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第1290話 自己紹介。(次手アリス。)

武雄は皆の自己紹介を終わらせていた。

「部下については6名連れて来ていますが、そちらは割愛させていただきます。」

「は・・はぁ・・・」

シモーナが生返事をする。

他の面々も驚いていた。

「あの~・・・アリス・ヘンリー・エルヴィス殿は・・・あの有名な?」

ブリアーニが手を挙げて聞いて来る。

「王都で私の話が本になったと聞いています。」

アリスがにこやかに言う。

「せ・・・鮮紅殿なのですか?」

「そうとも言われていますね。」

「え・・・では、鮮紅殿はキタミザト子爵様と結婚をされたと。」

「はい、つい数日前に。

 それに今は妊活中でして・・・タケオ様がいいお歳ですので、早く子供が欲しいという事でもう激しい戦闘は出来ないと考えています。」

「!?」

アリスの宣言にヴァレーリが心の底からガックリとする。

「あ~・・・なるほど。人間種は短命ですしね。

 それは致し方ないですね。」

ブリアーニは苦笑しながら言う。

「あ・・・えーっと・・・お連れの方が残念そうですが・・・」

アリスがヴァレーリを見て心配そうな顔をさせる。

「あ、ダニエラの事は気になさらないでください。

 彼女は戦いが好きなので鮮紅殿と戦うのを楽しみにしていたようなのです。」

「それは・・・すみませんでした。

 ですが、私はあの戦闘以降ほとんど戦ってはいませんし、1対1では人並み程度しか戦えません。

 今戦ったとしても満足頂けないかと思いますが・・・」

アリスはそう言うが、周りは「あれが人並みならアズパール王国は化け物だらけ」と思っている。

「あの話は偽りと?」

「いいえ、実際にゴブリン達の襲撃は受けましたし殲滅はしました。

 私も魔眼にもなりましたが少々誇張がありますね。

 いくらゴブリンと言えど、ほとんど戦闘訓練も受けていない私が1人で数十も倒せません。」

アリスが申し訳なさそうに言っているが、周りは「半数は貴女だと正式に報告されてますが?」と思っている。

「ふむ・・・確か犠牲者が出たのでしたね。

 国家として美談にするというのは考えられますが・・・」

ブリアーニは考えながら言う。

「ゴブリン200対兵士80名・・・皆が必死になって守っただけです。

 結果として誇張された話が全土に広まりエルヴィス家の名声は上がりましたが。」

「そうなのですね。」

「はい、王都に行っても下に置かない待遇を受けられます。

 そこで慢心しない事が王都から睨まれない秘訣ですけども。」

「謙虚は大事ですね。」

「適度な謙虚は大事です。

 それに私は戦えませんが、タケオ様は私と同等の力はありますよ。」

「はぁい!アリス、止めましょう。」

武雄が止めにかかる。

武雄はアリスが壮大な爆弾を仕掛けたのを驚いていた。

「キタミザト殿は鮮紅殿と同等なのですか!?」

ヴァレーリが食いつく。

「いーえ、違います。

 私は一般人です、戦闘は苦手です。」

「あれ?模擬戦では魔眼を発動している私でも勝てませんが?」

「負けてもいないでしょうが、引き分けです。

 なんです。ここで意趣返しですか?

 押さえ込んだのをまだ根に持っているとは・・・」

「鮮紅・・・いやアリス殿と同等なのですね!?

 キタミザト子爵殿!模擬戦しましょう!」

ヴァレーリが食いついて来る。

「えー・・・なぜに?」

「戦いましょう!強者は戦わないといけないのです。」

「私兵士ではないのですけど・・・」

「命のやり取りなんて所までしなくて良いです!

 模擬戦をしましょう!

 一度で良いので手合わせをしてください!」

ヴァレーリが引かない。

「あ・・・あ~?」

「主、ビエラが『いざとなったら私が止める』と言っていますよ。」

「こらっビエラ、誰の味方ですか。

 それにシモーナさん達を接待しな」

「あ、お構いなく。」

シモーナが問題ないと言っている。

「護衛の方々も」

武雄が護衛の2人に助けを求めるが。

「すみません、して頂けませんか?」

「ダニエラがこうなると手がつけられないので・・・」

「いざとなれば我々も止めに入りますので・・・お願いします。」

フレッディもタローマティもカストも申し訳なさそうに深々と頭を下げている。

「お~・・・ん~・・・」

武雄が困って周りを見るがマイヤー達ですら諦めモードで「所長、頑張って」という顔をさせている。

「周りがする方向に行っているとは!

 じゃ・・・命のやり取りはなし、いざとなれば周りの護衛の人達が止めに入る。

 これが絶対条件です!

 私死にたくありません!」

「はい!それで構いません!」

ヴァレーリが頷く。

「はぁ・・・なんでこんな事に・・・

 えーっと・・・ダニエラさんでしたか。

 1回ですよ?本当に1回ですよ!?」

武雄が念を押す。

「はーい♪1回で結構です♪

 他国に来て強者と戦えるとは~♪」

ヴァレーリが満面の笑みをさせるのだった。

「では・・・町中ではあれなので・・・門の先でしますか・・・

 はぁ・・・」

武雄が席を立つとマイヤーとビエラも席を立つ。

ヴァレーリやタローマティ、ブリアーニ、フレッディとカストが席を立つ。

「アリスとエリカさんは・・・私の代わりにシモーナさんの積み荷の確認をお願いします。」

「はい、わかりました。」

「お任せください。」

アリスとエリカが頷く。

「おばさん、私はアリス殿とエリカ殿と一緒に積み荷の確認をしてきます。

 おばさんも楽しんできてください。」

「うん、わかったわ。

 私はあっちを見て来るわね。」

レバントも席を立ち部屋を出て行くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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