第1298話 料理するぞ。(下準備。)
「「「・・・」」」
魔王国3人が真面目に見ている。
武雄が米研ぎを2回と5回すすぎを終えていた。
「このぐらいかな?」
コノハが武雄の作業を見て頷く。
「えーっと・・・漬け置きは何分でしたか?」
「最低4時間なのよ・・・精米すると作業に4時間程度はかかるから今日は無理ね。」
「そんなにですか・・・意外と長いですね。
・・・ギリギリかぁ。」
武雄が懐中時計で確認する。
「玄米だからね~、白米なら1時間程度で良いんだけどね~。
あ、タケオ、水は白米の1.4倍よ」
「えーっと・・・白米は確か1.1倍程度でしたかね。
1.1の1.4倍・・・米の1.5倍くらいですかね。」
「それで良いんじゃない?
タケオ、何回炊く?」
「ん~・・・4回ですかね。」
「味はどうする?」
「玄米だからなぁ・・・私はなんとか耐えられると思いますが、皆さんはなぁ。」
「だよね~。
なら炊き込みはどうかな?」
「あ、なるほど。
干しシイタケを戻した出汁と一緒に炊き込みますか。
4時間なら細かくした物であればギリギリ使えそうですね。」
「うん、そうだね。
メインはから揚げ?トンカツ?」
「うちの女子っ子がトンカツを希望していましたね。」
「じゃあトンカツね、サラダは・・・ポテサラなんてどう?」
「待っている間に作れそうですね。
あとパンも用意しましょうか。」
「最悪はパンにポテサラとトンカツを挟めば良いよね。」
コノハと武雄が話していく。
「よし・・・料理人!」
「はい!キタミザト様!」
厨房でお手伝いする為に居た料理人を呼ぶ。
「米については私がします。
ポテサラの作り方を教えますからまずはジャガイモを茹でて、ニンジンの短冊とキュウリの輪切りを用意してください。
あと、オーク肉の厚切りを用意してください。」
「了解です。
他にはありますか?」
「キャベツの千切りを要望します。」
「千切り・・・ですか?」
「はい、細長く切ってください。
あ、ならジャガイモを茹で終わったら私がポテサラを作りますからキャベツの千切りは任せます。」
「人数が・・・わかりました!
とりあえず食材が足らない物があるので買ってきます。」
料理人が覚悟を決めた顔をさせ、厨房を出て行く。
「よろしくお願いします。
では、あっちの籾摺り状況を見に行きますかね。」
武雄が一旦厨房を離れる。
「ん~・・・米を洗うのですね。」
「結構ギシギシ洗っていましたね。」
「2回洗って、水を5回変えて、4時間浸すっと・・・
こんな調理法聞いた事ありません。」
「トンカツ、ポテサラ・・・初めて聞きます。
一体、どんな料理が出るのか・・・」
「楽しみ半分、怖さ半分ですね。」
見ていた3人が武雄の会話と実践を見ながら書いたメモを見ながら話している。
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店先では。
「ん~っと・・・あと30袋くらいかぁ。」
「飽きてきましたね。」
「・・・」
3人娘が「残りはエルヴィス領で良いんじゃない?」と思っている。
とコノハがやって来る。
「おぉーやってるね。」
「あ~・・・アリスの精霊殿、残りはエルヴィス伯爵家でしませんか?」
「今すぐ必要じゃないし。」
「・・・」
3人が訴えて来る。
「・・・まぁ20袋しただけでも大したものかもね。
良いわよ。」
コノハが諦めたかのように言う。
「「「やったー♪」」」
解放され喜ぶ。
「タケオが仕込みを始めたわよ。」
「見に行きましょう!」
「何作るのですかね?」
「・・・お二人とも片付けというかこの1袋は終わらせましょう。」
「「最速で終わらせるよ!」」
アリスとエリカがやる気をだすのだった。
店内では。
「あ~?」
「きゅきゅ。」
「あー!?」
いつのまにかクゥが上に投げる役をし、ビエラが木板で風を送っていたのだが、クゥの力加減が上手くいかないようで数回に1回失敗していた。
「・・・」
武雄は特に2人には何も言わず、ブレア達の所に行く。
「どうですか?」
「もうすぐ終わりますね。」
「意外と10㎏は難なく行けそうですね。」
「臼を回すのが案外軽いのも要因ですね。」
「なるほど・・・それは良い事聞きましたね。
その辺の話も戻ったら皆で話し合いましょう。」
「わかりました。」
3人が頷く。
「こっちはどうですか?」
武雄がミアとパナの所に行く。
「結構大変ですね。」
「目が痛いですね。」
パナとミアが「こりゃ大変」と言ってくる。
「ん~・・・仕分けの方法も考えないといけないですね。」
「主、米の料理は何をするのですか?」
「炊き込みご飯ですが・・・ミアはわからないですかね?」
「はい、全然わかりません。
美味しいんですかね?」
「さて・・・私も初めての料理ですからね。
美味しく出来たら良いなぁと思うんですよね。」
「美味しいと良いのですけど・・・
米はわかりましたけどメイン料理は何ですか?」
「トンカツです。」
「おぉ、フルーツは何ですか?」
「すぐに買ってきます。」
「オレンジかリンゴが良いです。」
「わかりました。
ミア達も休憩がてら買い物行きますか。
ポケットにどうぞ。」
「「はーい。」」
2人がポケットに入る。
「じゃ、しばし買い物に行ってきます。」
「行ってらっしゃいませ。」
ブレア達が武雄を見送るのだった。
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