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第1282話 昼食後。(東町局内と武雄隊。)

東町に勤めている文官達が満足そうな顔をさせて庁舎に戻って来ていた。

参加した者達は居残った者達に「ウスターソースは凄い」と自慢しており居残り組は「良いなぁ」と言うが居残り組はアリスからのお土産で今回持って来たウスターソース1樽の残りを分配される事になったので本心では「早く帰って作ろう」と思っているのだった。


東町局長の執務室。

局長と幹部達がお茶をしている。

「はぁ・・・疲れた。」

「局長、お疲れ様です。

 キタミザト様との話し合いどうでしたか?」

「順調、順調。

 これ・・・頂きました。」

局長が武雄から貰ったキノコ栽培の作付け方法のメモ書きを皆の前に出す。

「おぉ・・・これが。

 すぐに書き写しましょう。」

「そうだな。

 任せた。」

「はい、すぐに。

 失礼します。」

武雄のメモを持った文官と補助で2名が退出していく。


「担当者は今は木を見に行かせたが・・・戻って来たらこの資料も渡さないとな。」

「はい。その後、会議をするべきでしょう。

 キタミザト様の考えをフレデリック様や他の局が推しています。

 たぶんこのキノコ事業も長い目で見ると固定収入になる可能性もあります。」

「その通りだ、だが実施する農家に無理をさせるというのは違うからな。

 あくまで無理をするのは私達文官だけだ。」

「損な役回りですが、これも仕事です。

 成功させましょう。」

「ああ、とりあえず今日中に会議の方の段取りを整えてくれ。

 と言ってもまだ時間はあるか。」

「はい、この後段取りをします。

 それにしてもウスターソース凄いですね。

 特産品祭りに参加した者達が言っていた事がやっとわかりました。」

「うん、だろう?

 あれは素晴らしい。

 早くこの町でも食べられるようにしないとな。」

「はい、それと局長達が言っていた川魚の揚げ物という物を試行錯誤させていますが。」

「うんうん、向こうで食べたのだが、ジャガイモと鶏肉の揚げ物とウスターソースは合ったからな、

 川魚でも揚げ物にしたらウスターソースは合うだろうという事だったが・・・

 どうだ?目ぼしい川魚はありそうか?」

「小魚というのはどうでしょうか。」

「小魚・・・揚げ物だよな?」

「はい、揚げ物です。

 フライドポテトの魚版になります。」

「・・・うん、いまいちわからないな。

 酒場には出ていたか?」

「いえ、賄い食になっていたようです。

 その小魚の頭と内臓を取り除いた物を揚げていたと元酒場の調理人が言っています。

 これなら下準備も少なそうだと思うのですが・・・獲れる量が安定しないのです。」

「ここでも漁獲量が問題か・・・

 キタミザト様の継続的な漁獲量というのは案外難しいのかも知れないな。」

東町局長が腕を組んで考える。

「・・・局長、1つの種類に拘らない方がよろしいのではないですか?

 早朝に捕れた魚の中からメインの川魚以外を揚げ物にする。

 そうすればある程度賄えるのではないですか?」

「それは特産品になるのか・・・だな。

 特産品は特定の物を加工し認知度をあげる事だと思うんだが・・・種類を特定しない魚料理か・・・

 ん~・・・どうなんだ・・・わからない・・・」

「この後の会議にかけますか?」

「そうだなぁ・・・私だけでは否定的な意見しか出ないだろうし、若手の意見も聞かないとな。

 若手が面白いと思えるような政策が出来れば良いんだが。」

「はい、そうですね。

 若手の意見に私達年寄りの現実的な意見を入れて方向を固めましょう。」

「・・・私も年寄りの括りになる年になったのか・・・」

「今さらそこに感傷されましても。

 若手が来るまでのんびりとしましょう。」

局長と年寄り達がゆったりと過ごすのだった。


------------------------

さっきまで文官達と昼を食べていた酒場にて。

厨房からショワーという揚げ物の音がしている。

「・・・」

「・・・」

アリスとエリカは目を瞑り料理を待っている。


事の発端は武雄が昼の焼きパスタを作った時にまで遡る。

酒場の店主と料理人が武雄の焼きパスタを学ぶ為、そして大量に作る為に一緒になって作ったのだが、その際に厨房の片隅に朝一で獲れたての川魚があったのを武雄が見つけていて、メニューに出さない雑魚は好きにして良いという事で今は勝手に武雄が料理していた。


「あ♪あ♪」

「きゅ♪きゅ♪」

ビエラとクゥは親子仲良くタルタルソースを作っている。

「こういう時だけ率先して動きますね。」

ミアは2人の行動力を呆れながらもタルタルソース作りを手伝っている。


試験小隊の面々とヴィクターは明日の会談用の机と椅子を配置し、机には先ほどアリス達が買ってきたシーツを敷いてそれなりの会談の場を作っていた。

明日の席決めをしているのだが。

「ん~・・・中央に所長と対面にシモーナ様で所長の隣にアリス殿と私、後ろにヴィクター殿が普通ですよね。」

「はい、私は執事になりますので着席は致しませんのでその配置がよろしいかと思われます。

 ですが・・・私が同席するのは些かマズい気がしますが。」

「そこは結論が出ていません。

 所長がおやつを作ったら皆で話し合いましょう。」

マイヤーが頷くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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