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第1288話 町への入り口。(そろそろバレるか。)

草むらの武雄達。

「主・・・なんだかすっごいのが来ました。」

ミアが武雄の肩に乗って若干震えている。

「・・・マイヤーさん。」

「至って普通の商隊かと。

 護衛が多いとも思えますがそれは今回は特例でしょうか。

 1人を除き皆が人型ですね。」

「ふむ・・・ん?ヴィクター・・・どうしましたか?」

小銃改1のスコープを覗き込んでいるヴィクターが大量の汗をかいている。

「・・・主・・・まだ正確な顔まではわからないのですが・・・」

ヴィクターが顔を上げずに報告してくる。

「うん、どうしましたか?」

「少なくとも護衛している2人は知っています。

 1人はカスト殿・・・伯爵自身です。

 もう1人はフレッディ殿・・・王軍で第1軍の指揮官です・・・」

「侍女の護衛では少々豪勢ですか。」

「フレッディ殿が動くという事は・・・来ている陛下の侍女は、ヴァレーリ陛下ご自身の可能性が・・・」

「・・・ん~・・・」

武雄が何気にビエラを見る。

「タケオ、危険。」

「危険かぁ・・・でも行かないわけにもいかないですし・・・

 それよりマイヤーさん、国の王って辺境に来たかったり越境したかったりするのですかね?」

「所長、私もああいう行動をするのは、うちだけだと思っていましたが・・・あちらも似たような君主だったのですね。」

マイヤーが体を起こして言ってくる。

「では、私も見ますか。

 マイヤーさん、交代。」

「はい、どうぞ。」

「えーっと・・・」

武雄が今度は小銃改3のスコープを覗いて一行を覗くのだった。


------------------------

シモーナ一行。街道から町へと向かう分岐点にて

「着いた。」

「着いちゃったわね・・・で、後ろが何となく物々しいのだけど・・・」

「あ、おばさんもそう思いますか?

 まぁ・・・護衛の方々ですから敵国内だから仕方ないのではないのですか?」

「そういう物なのかもねぇ。

 じゃあ、町の受付まで行きましょうか。」

「はい。」

シモーナ達は特に止まるでもなく分岐点を過ぎて行く。


「・・・はぁ・・・フレッディ、グラート殿、第3種警戒解除。」

ヴァレーリが呆れながら呟く。

「はっ!」

「了解です。」

2人が護衛達に解除を言いに行く。

「ダニエラ?」

ブリアーニが聞いてくる。

ドラゴン(向こう)もこっちにはとっくに気が付いていて良い距離だが、ここまで殺気を向けるでもなく、咆哮するでもない・・・何もしてこないとなると普通に滞在しているだけだろう。

 警戒してもこっちが疲弊するだけだ。

 あとはなってからだ。」

「まぁ、ダニエラがそういうなら良いんだけど・・・

 それに一度、警戒態勢を敷いたから居る間は緊張感は維持してくれそうね。」

「そうだな・・・このぐらいが丁度良いのだろう。

 それにしてもこのドラゴン・・・」

「ん?」

「いや、何でもない。」

ヴァレーリが少し草原の方を見るが馬の速度は落さず、シモーナ達の幌馬車に付いて町の方に行くのだった。


------------------------

アリス達は。

酒場の店前で町の入り口を見ていた。

「来ましたか。」

「きゅ~・・・」

「クゥ、『部屋で寝ていたい』って・・・どうしたの?」

チビコノハがアリスの肩に座ってエリカに抱かれているクゥに聞いて来る。

「きゅ。」

「ふーん、面倒そうな高位の魔物かぁ。

 まぁでも積み荷の受け渡しが主だった事だし問題ないんじゃない?

 戦いに来た訳でもないし。」

「きゅ~。」

「え・・・そりゃ戦闘狂とかは困るけど・・・他国にそれも商隊で来るならそれなりに自制出来るわよ。

 ・・・たぶん。」

「きゅ・・・」

クゥがやる気をなくしていた。

「はぁ・・・クゥちゃんのやる気はもうどうしょうもないですけど、とりあえず、町の入り口に商隊が来ましたね。

 では、予定通りにお出迎えしましょうか。」

「あ、そうだ。

 アリス、皆!これから私とパナちゃんの名前を言ってはいけないからね。

 アリスの精霊、タケオの精霊という言い方でお願いしますよ。」

コノハが周りの皆に言う。

「ん?そうなの?」

アリスが不思議そうな顔をさせる。

「うん、精霊同士は名前で相手の素性がわかってしまうからね。

 これは隠蔽した方が良いでしょう。

 パナちゃんには伝達したので問題なし。

 さて、衣装替えするかぁ。」

とコノハが一瞬でスーツ姿でトレンチコートを羽織った姿になる。

「それは?」

「以前からパナちゃんと話をしていて何かあったらスーツ姿の方がわからないだろうとなってね。

 用意はしておいたの。

 パナちゃんもスーツ姿になっているはずよ。」

コノハはそう言いながら自分の髪を弄り、サイドテールにし始める。

「・・・いつの間に用意を・・・」

「秘密。

 良し!完成。」

コノハがササっと髪をまとめる。

「コノハ殿、印象変わりましたね。」

エリカが言ってくる。

「こういう時に髪が長いと便利よね。

 ヘアアレンジで印象変えられるし。」

「サイドでまとめるのですか。

 私もしてみようかな。」

アリスがコノハを見て呟く。

「いや、アリス・・・私と被らせないで。

 で、えーっと・・・アリス、この後は部屋に行くんだよね。」

「そう、私達は部屋で待機で・・・あ、来た。

 さ、奥に行きましょう。」

アリスや奥に待機する面々が移動するのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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