれば時間も出来るだろうし、その時に散歩しながら女の子を探しなさい。」
「そ、外に行きたいなら仕事が出来るようにならないとね。」
「そこですか。」
「「仕事優先。」」
アルマとレイラが当然の如く言うのだった。
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